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会社で「出金伝票」という言葉を聞いたことはありますか?経理担当者、あるいは営業職など経費精算を行う機会が多い方は、日常的に出金伝票を扱っているかもしれません。今回は出金伝票の基礎知識についてお伝えします。
出金伝票とは、会社から現金で出ていく取引を記録するための伝票です。たとえば、物品やサービスを購入した際に領収書がもらえないケースでも、出金伝票を作成すれば出金を記録することができます。確定申告や税務署の税務調査の際にも「証拠書類」として認められています。
前述のとおり、出金伝票は企業から現金が出る取引を記録するための伝票であり、特に以下のようなケースで使われます。
電車や飛行機のチケットを購入する際、あるいはタクシーで運賃を支払う際には領収書が発行されます。しかし、ICカードを利用して電車に乗る場合など、領収書がもらえないケースもあります。またもらえるとしても、乗り換えが何回もあると時間や手間がかかったり、もらい忘れたりすることもあるかもしれません。領収書がもらえなかった場合、あるいはもらい忘れた場合には出金伝票で代用することが可能です。
取引先関係の結婚式のご祝儀、葬儀の香典、その他お祝い金やお見舞金は「接待交際費」として経費に計上することができます。しかし、このような場面で領収書をもらうのは一般的ではありません。出金伝票を利用すれば、慶弔費の支出も証拠として残すことができます。
来客用に自動販売機でお茶やコーヒーを購入したような場合も経費として認められますが、やはり領収書をもらうことはできません。そのような場合にも出金伝票で記録を残せます。
たとえば取引先との打ち合わせで喫茶店やファミリーレストランなどを使った場合、飲食代金は「会議費」として計上できます。また、接待を目的としてクライアントと飲食した場合は「接待交際費」に該当します。しかし、そのようなケースで取引先やクライアントと割り勘で支払ったとしても、発行される領収書は1枚であり、割り勘で支払った事実は記載されません。そこで出金伝票に自分が支払った金額などを記録します。
会社には出金伝票以外にもさまざまな伝票があり、ややこしく感じるかもしれません。ここからはよく使う機会があるほかの伝票との違いについて見ていきましょう。
入金伝票は出金伝票とは逆に、会社に現金が入ってきた取引を記録するための伝票です。たとえば売掛商売をしていて、売上金を銀行に振り込んでもらう方式であれば預金通帳に証拠が残ります。しかし、現金で売上金を受け取った場合は証拠が残りません。そのような場合、入金伝票を作成すれば会社に現金が入った事実を記録することができるのです。
振替伝票とは、現金以外の取引をした際に作成する伝票です。これまでご説明したとおり、現金を支払ったら出金伝票、現金が入ってきたら入金伝票を作成すれば問題はありません。一方で、後から現金を受け取る「売掛」、あるいは後から現金を支払う「買掛」といった、いわゆる「ツケ」での取引が発生した場合には振替伝票を使います。
それでは具体的に出金伝票の書き方を見ていきましょう。記入例を用意しました。
出金伝票を書く際には以下の項目を記載してください。
右上などに押印欄がありますので、出金伝票を作成した人のハンコを押します。認印でも問題ありません。会社によってはハンコが不要であるケース、あるいは逆に上司の承認印が必要なケースもあります。社内のルールに従いましょう。
仕分けしやすいように番号を記載します。見本では日付を番号にしました。こちらも社内でルールがあればそれに従いましょう。
現金を支払った日付を記載します。
お金を支払った先(お店や会社など)を記載します。
勘定科目とは取引の内容を分類するカテゴリーのようなものです。「消耗品代」「旅費交通費」「接待交際費」などが挙げられます。迷った場合には経理担当者などに確認しましょう。
物品を購入した場合には商品名、交通費の場合には「◯◯駅~◯◯駅」、接待交際費の場合には「◯◯株式会社●●部長と会食」といったように、出金があった取引の内容を具体的に記載します。
項目ごとに金額を記載し、合計欄に合計の金額を記載します。
出金伝票を作成する際には主に以下のような方法で用紙を入手することができます。
出金伝票は文具店や書店、コンビニエンスストア、100円ショップなど、身近な店舗で買うことができます。100枚程度の綴りになっており、安いものだと100円ほどで、大抵の場合、数百円程度で購入できます。出金伝票を使う機会が多い人は1冊購入しておいてもいいかもしれません。
出金伝票を使う機会がそれほどない、あるいは買いに行く時間がない場合には、テンプレートをダウンロードして作成するのがおすすめです。「出金伝票 テンプレート」などと検索すると、無料で使えるExcelやWordのテンプレートがたくさん出てきますので、使いやすいものを選びましょう。そのままパソコンで入力し、印刷できるので、手書きが煩わしいと感じる方にもおすすめです。
出金伝票はExcelやWordなどで自作することも可能です。テンプレートと同様パソコンで記入ができるので便利です。ただし、自作するには手間がかかりますので、それほどこだわりがなければテンプレートを使ったほうが楽かもしれません。また、テンプレートを自分が使いやすい形にアレンジしてもいいでしょう。
経理担当者、あるいは外回りが多い人は、出金伝票を作成する機会が少なくないと思います。手書きで作成するのは大変ですし、保管や整理にも手間がかかります。出金伝票一つとってみてもパソコンでデータ化して保管すれば、業務効率の大幅な改善につながります。
ペーパーレス化を推進するなら電子契約サービスを利用するのも一案です。スムーズに契約が締結できて、検索も楽です。また、電子署名でハンコが不要になります。セキュリティレベルも高いため、改ざんや情報漏えいなどのリスクを大幅に低減できます。ペーパーレス化を進め、業務効率をアップさせましょう。
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