電子契約を学ぶ

2020年9月10日

2021年8月12日

スキャンによる電子化のメリット・デメリット。手順もご紹介

テレワークが広がり、書類の電子化(ペーパーレス化)が進む昨今ですが、書類の電子化は企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。実は、書類をスキャンしてサーバーに保存したからといって、原紙を破棄してしまうと、法律上問題になることがあります。

ここでは書類の電子化によるメリットやデメリットを説明するとともに、電子化する際に押さえておきたい法律や、効率的な管理方法を紹介します。

書類を電子化するメリット・デメリット

書類の電子化は、保管スペースを縮減でき、コスト削減が図れるというメリットがあることは以前から言われていましたが、テレワークへの対応力が求められる時代となり、企業にとって重要かつ緊急の課題となりました。そこで、まずは書類の電子化のメリットとデメリットをご紹介します。

電子化のメリット

電子化は、手間、スペース、コストの縮減に役立ちます。第一に、紙に印刷する必要がないため、複合機、インク、紙といった印刷に関わるコストが大幅に削減できますし、書類を保管しておくスペースも不要となります。第二に、電子化された書類は、データとしてサーバーに保管すると簡単に検索できるようになります。

第三に、サーバーに接続できる環境であれば、社内外問わず、テレワークで書類の閲覧が可能となるため、出社しなくても業務を遂行する環境が整いますし、会議に備えて資料を参加人数分印刷して配布するといった手間や時間もかかりません。このように、電子化は、手間、スペース、コストといった観点から考えると企業には大きな恩恵があるのです。

さらに、書類の電子化は、企業のより高度なセキュリティ対策や機密管理にも貢献します。紙の場合は、保管場所を施錠したとしても鍵さえあれば持ち出すことは可能ですが、サーバー上の書類は、閲覧や編集などの権限を管理できるとともに書類にアクセスした人や時刻の記録を取得する機能を追加することも可能です。このように書類電子化は、紙の書類では難しかったことを実現してくれるのです。

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電子化のデメリット

書類の電子化に、デメリットあるのでしょうか。

たとえば、電子化した書類に対して、紙の書類のように気軽に付箋を貼りたい、手書きでメモしたいといった場合は、元専用のツールが必要となることがあります。さらに、パソコンなどに不慣れな人にとっては書類を閲覧するだけでも、使い勝手が悪く感じるかもしれません。最初のうちは、紙と異なる使い方やデータの作り方に慣れる必要があるかもしれません。

ただ、企業が書類を電子化する際に、もっと重要で、忘れてはならないことがあります。法律等の規制、つまり、紙での保管が法令で義務付けられていないかという確認です。

書類を電子化する前に押さえておくべき2つの法律

書類を電子化する前に押さえておくべき2つの法律、「e-文書法」「電子帳簿保存法」について解説します。

e-文書法とは

2005年に施行された、紙で保存する必要があった書類をスキャンした電子データとして保存できるように定めた2つの法律の通称です。主な例をあげると、会社法や法人税法などによって保管が義務付けられている文書や帳簿、請求書、領収書等を「電磁的記録=電子データ」での保存が可能になりました。電子化が認められる書類かどうかは、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が公開する「e-文書法によって電磁的記録による保存が可能となった規定」に記載されています。

e-文書法によって電磁的記録による保存が可能となった規定

なお、電子データとして保管する際は、以下の要件に沿って保存する必要があります。

見読性:電子化された書類が、パソコンなどの画面できちんと読めること
完全性:電子データを紛失や改ざんを防ぐために、消去や変更の履歴を確認できること
機密性:アクセスできる人を限定、特定できること
検索性:必要なデータをいつでも検索して取り出せること

電子帳簿保存法とは

1998年に施行された会計帳簿や国税関連の書類の電子化保存を認める法律です。2005年からは紙の書類をスキャナで取り込んだものでも認められるようになりました。(ただし、決算関係書類は除外されています。)

e-文書法と電子帳簿保存法の違いと注意点

e-文書法は、法律上保存が要求される書類のうち、見読性などの条件を満たせば電子データでの保存が可能である書類について定めたもので、約250の法令に関する書類について認められています。

一方、電子帳簿保存法は、国税庁が管轄する帳簿の保管に関する法律で、帳簿書類を電子データで保管する際は税務署に申請し、承認を得る必要があります。申請や承認は手間だと思うかもしれませんが、帳簿の検索性や帳票の紛失リスク、税務調査対応などの手間を考えると、電子化を検討する価値は十分あると考えられます。

書類を電子化するフロー

では、実際に書類を電子化するにはどのような手順で進めればよいのでしょうか。電子化をおこなう際に、押さえておくべきポイントを説明します。

電子化する書類の選定

これまで紙で保管してきた書類をすべて一気に電子化しようとすると手間と費用がかかります。よく使うファイルやテレワークで社内が必要とする書類から優先的に電子化するとよいでしょう。

データ保管方法の策定

電子化したデータをどのように管理するのか、あらかじめ決めておきます。このとき、ファイル名や格納するフォルダ階層のルールも決定しておくとスムーズに電子化作業が進められます。同様に、データの解像度やサイズ、ファイル形式(PDF、画像等いくつかの形式があります)などを決定しましょう。

スキャナで書類を読み取る際に、同時にOCR処理を行うとデータ内のテキストを検索できるようになります。特に電子帳簿保存法に基づいて書類を電子化しようとする場合、タイムスタンプの付与やデータの検索性の高さが求められます。法令対応を支援するクラウドサービスもありますので、活用するのも良いでしょう。

実際のスキャン作業

実際に書類をスキャンし電子データにする際は、ページ抜けはないか、文字が判読できるかなど、適宜確認しながら行いましょう。最後に電子データにあらかじめ決めておいた名前をつけ、フォルダに電子データを格納して電子化が完了です。

電子化した書類の効率的な管理方法

電子化した書類はサーバーなどで保管・管理しますが、閲覧や管理を効率化するにはどうすればよいでしょうか。

なにより重要なのは、電子化された書類の検索性です。ファイル名やフォルダ名のわかりやすさだけでなく、テキストの検索性を高めることで、利用者が簡単に必要なファイルを取り出せるようにしておくことが求められます。

こうした書類管理に便利なサービスが、クラウド型の書類管理システムといわれるものです。検索性にすぐれ、閲覧権限の管理などもあらかじめ機能として組み込まれているため、電子化に合わせて文書管理サービスの導入を検討するのもおすすめです。

書類の電子化は法律の確認と検索性がポイント

書類の電子化には、多くのメリットがある一方、電子化したとしても適切な手法を取らないと、検索できない、活用できない、法令の定める条件を満たさない、といった事態も考えられます。未然にトラブルを防ぐためにも、この記事を参考にしていただけたら幸いです。

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ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

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