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OEM契約とは?ODM契約やライセンス契約との違い

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突然ですが、あなたは東日本を中心に店舗を展開するスーパーマーケットGMOサイン商店のバイヤーであると仮定します。
これまで、GMOサイン商店のプライベートブランド(PB)では、洋風のパスタソースを販売してきましたが、和風のパスタソースも商品ラインアップに追加してパスタソース売場のさらなる売上アップを目指したいと考えています。
スーパーマーケットであるGMOサイン商店は、顧客の購入データに基づく嗜好、メーカーブランドの研究、競合店の売上動向の調査などが得意です。しかし、パスタソースの生産ラインを自社で持っていません。生産工場を1から立ち上げるとなると多くの費用と時間がかかってしまいます。
どうやら隣の県にある工場が、和風パスタソースの生産設備と技術を持っていることがわかりました。早速工場まで出向き、商品開発の打ち合わせを重ねたところ、コストも見合いそうですし、予定している発売日にも間に合いそうということで工場と製造委託契約を締結したいと考えています。
この場合、どのような契約内容にすればよいのでしょうか。
 
今回は、製造委託契約からより踏み込んだ形である「OEM契約」「ODM契約」について、またライセンス契約との違いについてご説明します。

目次

1.OEM契約とODM契約

「OEM」とは、「Original Equipment Manufacturing」の略称で、委託者のブランドで商品を生産することを意味します。このように自社ブランドの商品の製造を他社(受託者)に委託する契約をOEM契約といいます。
「ODM」とは、「Original Design Manufacturing」の略称で、受託者が委託者の商品のマーティング戦略を立案し、複数のブランドの企画製造、物流・販売まで行うような場合を指します。


今回のOEM契約に基づき製造された和風パスタソースの品質表示を見てみましょう。多くのプライベートブランドのパッケージのデザインは統一され、委託側である販売者の商標やブランド名が記載されています。しかし製造者は、XXX株式会社となっているのがわかります。

名称 パスタソース
原材料名 植物油、たらこ、のり、ねぎ、食塩、こしょう、こんぶエキス、レモンエキス、調味料(アミノ酸等)、香料
内容量 20g
賞味期限 枠外上部に記載
保存方法 直射日光を避け、涼しい場所に保管してください。
販売者 株式会社GMOサイン商店
製造者 XXX株式会社 千葉工場

2.OEM契約のメリットとデメリット

OEM契約は、委託側にとっても受託側にとっても、ビジネスの拡大の可能性が見込めるものですが、メリットやデメリットはあるのでしょうか。

①委託側のメリット・デメリット

委託側にとって、生産のための設備投資がかなり少なく、場合によっては不要となるため、資金的負担が大幅に減らせるというメリットがあります。また、商品のアイディアや消費者の声を持っていますから、さらなる新商品の開発や販売促進に集中することができます。
一方、デメリットとしては、生産を外部に依存するため、生産による利益が得られないこと、契約を続けることで、委託側が支給した製造技術や品質管理のノウハウを受託側が吸収・習得し、将来委託側の競合となる競争力を身に着ける可能性があることが挙げられるでしょう。

②受託側のメリット・デメリット

受託側は、協力工場という下位の立場に置かれますが、技術、知的財産を自社の経営に活用し、委託側の要望を具現化することで企業の成長を図る可能性があります。また、生産余力の活用や自社技術水準の向上が見込まれ、量産によるラインの稼働率アップなどが見込まれるでしょう。
デメリットとしては、受託側の名前が市場に浸透しない、委託者側に自社の製造技術やノウハウが流出するおそれがある、といったことが挙げられます。

3.OEM契約とライセンス契約の違い

ライセンス契約とは、商標や特許などの知的財産を保有する会社(ライセンサー)が知的財産の利用を製造者や販売者に許諾する契約です。許諾を受けた会社(ライセンシー)は契約内容に沿って商品を製造・販売することができ、その対価としてライセンス料を支払います。
ライセンスをする側は、製造設備や販売場所やスタッフの確保を行わず、ブランド価値の向上やデザインの制作に注力することができます。海外ブランドのアパレルで、傘やハンカチ、ソックスなどの小物が販売されているようなケースを想定してください。

4.OEM契約の注意点、記載すべき事項

OEM契約は、製造委託契約のひとつの形態ですから、製造委託契約に近いものになりますが、OEM契約の際に特に気を付けたいのは以下の項目です。

①商品の仕様について

商品の仕様を明確に確定し、契約に記載しました。商品の中身だけでなくパッケージの仕様についても同様に行います。

②商標・ロゴ・ブランドの利用について

商標やロゴ、ブランドの取り扱いについての取り決めを記載します。特に委託側は注意が必要な点です。商標権は委託側に帰属すること(受託側が委託側の商標等が付いた商品を委託側以外に販売しないこと)、商標等の利用ルール、商標等の目的外での禁止などを記載します。

③発注方法や最低購入数量

発注方法を定めます。最低購入数量を定める場合は、併せて記載します。
委託側が注意すべきことは、受託側に開示した販売計画に基づき最低購入数量を沿って購入することを伝えながらも、販売計画の進捗が芳しくないからといって最低購入数量を守らない、大量発注をするからといって通常価格より安い単価での契約を締結しておきながら少ししか購入しない、というケースを避けなければならないということです。このような行為は、受託側に大きな負担を強いることになるからです。特に委託会社と受託会社の資本金の額によっては、下請法の規制を受けることになるため、注意が必要です。委託側は、綿密な販売計画を立て、受託側と共にビジネスを成功させるという意識を忘れないようにしましょう。

④所有権と危険負担

危険負担とは、当事者に責任のない理由で完成した商品が破損して契約を達成できなくなった場合に、当事者のどちらがその負担を負うかという問題です。たとえば、受託者が予定通り商品を完成させて自社倉庫に保管していた際に、災害が発生して商品すべてが販売できない状態になってしまった場合、委託者は代金を支払う義務があるかが問題となります。所有権の移転がいつなのかを明確にしましょう。場合によっては、保険の手配(付保)についても取り決めることが必要です。

⑤検査内容と不合格品の取り扱い

委託者が、納入された商品が契約に基づく仕様や品質を満たしているかどうかを検査する際の検査内容や検査結果の通知期限などを定めます。また、不合格品となった商品についての取り扱いについても定めましょう。

⑥契約不適合責任と品質保証

検査後から一定期間を品質保持期間と定め、委託者が商品の仕様や品質につき検査基準を満たしていない商品が出た場合の取り扱いを定めます。(以前は、「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。)

⑦製造物責任

商品が原因で、消費者に損害が生じた場合についての対応方法を定めます。通常は、消費者に販売している委託者がまずは責任を追及されますが、原因追及のための受託者との協力体制や、受託者への求償についても定めておくことが重要です。

⑧秘密保持

契約期間中および契約期間終了後に、相互に知り得た秘密情報の保持について取り決めます。特に、委託側は販売データやノウハウ販売計画などを、受託側は生産技術や製造ノウハウなどを競合他社に展開されないように注意することが必要です。

5.まとめ

今回は、OEM契約やODM契約の概要、ライセンス契約との違い、契約時に注意すべき点について触れました。

OEM契約は、その性質上、契約金額も大きくなりがちです。それだけに、あらゆるトラブルやリスクを想定した契約を締結することが重要です。弁護士や自社の法務担当者と密に連携を取り、相談しながら契約の締結を目指しましょう。
また、OEM契約は、契約のほかに、検討に入る前の秘密保持契約、開発検討中の書類、商品の仕様書、契約の更新に関する取り決めなど多くの関連文書が作成されます。そのため、電子契約での締結がおすすめです。
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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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