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【ニュース】フリーランスの保護を強める新たな法案を2月24日に閣議決定

 

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政府は、2月24日にフリーランス保護法案を閣議決定しました。

以前に本メディアの記事でもご紹介しましたが 、2021年には「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」がリリースされていました。その後は下請法の一部改正などを通じて、発注者とフリーランスとの取引の公正化を目指す法整備が進められると考えられていましたが、下請法を改正する形ではなく「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」という名称の法律案が新たに作られ、国会に提出されました。
法案提出の理由として、フリーランス=特定受託事業者が、安定的に業務に従事できる環境の整備を挙げられています。

「我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示を義務付ける等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

これまで、法令上「フリーランス」の定義はありませんでしたが、今回の法律案は従業員を雇っていない個人または社長がひとりで経営している会社(いわゆる一人会社)「特定受託事業者」の呼び名で定義しています。

 

第二条
この法律において「特定受託事業者」とは、業務委託の相手方である事業者であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 個人であって、従業員を使用しないもの
二 法人であって、一の代表者以外に他の役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第六項第二号において同じ。)がなく、かつ、従業員を使用しないもの

 

法律案の内容ですが、発注者は給付内容(依頼内容)、報酬額、支払期日その他の事項を書面または電磁的方法で通知する義務を負うこととあり、これは下請法における発注書面(3条書面)の交付義務と同様の義務が課されることを意味します。法案成立はまだ先ですが、この法律案が可決成立し、施行された場合は、資本金1000万円以下で、下請法においては下請事業者に該当する企業であっても、フリーランスに業務を委託する場合は、発注書面を交付する義務を負います。

 

また、禁止事項として、受領拒否報酬の減額理由なき返品買いたたき(市価や通常より著しい報酬額を定めること)、商品の強制購入や役務(サービス)の強制利用(正当な理由がある場合を除く)、金銭、サービスその他の経済上の利益の提供理由なき委託内容の変更・やり直しが挙げられています。これらは2021年のガイドラインにも記載がありましたが、法制化を目指すものでしょう。

 

この法律案の特徴は、下請法や2021年のガイドラインを踏まえた発注書面の交付義務や禁止事項に加え、フリーランスへの発注の際には、募集情報は的確かつ最新のものを表示すること、継続的な発注の際の解約予告は最低30日前に行うこと、また妊娠、出産、育児や介護に対する配慮する体制の整備や必要な措置をとることなども織り込まれたことです。フリーランスの働きやすい環境を整備したいという国の意向がうかがえます。

 

フリーランスとの取引の適正化を目指す新しい法案が国会の審議に進んだことは、国がフリーランスや副業による多様な働き方の拡大によって労働人口を増加させたいという思いの強さを感じさせます。一方で、フリーランスとの取引に関する義務や禁止事項が法律で定められることになり、発注側は法令対応のための充分な対策と準備が必要になりそうです。特に発注書面の作成や交付、保存に関しては、ルールがどのように決まるかによって、業務の進め方も変わることになるでしょう。引き続き、法改正の動向を見守りたいところです。

 

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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