働き方

2021年6月14日

注文書(発注書)が必要な理由|取引における役割と作成方法、注意点

企業同士の売買契約では、注文を行うときに「注文書」という書類を相手に渡します。一方で個人が商店などで注文する場合には注文書を渡したりはしません。注文書が必要な場面はどのような場合なのでしょうか。注文書の作成方法や使い方、注意点などについて詳しく解説します。

注文書(発注書)とは

「注文書」は、商品や製品、サービスなどを相手に注文(発注)するときに発注する側(発注者)が作成し、交付する書類です。受け取った相手(受注者)はその注文を「引き受ける意思を表す」ために、注文請書(発注請書)を注文者に交付することもあります。

似た名前の書類に「発注書」がありますが、「注文書」と「発注書」はどちらも同じ書類を指しており、法的な違いはありません。ちなみに、相手の要望に合わせた加工や制作が必要な場合や、金額が大きいときに「発注書」という言葉を、加工の必要がない製品などを購入する場合には「注文書」という言葉を使う企業も多いようです。

なお、注文と発注という言葉を辞書で調べると次のよう書かれていますが、実質的に違いはありません。

 

注文:種類・寸法・数量・価格などを示して、その物品の製造や配達・購入などを依頼すること。また、その依頼。

発注:注文を出すこと。

※出典:デジタル大辞泉(小学館)

注文書の作成が必要な理由

契約は口頭でも成立するため、売買契約において注文書は必ずしも必要なわけではありません。しかし、注文書を発行することで、注文する品目(商品など)や数量、金額や希望納品日(納期)を書面で確認できることから受発注の証拠となり、後になって認識が食い違ってしまう等のトラブルが避けられます。

なお、下請法の対象になっている取引の場合、注文するときには書面の交付、すなわち注文書の交付が義務付けられており、支払期限の記載や書類の保存義務、支払い遅延時の利息支払い義務なども発生します。このとき、注文書に記載する納期や支払日にも注意が必要です。下請法第2条の2には「納品から60日以内かつ迅速な支払い義務(銀行休業日に該当しても2日遅れまで)」と規定されているため、たとえば、「納期:1月25日、支払日4月30日」と書いた場合には、下請法違反となります。なお、納期や注文した側の検収作業といったことは支払期限に関係はなく、納品日から起算して60日以内に支払う義務があることも忘れてはなりません(同条)。

 

【参考】下請法に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

取引における注文書の役割

売買取引において、注文書とはどのような場面で交わすのでしょうか。ここではその役割と、売買契約において使われる他の書類と合わせてその流れを解説します。

売買取引における書類の流れとその役割

「見積書」は発注者が受注者に対して、取引したい内容について金額を問い合わせ、その内容を書面として発注者に渡す書類です。発注者は見積書をもとに注文書を作成して相手に交付し、正式に注文します。受注者は注文内容を引き受ける意思として注文請書を発注者に交付します。受注者は、納品物とともに、納品書を交付します。発注者は受注したことを確認するため、受領証などを発行し、納品物の検収が終わったら検収書を交付します。受注者は納品後、請求書を発注者に交付し、発注者の支払いを受けたら領収書を交付します。

なお下請法対象の取引の場合、発注者の検収完了や請求書の交付を待つといったことは関係なく、納品日から60日以内かつ迅速に支払う義務があります。「検収日から60日サイトで支払う」や「請求書をもらっていないので支払えない」というのは下請法違反となるので注意が必要です。

注文書の書き方

注文書は前述のように、その取引が下請法の対象か否かにより、記載しなければならない項目が変わります。しかし、企業にとって、相手との取引が下請法の対象かそうでないかによって注文書のフォーマットを変えることは非現実的であるため、一般的には下請法に対応した内容で作成します。ここでは公正取引委員会が公開している下請法に対応した注文書のテンプレートを紹介します。

参照:公安委員会
「下請代金支払遅延等防止法第3条に規定する書面に係る参考例」

代金については税抜/税込がわかるような記載が必要です。

例:

“本注文書の金額は、消費税・地方消費税抜きの金額です。支払い期日には法定税率による消費税額・地方消費税分を加算して支払います。”

 

単価は、単価表を引用することも可能ですが、どの単価表を用いるのかを記載する必要があります。

例:”代金については、別添の単価表に基づき算定された金額に基づいて支払います。“

例:”単価については「平成XX年XX月XX日付単価表」によります。”

 

注文書には、注文する品名やその内容、数量を記載します。金額を記載するため、あらかじめ見積書をもらっておく必要があります。また、支払期日(月末締め翌月末払いなど)や、支払い方法(現金払い、銀行振込など)の記載も必要です。

注文書作成・保管時の注意点

注文書の作成を行う場合には、あらかじめ見積書を受注者からもらっておき、品名や仕様、金額などを見積書に合わせて記載しましょう。この際、相手からもらった見積書にある見積番号などを併記すると、間違いが起こりにくくなります。

注文書は保管についても注意が必要です。保管期間は税法上7年間と定められています。また、欠損金の繰越控除を適用する場合、保管期間は10年間となります。なお、保管期間の起算日は注文日ではなく、その事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年/10年であることに注意が必要です。

注文書は売買契約の証拠になる書類、下請法対象であれば交付は必須

注文書は売買契約において、その売買する内容を記載した書類です。発注者が受注者に対して交付するもので、品名や数量、金額や納品希望日(納期)を記載します。契約は口頭でも成立するため、注文書の交付は必ずしも必要なわけではありませんが、その取引が下請法の対象である場合は交付が義務付けられています。

また、注文書には法律で定められた保管期限があります。自社における保管期限が何年なのか確認した上で、きちんと保管しておきましょう。

関連記事

ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

ハンコ脱出作戦 編集部

このライターの記事一覧を見る

  • 電子印鑑GMOサインが選ばれる理由
  • 電子契約とは
  • 脱印鑑ブログ 公式Twitter

公式SNS

電子印鑑GMOサインのサービス情報や電子契約に関わる様々な情報を配信!

「ハンコ脱出作戦」とは?

日本の脱印鑑文化を応援するブログメディアです。
電子印鑑GMOサインのサービス情報や電子印鑑、電子契約の最新情報をお伝えしています。

電子契約サービスを検討中の方向けに、
役立つ資料を提供しています。

電子契約サービスの基礎知識や選び方、導入ステップなどを分かりやすく紹介しています。
無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。

資料請求

印鑑の完全廃止に関するグループの取り組みと関連リンク集

印鑑の完全廃止に関するグループの取り組みと関連リンク集