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注文書(発注書)が必要な理由|取引における役割と作成方法、注意点

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企業同士の売買契約では、注文を行うときに「注文書」という書類を相手に渡します。一方で個人が商店などで注文する場合には注文書を渡したりはしません。注文書が必要な場面はどのような場合なのでしょうか。注文書の作成方法や使い方、注意点などについて詳しく解説します。

目次

注文書(発注書)とは

「注文書」は、商品や製品、サービスなどを相手に注文(発注)するときに発注する側(発注者)が作成し、交付する書類です。受け取った相手(受注者)はその注文を「引き受ける意思を表す」ために、注文請書(発注請書)を注文者に交付することもあります。

似た名前の書類に「発注書」がありますが、「注文書」と「発注書」はどちらも同じ書類を指しており、法的な違いはありません。ちなみに、相手の要望に合わせた加工や制作が必要な場合や、金額が大きいときに「発注書」という言葉を、加工の必要がない製品などを購入する場合には「注文書」という言葉を使う企業も多いようです。

なお、注文と発注という言葉を辞書で調べると次のよう書かれていますが、実質的に違いはありません。

注文:種類・寸法・数量・価格などを示して、その物品の製造や配達・購入などを依頼すること。また、その依頼。

発注:発注:注文を出すこと。

【出典】デジタル大辞泉(小学館)

注文書の作成が必要な理由

契約は口頭でも成立するため、売買契約において注文書は必ずしも必要なわけではありません。しかし、注文書を発行することで、注文する品目(商品など)や数量、金額や希望納品日(納期)を書面で確認できることから受発注の証拠となり、後になって認識が食い違ってしまう等のトラブルが避けられます。

なお、下請法の対象になっている取引の場合、注文するときには書面の交付、すなわち注文書の交付が義務付けられており、支払期限の記載や書類の保存義務、支払い遅延時の利息支払い義務なども発生します。このとき、注文書に記載する納期や支払日にも注意が必要です。

下請法第2条の2には「納品から60日以内かつ迅速な支払い義務(銀行休業日に該当しても2日遅れまで)」と規定されているため、たとえば、「納期:1月25日、支払日4月30日」と書いた場合には、下請法違反となります。なお、納期や注文した側の検収作業といったことは支払期限に関係はなく、納品日から起算して60日以内に支払う義務があることも忘れてはなりません(同条)。

下請法に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

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下請法にも注意

上記の通り、下請法の対象となっている取引を行う場合、発注者は注文書を作成しなければなりません。

具体的には、以下の4つの取引が該当します。

①製造委託

事業者が業務として物品の販売を行っている場合に、その物品もしくは半製品、部品、付属品などの製造を他の事業者に委託すること

自動車メーカーが部品メーカーに部品の製造を委託する

②情報成果物作成委託

事業者が情報成果物の提供業務を行っている場合に、その情報成果物の作成行為の全部または一部を他の事業者に委託すること

ソフトウェア会社がプログラマーにプログラミングを委託する

③役務提供委託(サービス提供委託)

事業者が事業として行っている顧客へのサービス提供の全部または一部を他の事業者に委託すること

ビルメンテナンス会社が清掃業務を清掃会社に委託する

④修理委託

事業者が事業として行っている修理業務の全部または一部を他の事業者に委託すること

自動車販売業者が自動車の修理を整備工場に委託する

ただし、これらの取引の全てが下請法の対象となるわけではありません。上記に該当し、かつ以下の資本金の要件に当てはまる場合に下請法の対象取引となります。

1.物品の製造・修理、情報成果物作成(プログラムの作成に関連する取引)・役務提供(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に係る取引)を委託する場合

  • 資本金3億円超の法人が、資本金3億円以下の法人または個人事業者に委託するとき
  • 資本金1,000万円超~3億円以下の法人が、資本金1,000万円以下の法人または個人事業者に委託するとき

2.プログラム作成以外の情報成果物作成、運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に係る取引以外の役務提供を委託する場合

  • 資本金5,000万円超の法人が、資本金5,000万円以下の法人または個人事業者に委託するとき
  • 資本金1,000万円超~5,000万円以下の法人が、資本金1,000万円以下の法人または個人事業者に委託するとき

上記に基づくと、例えば、資本金3,000万円のソフトウェア会社が個人のプログラマーにプログラミングを委託する場合、その取引は下請法の対象となり、注文書を委託先に必ず渡さなければなりません。同様に、資本金1億円のビルメンテナンス会社が資本金1,000万円の清掃会社に清掃業務を委託する場合も、下請法の対象です。

逆に、資本金1,000万円の会社が資本金1億円のソフトウェア会社にプログラム作成を依頼しても、その取引は下請法の対象外です。

このように、下請法の対象になるかどうかは、「委託する業務の種類」「自社と相手方の資本金の額」の2点に着目して判断します。そして、下請法の対象取引に該当するのであれば、漏れなく注文書を発行しなければなりません。

取引における注文書の役割

売買取引において、注文書とはどのような場面で交わすのでしょうか。ここではその役割と、売買契約において使われる他の書類と合わせてその流れを解説します。

売買取引における書類の流れとその役割

「見積書」は発注者が受注者に対して、取引したい内容について金額を問い合わせ、その内容を書面として発注者に渡す書類です。

発注者は見積書をもとに注文書を作成して相手に交付し、正式に注文します。受注者は注文内容を引き受ける意思として注文請書を発注者に交付します。受注者は、納品物とともに、納品書を交付します。発注者は受注したことを確認するため、受領証などを発行し、納品物の検収が終わったら検収書を交付します。受注者は納品後、請求書を発注者に交付し、発注者の支払いを受けたら領収書を交付します。

なお下請法対象の取引の場合、発注者の検収完了や請求書の交付を待つといったことは関係なく、納品日から60日以内かつ迅速に支払う義務があります。「検収日から60日サイトで支払う」や「請求書をもらっていないので支払えない」というのは下請法違反となるので注意が必要です。

注文書の書き方

注文書は前述のように、その取引が下請法の対象か否かにより、記載しなければならない項目が変わります。しかし、企業にとって、相手との取引が下請法の対象かそうでないかによって注文書のフォーマットを変えることは非現実的であるため、一般的には下請法に対応した内容で作成します。ここでは公正取引委員会が公開している下請法に対応した注文書のテンプレートを紹介します。

参照:公正取引委員会「下請代金支払遅延等防止法第3条に規定する書面に係る参考例」

注文書には、注文する品名やその内容、数量、金額を記載します。また、支払期日(月末締め翌月末払いなど)や、支払い方法(現金払い、銀行振込など)の記載も必要です。

代金については税抜/税込がわかるような記載が必要です。

“本注文書の金額は、消費税・地方消費税抜きの金額です。支払い期日には法定税率による消費税額・地方消費税分を加算して支払います。”

単価は、単価表を引用することも可能ですが、どの単価表を用いるのかを記載する必要があります。

“代金については、別添の単価表に基づき算定された金額に基づいて支払います。”

“単価については「平成XX年XX月XX日付単価表」によります。”

金額に関しては、基本的には記載する必要がありますが、原材料費によって金額が変動するケース、時間単価や実績作業時間に応じて報酬を支払うケース、役務の種類や量で報酬を支払うケースなど、金額を記載することが難しい場合は、算定方法による記載も可能です。

算定方法による注文書のテンプレートを掲載します。注文書には単価表を添付しましょう。

参照:公正取引委員会「下請代金支払遅延等防止法第3条に規定する書面に係る参考例」

具体的な商品の仕様や役務の内容が決まっていない場合は、「当初書面」として先に注文書を発行することができます。決まっていない項目には「未定」と記載します。なお、当初書面に記載できない項目がある場合は、その理由とそれが決定される具体的な予定期日を記載する必要があります。

参照:公正取引委員会「下請代金支払遅延等防止法第3条に規定する書面に係る参考例」

注文書の変更・訂正方法

数量や納期など注文書の内容が後から変更になったケース、記載ミスをしていたケースなどで、注文書の変更・訂正を行いたい場合は、注文書を再発行します。ミスが発生したり混乱を招いたりするリスクがあるため、取引先に注文書を再発行する旨を伝えるとともに、古い注文書を確実に破棄してもらうよう依頼します。

なお、やむを得ない理由で発行済みの注文書を訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引き、その上にすでに押印されているものと同一の印鑑で訂正印を押します。

注文書の発送方法

注文書を送付するには持参して手渡しする、郵送する、FAXで送る、メールに添付するなどの方法があります。郵送する場合には、注文書に、「どんな書類を送るのか」を記載した送付状を同封するのがマナーです。FAXの場合も、注文書を送付状とともに送信します。メールの場合、本文に注文書を送付する旨を記載し、注文書のファイルを添付します。

なお、書面での交付が必要な場合、あらかじめFAXやメールで注文書のコピーを送り、後で原本を郵送、持参することも可能です。また、注文書の受領漏れを防ぐため、送付方法をあらかじめ取引先に伝えておきましょう。

注文書に収入印紙は必要?

多くの場合、注文書には収入印紙は必要ありません。そもそも、印紙税は契約書などの課税文書にかかる税金です。一般的に商取引では、契約書によって契約を締結し、注文書によって具体的な商品・役務の提供を依頼します。したがって、課税文書でない注文書には収入印紙を貼る必要はありません。

ただし、注文書の交付をもって個別契約が成立するケース、見積書に対して商品・役務の提供を申し込むケース、注文書に当事者同士の署名・押印がされているケースなどでは、注文書の交付、注文書に対する請書の送付が契約行為とみなされ、印紙税が必要になる場合があります。

なお、電子契約であれば印紙税は不要です(ただし下請取引への電子契約の導入には下請先の事前の同意が必要です)。書面で契約書を交わしている方、注文書に収入印紙を貼付している方は、電子契約を導入することで印紙税を節約できます。

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注文書作成・保管時の注意点

注文書の作成を行う場合には、あらかじめ見積書を受注者からもらっておき、品名や仕様、金額などを見積書に合わせて記載しましょう。この際、相手からもらった見積書にある見積番号などを併記すると、間違いが起こりにくくなります。

注文書は保管についても注意が必要です。保管期間は税法上7年間と定められています。また、欠損金の繰越控除を適用する場合、保管期間は10年間となります。なお、保管期間の起算日は注文日ではなく、その事業年度の確定申告の提出期限の翌日から7年/10年であることに注意が必要です。

注文書は売買契約の証拠になる書類、下請法対象であれば交付は必須

注文書は売買契約において、その売買する内容を記載した書類です。発注者が受注者に対して交付するもので、品名や数量、金額や納品希望日(納期)を記載します。契約は口頭でも成立するため、注文書の交付は必ずしも必要なわけではありませんが、その取引が下請法の対象である場合は交付が義務付けられています。

また、注文書には法律で定められた保管期限があります。自社における保管期限が何年なのか確認した上で、きちんと保管しておきましょう。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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