働き方

2021年8月27日

2022年8月3日

不動産に関する契約はどこまで電子化されている?現状とメリット・デメリット

不動産取引では、多くの書面が必要になります。紙の契約書の場合、当事者が直接集まって押印するか、郵送で契約書をやり取りして押印する必要があります。いずれにせよ、時間や手間がかかり郵送費や交通費などの費用が発生します。

 

今回は、不動産に関する契約の電子化について、現状はどうなっているのか、また、電子化が法律で認められるようになるのはいつなのか、といったことについて解説します。

不動産に関する契約の電子化

不動産に関する契約の完全電子化とは?

不動産に関する契約の完全電子化とは、不動産取引に関連する資料や契約書を全て電子化することです。不動産取引には、「不動産売買」や「不動産賃貸」がありますが、いずれの取引でも多くの書面が必要になります。

 

しかし、大量の書面を準備するには、時間もコストもかかり、売主、買主、仲介業者などの関係者全てにとって負担になっています。そこで、これらの書面を電子化してオンラインで処理できるようにすることが求められています。

 

民法上は、契約を締結する上で書面を作成することは必ずしも必要ではありません。しかし、不動産は高額な資産であることから、その取引では書面化することが各種法令で義務付けられています。具体的には、「宅地建物取引業法」(通称:宅建業法)「借地借家法」です。

宅地建物取引業法による規制

宅地建物取引業法第35条では、宅地建物取引業者は、宅地建物取引士に重要事項について記載した「書面(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。」と規定しています。この書面を「重要事項説明書」と言います。重要事項説明書はその条文番号から「35条書面」とも呼ばれます。

 

また、同法第37条では、「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。」と規定しています。「次に掲げる事項を記載した書面」とは、「契約書」のことです。この契約書は「37号書面」とも呼ばれます。

 

この他、第34条の2で、「媒介契約」についても「宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。」と規定しており、この規定は「代理契約」にも準用されます(第34条の3)。

借地借家法による規制

借地借家法第22条は、「存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。」と規定しています。

 

また、同法第38条は、「期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。」と規定しています。

 

これらは、「定期借地権」「定期建物賃貸借」と呼ばれるもので、一定期間借りたら、その後更新はなされずに返還しなければならないというものです。このような重要な事項について借主が知らなかったということがないよう、「公正証書」などの書面を作成することが義務付けられています。

不動産賃貸借契約

不動産賃貸借契約を締結する場合には、不動産賃貸借契約書、②重要事項説明書を作成して、賃借人に交付する必要があります。その他、賃借人は、住民票、④印鑑証明書、⑤源泉徴収票などの所得を証明する書類などが要求されることがあります。

 

この中で、賃貸取引における重要事項説明書の電子交付については、2020年から社会実験が行われています。

不動産売買契約

不動産売買契約を締結する場合には、不動産売買契約書、②重要事項説明書、③登記済証(権利証)又は登記識別情報、④売主と買主の印鑑証明書、⑤固定資産税・都市計画税納税通知書、⑥建築確認済証・検査済証、⑦土地測量図・境界確認書などがあります。

 

売買取引においても、2021年から重要事項説明書の電子交付について社会実験が行われています。

不動産に関する契約が完全電子化される時期は?

デジタル改革関連法の1つである「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」が2021年5月12日に成立し、9月1日から施行されます。ただし、宅地建物取引業法に係る改正については公布(2021年5月19日)から1年以内の施行とされているため、2022年からの施行になる予定です。今後は、宅地建物取引業法などの法律を対象に「押印撤廃・書面の電子化」のための法改正が行われます。

 

これによって、不動産売買契約や不動産賃貸借契約で必要な重要事項説明書や契約書を電子化することができるようになります。つまり、不動産の売買であっても賃貸であってもオンライン上で手続を完了することができるようになります。また、宅地建物取引士による重要事項説明は、すでにオンラインで受けられるようになっていますが、書面を事前に用意しなければならなかったのが電子上での用意で足りるようになるのです。

不動産に関する契約を電子化するメリットとデメリット

メリット

契約を電子化することのメリットとしては、次のようなものがあります。

 

印刷コストの削減

契約書などを書面で作成する場合、紙代や印刷代がかかりますが、電子契約の場合には印刷代も紙代もかかりません。

 

印紙税の削減

不動産売買契約書を書面で作成する場合には、契約金額に応じて印紙税が発生します。しかし、電子契約の場合には印紙税は発生しません。

 

郵送、交通費の削減

契約を締結するとき、売主と買主が直接会って契約する場合などには交通費が発生しますし、郵送で行う場合には郵送費が発生しますし日数もかかります。しかし、電子契約の場合にはオンライン上でできるため交通費も郵送費も発生しません。特に建物賃貸借契約のように短期間で内見、申込、審査、契約締結、入居といったプロセスを進めるようなケースでは大変便利になるでしょう。

 

管理がしやすくなる

紙での契約の場合、保管場所の確保が必要になり、紛失するリスクもあります。それに対して、電子契約の場合にはデータで情報を管理するので、保管場所に困ることがありません。また、クラウドストレージに保管しておけば、災害に遭った場合でも大事な書類を消失するというリスクを避けられます。

デメリット

一方で、契約の電子化には次のようなデメリットがあります。

 

高齢者など対応できない人がいる

高齢者の場合、パソコンなどの操作が苦手という人もいるため、全てを電子化することは難しいという問題があります。

 

サイバー攻撃などのリスクがある

電子契約ではオンライン上で情報をやり取りするため、サイバー攻撃により情報が流出したり重要データが破損したりする危険があります。そのため、しっかりセキュリティ対策は行いましょう。

 

インターネット環境やパソコンなどの機器が必要になる

電子契約を行う場合には、パソコンやスマートフォンなどのデバイスやインターネット環境の整備が必要です。

 

通信費やプロバイダ料金が発生する

電子契約を行う場合、郵送費や交通費はかかりませんが、電気代や通信費、プロバイダ料金などが発生します。また、事業者には電子契約システムの導入費用も発生します。

不動産取引の電子契約には「電子印鑑GMOサイン」がおすすめ

「電子印鑑GMOサイン」は、不動産売買の代理や仲介を主に手がけている株式会社オープンハウスでも採用されています。「電子印鑑GMOサイン」を採用する理由は、電子契約に不慣れな顧客でも扱える使いやすいインターフェースであるからです。

 

不動産取引においては、電子契約に慣れている人ばかりではありませんので、やはり使いやすいことが一番重要です。その点、「電子印鑑GMOサイン」は、契約書のアップロード、署名依頼の送信、確認して署名という3ステップのみで完了するので、誰でも簡単に操作することができます。また、26万社以上(2021年8月現在)に導入されている実績のあるシステムなので、安心して利用することができます。

まとめ

今回は、不動産に関する契約はどこまで電子化されているかというテーマで解説してきました。これからの時代「電子化」という流れは避けられないため、不動産業界においても電子化は進むと思われます。

 

現在、重要事項説明書の電子交付が社会実験中ですが、2022年には契約書なども含めて電子化される見込みです。

 

なお、賃貸借契約の変更や駐車場などの賃貸借契約については今でも電子契約が可能です。2022年になってから電子化すればよいと考えていると出遅れてしまう可能性もありますので、早めに導入することをお勧めします。

不動産業界の電子化・電子契約の導入についてわかる!

不動産業界の電子化ガイドラインのイメージ画像

無料で資料ダウンロード

オンラインで不動産契約を行うなら『電子印鑑GMOサイン for 不動産DX』がおすすめ

不動産契約に役立つオプション機能をパッケージ化

  • 個人との契約、本人性の担保をしておきたい
  • 紙の契約書管理から解放されたい
  • パソコンを持っていない人とも電子契約をしたい
  • 契約更新管理をラクにしたい
  • 三者間・四者間での契約を電子化したい
  • 他のシステムと連携して業務効率化させたい

電子印鑑GMOサイン for 不動産DXがおすすめ!

電子サイン・電子契約ならGMOサイン
電子サイン・電子契約ならGMOサイン

関連記事

ハンコ脱出作戦 編集部

筆者

ハンコ脱出作戦 編集部

このライターの記事一覧を見る

電子サイン・電子契約ならGMOサイン
  • 電子印鑑GMOサインが選ばれる理由
  • 電子契約とは
  • 脱印鑑ブログ 公式Twitter

公式SNS

電子印鑑GMOサインのサービス情報や電子契約に関わる様々な情報を配信!

電子サイン・電子契約ならGMOサイン

「ハンコ脱出作戦」とは?

日本の脱印鑑文化を応援するブログメディアです。
電子印鑑GMOサインのサービス情報や電子印鑑、電子契約の最新情報をお伝えしています。

電子契約サービスを検討中の方向けに、
役立つ資料を提供しています。

電子契約サービスの基礎知識や選び方、導入ステップなどを分かりやすく紹介しています。
無料でダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。

資料請求

印鑑の完全廃止に関するグループの取り組みと関連リンク集

印鑑の完全廃止に関するグループの取り組みと関連リンク集