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インサイダー取引規制とは?対象者や罰則、投資する際に気をつけるべきことを解説!

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日本でも多くの法人や個人が投資を行う世の中になりました。政府も株式や投資信託への投資を促進するためにさまざまな政策を行っています。

金融商品への投資の際に気を付けなければならないのが、インサイダー取引規制です。いわゆる“中の人”による株式等の取引のことですが、インサイダー取引規制における“中の人”とは、決して社内の人だけを指すものではありません。どこまでが”中の人”として取り扱われ、どのような取引がインサイダー取引として法の規制を受けるのでしょうか。

インサイダー取引についての概略と気を付けなければならない点について解説します。

目次

インサイダー取引はなぜ規制されているのか?

インサイダー(insider)取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、株式等*を売買することで、自己の利益を得ようとする取引のことです。
*特定有価証券等(株式、新株予約権証券、社債券、投資証券、他社株転換社債等)

インサイダー取引を認めてしまうと、情報を知らない他の投資者との間で不公平が生じ、金融商品市場における公正さや健全さ、信頼性が崩れてしまいます。このため、インサイダー取引は金融商品取引法で厳しく禁止されており、違反者には証券取引等監視委員会による刑事告発や課徴金納付命令の勧告が行われます(金融商品取引法第166条)。

なお、インサイダー取引規制は、利益が出た取引だけが規制の対象となるわけではありません。結果として損が出ていても要件を満たせばインサイダー取引規制の対象となります。

インサイダー取引規制の概略

インサイダー取引規制は、以下のとおりです。

(1)上場会社の役職員等の会社関係者が、
(2)その会社の業務等に関する重要事実を、
(3)職務等に関して知った場合、
(4)その重要事実が公表される前に、
(5)その会社の株式の売買をしてはならない。

(1)~(5)の言葉の中には一般的に世間で使われている言葉の意味と離れているものがありますので、注意が必要です。

(1)会社関係者とは?

会社関係者とは、上場企業等(上場会社とその親会社、子会社)の以下に該当する人を指します。

①役員、従業員(パート・アルバイトを含む)
②会社関係者でなくなってから1年以内の人(退職者等)
③取引先や取引交渉中の相手方
④3%以上の議決権を持つ株主(帳簿閲覧権を有する株主)
⑤法令に基づく権限を有する者(許認可の権限などを持つ公務員等)
⑥上場会社等との契約締結者(公認会計士、弁護士等)
⑦①②③④⑤⑥から情報を聞いた人(第一次情報受領者)

注意が必要なのは、①②③④⑤⑥の人から重要事実の伝達を受けた人(⑦第一次情報受領者)もインサイダー取引規制の対象となることです。たとえば、あなたが上場会社の従業員である友人と飲みに行き、友人から聞いた重要事実をもとに友人の勤める会社の株式を取引した場合、上場会社の従業員から重要事実を聞いた従業員の家族が株式取引を行った場合もインサイダー取引に該当します。また、③取引の交渉中に知り得た情報を利用して株式取引を行うことも規制の対象とされていることにも注意が必要です。

このように、会社関係者といっても上場会社の役員・従業員だけに限られるものではないことに注意しなければなりません。

(2)重要事実とは?

決定事実や発生事実、決算情報に加え、注意が必要なのはいわゆるバスケット条項と呼ばれるものです。①~③には含まれないけれども投資判断に著しい影響を及ぼすものと例示列挙しきれないケースを広く規制しています。

①決定事実の例:合併、会社の分割、新製品の企業化
②発生事実の例:災害による損害、主要株主の異動、上場廃止
③決算情報の例:売上高、経常利益、純利益、剰余金の配当
④バスケット条項:決定事実・発生事実・決算情報に含まれない事実で投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

(3)公表される前とは?

公表後となるケースとして、3つの例示がされています。

①有価証券届出書などにより、公衆の縦覧に供されているとき
②2つ以上の報道機関に重要事実が公開され、12時間経過しているとき(いわゆる12時間ルール)
③適時開示情報伝達システム(TDnet)などを通じて公衆の縦覧に供されているとき

たとえば、日本経済新聞の朝刊で自社のM&Aに関する情報が1面トップに掲載されていただけでは必ずしも「公表後」となるとは限りません。③適時情報伝達システム(TDnet)などに掲載されているかを確認しましょう。

【参考】適時情報伝達システム(TDnet)

インサイダー取引の罰則は?

(1)個人に対する制裁

①刑事罰

インサイダー取引規制に違反した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(または併科)が科せられます(金融商品取引法第197条の2)。

また、法人の代表者や従業員等がその法人の計算でインサイダー取引規制に違反した場合は、その法人に対して5億円以下の罰金刑が科されます(金融商品取引法第207条)。

さらに、インサイダー取引によって得た財産は、原則として没収または追徴されます(金融商品取引法第198条の2)。例えば、インサイダー取引により200万円で買い付けた株式を売却することによって300万円を得た場合には、300万円が没収又は追徴の対象となります。

②課徴金納付命令

課徴金納付命令とは、インサイダー取引規制に違反した場合に、違反者に対して金銭的負担を課す行政上の処分をいい、違反者は課徴金が科されます(金融商品取引法175条、175条の2)。

課徴金納付命令はあくまでも行政処分の一種ですので、刑事罰の前科にはなりませんが、大きな経済的な負担を伴うことになります。

「私は大丈夫」「このくらいの金額なら気づかれないだろう」と考えるのは大変危険です。

まとめ:家族や友人との会話にも注意を

インサイダー取引の概略についてご説明しました。いわゆる“中の人”の対象や人数は、想像より多かったのではないでしょうか。

私たちが飲みながら「オフレコだよ」と話した重要事実を用いて、インサイダー取引規制を詳しく知らない家族や友人が株式取引をしてしまうと、大切な家族や友人が摘発されてしまうことになります。

また、テレワークが増えた昨今、自宅から参加するオンライン会議内容を家族に聞かれてしまうようなことはないでしょうか?テレワークやリモートの環境にも気を配るとともに、飲食店、電車の中や公共の場などでの会話や通話にも十分な注意が必要です。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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