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起業のやり方の主な流れ|事業の決め方から起業方法別の手続きまで

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現在は企業に所属せず、アイデアや技術、知識を活かして若いうちから起業する方が増えています。その一方で「起業したいが、やり方が今ひとつよく分からないので先に進めない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

起業するのであれば、必要な手続や流れを把握しておくことが大切です。今回は、起業するまでの流れや必要な手続きを項目ごとにわかりやすく紹介します。

目次

起業のやり方 (1)起業の目的・理由を決める

起業とは、自分自身で新しい事業を立ち上げることです。現在は法改正による起業の低コスト化や、リモートワークによる働き方の変化などが起きています。そのため、起業が以前より容易になり、起業する人も増えています。

だからといって、やみくもに起業しても長続きしません。起業するなら、まずは目的や理由を決めましょう。「自分はなぜ起業したいのか」「起業して実現したいことは何か」をできるだけ明確かつ具体的に定めます。

たとえば、「今までになかったフードデリバリーサービスを提供する」ために起業する、という目的を定めたとしましょう。すると、「既存のフードデリバリーサービスの問題点は何か」「既存のサービスの問題点を解決するにはどうしたらよいか」といった問題提起や解決方法のアイデアなどが生まれます。また、「需要が増えて収益が上がったら、フランチャイズ化したい」といった将来の目標なども定まってきます。

目的や理由は、「自分は会社で働くより自分自身で事業を立ち上げた方が向いている」といった抽象的なものでも構いません。抽象的な場合でも次に紹介する事業内容が明確に定まっていれば、事業を軌道に乗せることが可能です。

起業のやり方 (2)事業内容を決める

目的を決めたら、次に事業内容を決めます。歴史のある事業から近年急に需要が増してきた事業まで、世の中にはたくさんの事業があります。また、知名度は低いが、これから需要が高まり、伸びる可能性が高い事業もあるでしょう。

長い歴史があり、これからも一定の需要が必ず見込める事業は安定した収益が見込めます。しかし、すでに競合他社が多数あり、新参の会社が収益を伸ばすのはなかなか大変です。

一方、ここ数年で急速に需要が増してきた事業は、競合他社も歴史が浅いため、十分に太刀打ち可能です。その反面、急に需要が低下する恐れがあるため、注意する必要もあります。

また、事業を始めるにあたって必要になる資金の額にも幅があります。多額の資金が必要な事業は、万が一うまくいかなかったとき、多額の負債を抱える恐れもあるでしょう。しかし、資金が少額ですむ事業は、参入のハードルが低く競合他社も多くなりがちです。

同じ事業でも、展開する規模によって必要な資金の額が異なる場合もあります。
このように、「自分がやりたいから」だけでなく、将来性や資金面、競合他社の数など、多角的に考えて、事業内容を決めましょう。

初めて起業する場合、まずは自分1人、もしくは数人で始められるものがいいでしょう。以下に、具体的な事業の決め方を紹介しますので、参考にしてください。

事業アイデアを見つける

事業アイデアは、事業を決めるうえでの基本です。現在は、思いもかけないことが事業になるケースも珍しくありません。前述したフードデリバリーサービスもその1つです。

また、営業代行、電話応対代行など、ビジネス業務の一部を代行するサービスも需要が高まっています。自分の周りの人々が何を求めているのか、何に不満を感じているのか調査するだけで、事業アイデアのヒントが見つかるでしょう。

ビジネスモデルを作る

事業アイデアを思いついたら、どうやって収益化するかを考えましょう。事業をどうやって顧客に提供するのか、ターゲットとなる顧客層、収益のあげ方などを考えていくと、事業内容が具体性を帯びてきます。ここは、できるだけ具体的かつ現実的に考えることが必要です。事業をはじめてから考えるという考え方ではいけません。

事業計画書を作る

事業計画書は、特に事業資金の融資を得るために必要です。融資をする側は、事業計画書を基に事業の将来性や成功する可能性を判断します。客観的で具体性のある事業計画書ほど、事業資金や事業に協力してくれる人員集めに有利です。

事業計画書には、以下のような内容を記載するといいでしょう。

  • 事業内容
  • 事業を行う場所
  • 必要な資金
  • 取引先
  • 収支見込み
  • マーケティング戦略
  • 将来の目標

なお、ひな形を無料で公開しているサイトもあるので、利用するのもおすすめです。

起業のやり方 (3)資金を集める

一般的に起業には少なくない資金が必要です。自己資金で全てを賄えることが理想ですが、大半の方は融資が必要になるでしょう。本項では、資金を集める方法や手順を紹介します。

必要な資金を算出する

まずは、起業に必要な資金を算出します。起業には、個人事業主や会社設立など、さまざまなスタイルがありますが、会社を設立するだけでも以下のような費用がかかります。

会社の種類 登記費用の内訳 費用相場
株式会社
  • 収入印紙代:40,000円
  • 認証手数料:30,000円~50,000円
  • 謄本手数料:2,000円(1通250円×平均的な通数の8通で計算)
  • 登録免許税:150,000円〜
    ※登録免許税は15万円を下限に資本金×0.7%
約23万円~
合同会社
  • 収入印紙代:40,000円
  • 謄本手数料:2,000円(1通250円×平均的な通数の8通で計算)
  • 登録免許税:60,000円〜
    ※登録免許税は6万円を下限に資本金×0.7%
約10万円~

なお、会社設立のために必要な登記費用は法律で決められており、安くなることはありません。ただし、電子定款を作成する場合は、収入印紙代は不要になります。少しでも安く起業したい場合は、まずは個人事業主として起業をして、事業が軌道に乗ったら合同会社や株式会社を設立するといいでしょう。

一般的に個人事業主よりも法人の方が信用度は高くなります。そのため、会社を設立すると個人事業主よりも融資が受けやすいといったメリットもあります。会社の設立費以外に、起業すると以下のような費用がかかります。

  • 事務所を借りる費用
  • PCなど事業に必要な道具の購入費
  • 宣伝費
  • マーケティングなどの調査費
  • 人件費

家を事務所代わりにする方法もありますが、事業が拡大して従業員を雇うようになったら自宅では何かと不自由があります。また、事業を知ってもらうために、広告宣伝費も必要です。

Webを利用した事業で、必要なのはパソコンとソフトだけといった場合でも数十万、専用の機器をそろえると数十万~数百万はかかるでしょう。このほか、起業してしばらくは利益が少ないことを考え、事業の運転資金も確保しておくと安心です。

資金を調達する主な方法

事業資金を調達する方法には、以下のようなものがあります。

調達方法 やり方 メリット・デメリット
自己資金 起業に備えて貯金をする 自分で貯めたお金なので使い道は自由な一方、多額の資金を短期間で調達するのは難しい
融資 金融機関や親、兄弟、共同出資者からお金を借りる 短期間である程度まとまった資金を得られる
しかし、金融機関の場合は事前に審査があり、希望の額を借りられないこともある
また、返済不能になれば、人間関係が悪化する恐れもある
助成金・補助金 国や自治体、NPO法人が提示している条件に合致すれば受けられる 返済する必要なく、ある程度まとまったお金が手に入る
しかし、条件が厳しいところも多く、必ずしも利用できるとは限らない
クラウドファンディング インターネットを通じて不特定多数から出資を集う 魅力的な事業なら、短期間で多額の資金が集まる可能性がある
しかし、予定額に達しないケースも多い
返礼品を考えるのが大変

どの資金調達法もメリット・デメリットの両方があります。また、融資は返済が必要なので、返済計画も立てておきましょう。複数の資金調達法を組み合わせると、リスクを分散させられます。

起業のやり方 (4)起業方法を決め手続きを行う

ここでは、起業方法の決め方や手続きの手順を紹介します。個人事業主か、法人か、どちらで起業すればいいのか迷う方もいるでしょう。それぞれのメリット・デメリットも紹介するので、参考にしてください。

個人事業主と法人のメリット・デメリット比較

個人事業主とは、個人で税務署に開業届を提出して起業するスタイルです。開業届は無料で提出できますが、開業届を提出しなくても起業自体は可能です。開業届を出した方を個人事業主、出さずに仕事をしている方をフリーランスと呼ぶのが一般的ですが、税務上は同じくくりです。

一方、法人とは、「人と同じ義務と権利を認められた組織」のことです。法人にはいろいろな種類がありますが、会社は営利団体に属します。

個人事業主のメリットは、開業資金を抑えられることです。前述したように、会社は設立するだけで最低10万以上の費用がかかります。起業が失敗した場合、個人事業主の方がダメージも少ないでしょう。

また、法人になると法人税や法人住民税、法人事業税など、法人独自の税がかかります。特に、法人住民税の均等割は赤字でもかかってくるので、注意が必要です。起業して間もない頃は法人のほうが資金繰りも大変になりがちでしょう。

その一方で、法人は社会的な信用度が高くなる傾向があります。融資を受けたり、新しい取引先を探したりするのに、法人のほうが有利に働くケースもあるでしょう。また、法人であれば、経費に計上できる項目も多く、赤字も10年繰り越せます。つまり、事業が軌道に乗って売り上げが上がってくれば、法人のほうがメリットは大きくなります。

個人事業主として起業する場合の手続きの流れ

個人事業主として起業する場合は、税務署に開業届を提出するだけで手続きは完了します。青色申告で確定申告をしたい場合は、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出しましょう。

なお、従業員を雇用する場合は、給与支払事務所等の開設届出書の提出も必要です。自分1人で事業を始める場合の書類提出先は税務署だけとなります。しかし、従業員を雇う場合は、ハローワークや労働基準監督署にも定められた書類を提出しなければなりません。

法人として起業する場合の手続きの流れ

法人として起業する場合は、まず以下の手順で会社を設立させます。

  1. 会社の実印を作る
  2. 定款を定めて公証役場で認証を受ける(株式会社の場合)
  3. 資本金の払い込みを行う
  4. 登記申請を行う

現在は、資本金1円で会社を設立できますが、資本金の額は会社の信用度に直結します。そのため、「利益がゼロでも最低3か月間は会社を存続できる程度の資金」を資本金として準備しておくとよいでしょう。

会社設立のための手続きを自分で行うと、2週間前後はかかります。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。会社が設立したら、以下の手続きを行います。

  • 税務署:国税に関する手続き
  • 自治体:地方税に関する手続き
  • 年金事務所:社会保険に関する手続き(会社設立後5日以内)
  • 労働基準監督署:労働保険に関する届出(従業員を雇用した日の翌日から10日以内)
  • ハローワーク:雇用保険に関する手続き(従業員を雇用した日の翌日から10日以内)
  • 金融機関:法人口座の開設

なお、自分以外従業員がいない法人の場合、労働基準監督署、ハローワークでの手続きは不要です。法人設立の場合は、個人事業主の起業に比べて必要となる手続きが多くなっています。必要ならば司法書士や税理士、社労士などの専門家に業務を代行してもらいましょう。

また、今は会社設立そのものを代行業者に依頼できます。事業に集中したい場合は、代行業者に必要な手続きを依頼しましょう。費用はかかりますが、1週間以内に会社を設立できます。

起業準備時に行うべきこと

最後に、起業準備のために自分が行うべきことについて解説します。起業した以上は、全てを自分の責任で行わなくてはなりません。やりがいがある反面、会社員のように上司や組織に頼ることは不可能です。そのため、知識と力を身につけることが重要となってきます。

家族の理解を得る

起業する場合、家族の理解は欠かせません。融資をお願いしたり、しばらくはスタッフとして一緒に働いてもらったりすることもあるでしょう。場合によっては、保証人を依頼することもあります。

独身の場合は親や兄弟、既婚の場合は配偶者や子どもの理解を得ましょう。このとき、将来性や目標を語るだけでなく、収益のあげ方や失敗した場合の対処法なども説明しておくことが大切です。特に、融資を受けたり保証人を引き受けたりしてもらった場合は、リスクも説明したうえで理解を得ましょう。そうすれば、事業を始めてからも家族の協力を得やすくなるはずです。

Webサイトを作成する

インターネットは宣伝にも顧客獲得にも使えます。自分でWebサイトを開設すれば、安価に知名度を上げることもできるでしょう。

webサイトはただ作るだけでなく、多くの方に閲覧してもらう工夫が必要です。魅力的な記事をアップしたり、SNSで宣伝をしたりしましょう。Webを利用すれば、個性的なスタッフやマスコットキャラクターとして人気が出る可能性もあります。

また、事業に集中したい場合は、webサイトの外注を検討してもよいでしょう。キングジムやシャープなどは、SNSを運用するスタッフがおり、ユーモアあるツイートで人気を集めています。サイトを開設する前に人気のwebサイトやSNSを確認し、どのようなサイトが注目を集めやすいか研究することも重要です。

必要な知識・スキルを習得する

起業するということは、すべての責任を自分で負うことです。事業に関する知識はもちろんのこと、法律に関する知識なども身につけねばなりません。また、事業に関するスキルは、できるだけ多く身につけておくことが重要です。

税務に関することや、法律上必要な手続きは、税理士や司法書士などの専門家に依頼することもできます。しかし、知識がなければ、何を依頼すればいいのか分かりません。現在は、起業を目指す方向けに税や法律を学べるセミナーも開催されているため、必要ならば参加してみましょう。

このほかに、人脈作りも重要です。会社で培ったスキルを活かして独立する場合、それまでの人脈を活かして新しい顧客を得ることもできるでしょう。未知の分野で起業する場合も、人脈を築いておけば役に立つはずです。そのためには、同業者の集まりにも積極的に顔を出すなど、精力的に動きましょう。

費用を貯める

起業するには少なくない費用がかかります。融資を受けるにしても、自己資金が多いほど返済が楽になります。また、自己資金は自分の好きなように使えるのも大きなメリットです。自己資金が多いほど、起業時にできることも増えるでしょう。

なお、自己資金は定期預金などにしてコツコツと積み立てていくほうが、融資を受ける際に相手方の信用を得やすい傾向があります。資金を貯める経験は、会社を運営していく際にも役立つでしょう。

起業するなら計画的に行おう

以前に比べ、起業のハードルは大きく下がりました。しかし、起業してそこで終わりではありません。起業した後に事業を順調に続けていくことが重要です。そのためには、十分に時間をかけて計画を練りましょう。

なお、起業に必要な書類の中には、電子化できるものも多くなっています。書類を電子化すれば、費用の節約もでき、保管する手間も省けます。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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