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誓約書の書き方を「ひな形(テンプレート)付き」でわかりやすく解説!作成時の注意点や法的効力もあわせてご紹介!

誓約書の書き方
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「誓約書」は、入社の時や退社の時に書くことが多いですが、どちらかというと、立場が強い方から弱い方に対して記入をするように指示があり、それを提出させられるという性質の書面です。

そのため、「無理やり書かされた」として、その有効性が争われることがあります。そこで、今回は、誓約書とはどのような書面で、有効になるためにはどのような点に注意が必要なのかを解説します。

目次

誓約書とは

誓約書とは、「書かれた約束事について守ります。」と誓った書面です。法律用語ではなく、一般用語として「誓約します」という内容の書面ということです。ほとんどは、一方当事者が誓約書に署名または記名押印をするという形式を取りますが、当事者双方が署名または記名押印する場合もあります。

具体的なケースとしては、会社で不祥事を起こして、「今回は○○をしてしまいましたが、二度とこのようなことはしないと誓います。もし、同じ過ちをした場合には懲戒処分に異議はありません。」などと書くことがあります。プライベートでは、不倫をした人が「今後二度と不倫は致しません。万が一、再び不倫をした場合には、離婚について異議はありません」などと書きます。

「誓約書」と「契約書」は似ていますが、実は明確な区分はありません。「誓約書」というタイトルでも、双方の当事者が合意して両当事者が記名押印している場合には、契約書になるからです。

それに対し、不倫をした人が「二度と不倫はしません。今度、不倫をしたら離婚に異議はありません。」と書いた誓約書を一方的に相手に渡したような場合には、契約とは言えないため、一方当事者の主張が書かれた書面にすぎません。このように、タイトルと実体が合致していない場合があるため注意が必要です。

誓約書の法的効力

日本では、契約の法的効力として書面は要求されていないため、「契約書」も「誓約書」も証拠書類の意味しか持ちません。もっとも、裁判においては、証拠の有無によって権利が認められるかどうかに大きく影響するため、正確な書面があれば、その内容について権利・義務が認められる可能性はあります。

一方で、誓約書というのは、冒頭でも説明したとおり、立場の強い方が弱い方に書かせることが多いため、その内容が不当なことが多く、無効になってしまうことがあります。たとえば、仕事でミスをした社員に「今後、残業代はいりません。」というような誓約書を書かせたとしても、残業代の支払いは労働基準法に定められた強行法規なので、残業をした場合には本人が残業代をいらないと言ったとしても支払わなければならないものだからです。

その他、誓約者に一方的に不利な内容の誓約書も無効になる可能性が高いと言えます。たとえば、「1秒でも出社時間に遅れたら解雇されても異議はありません。」という誓約書などです。

誓約書の書き方のポイント

裁判所は誓約書が証拠として提出された場合、不利な内容になっていないか慎重に見るため、無効とされないためには、当事者が自由意思に基づいて書いたと思われるような内容にする必要があります。

書面に書かれてない事情は外部からはわからないため、第三者の視点で見た時に、納得できるような内容にしておく必要があります。

また、強行法規に違反する内容は無効になるため、法令に違反していないか確認するようにしましょう。仕事上の誓約書では、特に労働関係法令に違反していないか注意してください。損害賠償の定め、残業代不払い、転職や退職の禁止などは許されないため、書かないように注意しましょう。

その他、「秘密保持誓約書」も最近は多く使われています。秘密保持誓約書とは、仕事上知り得た秘密は外部には漏らさないと誓約するものです。個人情報の厳格な管理が求められているご時世なので、各社員に秘密保持誓約書を書かせているケースも多いと思います。

秘密保持誓約書を書く上で注意すべきなのは、秘密情報が何を指すのかを明確にしておくという点です。単に「会社で得た情報」というように抽象的にしか規定されていない場合、裁判所で無効と判断される可能性があります。会社で得た情報というのは範囲が広すぎるため、このような抽象的な規定では何を漏えいしたらダメなのかわからないためです。もっと具体的に「取引履歴を持ち出してはならない」というように誰でもわかるように特定することが必要です。

誓約書の主な種類別テンプレート

最低限必要な項目としては、表題、日付、宛名である会社名と代表者名、誓約者の住所と氏名、誓約文言、誓約内容です。これは、全ての誓約書に共通します。変わるのは誓約内容です。

入社誓約書

入社誓約書のテンプレートは次のようになります。なお、この例では誓約内容が6つですが、ここは自由に増減できます。

令和○年○月○日

入社誓約書

○○○○株式会社

 代表取締役○○ ○○ 殿

誓約者

住所 東京都港区○○1−2−3

氏名 ○○ ○○

この度、御社に入社するにあたり以下の事項について誓約致します。

1 就業規則及び諸規定を遵守すること

2 勤務時間中は職務に専念すること

3 業務命令に従うこと

4 転勤、配置転換、出向については、会社の辞令に従うこと

5 会社で知り得た、取引先の情報、取引履歴、商品の内容、価格などについては、在職中・退職後を問わず第三者に漏らさないこと

6 会社の品位を保ち、会社の信用を毀損しないようにすること

秘密保持誓約書

秘密保持誓約書のテンプレートは次のようになります。この例では誓約内容が3つですが、ここは自由に増減できます。実務的には、この他、複製の禁止、差止請求、合意管轄などが書かれることが多いです。

20XX年○月○日

秘密保持誓約書

○○○○株式会社

 代表取締役○○ ○○ 殿

誓約者

住所 東京都港区○○1−2−3

氏名 ○○ ○○

この度、御社に入社するにあたり以下の事項について誓約致します。

1 次の①から③の情報について、御社の許可なく外部に漏えいしないこと

 ① 取引先の情報

 ② 商品の原価

 ③ 商品作成の方法

2 秘密保持の期間は、在職中はもちろん、退職後においても漏えいしないこと

3 秘密情報を漏えいし、御社が損害を被った場合、損害を賠償すること

支払い誓約書

たとえば、会社のお金を横領した場合や、会社の商品を過失により壊してしまったという場合、被害弁償を社員にさせる必要があります。その時に書くのが「支払い誓約書」です。金額が大きい場合、一括での返済が難しいことがあるので、分割での弁済を約束させる必要があります。

支払い誓約書(横領)のテンプレートは次のようになります。支払い誓約書の場合、金銭の支払いを確実にさせることが目的なので、支払開始日、支払期日、支払金額、遅延損害の利率などを定めます。

令和○年○月○日

支払い誓約書

○○○○株式会社

代表取締役○○ ○○ 殿

誓約者

住所 東京都港区○○1−2−3

氏名 ○○ ○○

この度、御社の金銭(金○円)を横領したことを認め、被害額について支払い義務があることを認めます。弁済の方法については次のとおり行います。

支払開始日:○年○月○日

支払期日:毎月末日

支払金額:毎月金○円

遅延損害金の利率:○%

期限に入金がなされない場合、期限の利益を失い、直ちに全額弁済することに異議はありません。

誓約書作成時の注意点

3つのテンプレートを紹介しましたが、これら例は最小限の記述になっています。実際にはもっと詳細を規定することもありますが、それは個別に具体的な事情を書くためです。誓約書の書式は決まっているものではなく、作成する人によって異なります。したがって、形式よりもどのような内容を書くべきなのかという観点で参考にしてください。

「誓約書の書き方のポイント」でも書きましたが、法令に違反する内容や会社に都合のよい内容を書きすぎると無効となってしまうので、その点は注意しましょう。

また、当メディア・GMOサインブログでは電子契約に関するお役立ち情報もご紹介していますが、誓約書なども電子契約サービスによる署名・契約締結が可能です。詳しくは、電子契約が使える書面・契約類型のまとめページで取り上げていますので、ご参考ください。

まとめ

今回は、「誓約書」はどのようなものかについて解説しました。契約書と同じ性質の誓約書もあれば、一方当事者が自分の主張を書いただけの誓約書もあります。「誓約書」という言葉だけで書類の性質を把握するのではなく、内容を把握した上で判断する必要があります。

今回は、3つのテンプレートを紹介しましたが、実際に誓約書を作成する場合には、テンプレートの内容に個別具体的な内容を含めて作成することになります。本分中の「誓約書の書き方のポイント「誓約書作成の注意点」も参考にしながら作成してみてください。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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