病気で長期入院し、仕事を辞めざるを得なくなったり、電化製品が相次いで故障して急な出費が重なったりするなど、さまざまな事情でお金に困るケースは誰にでも起こり得ます。また、自分自身が困っているわけではなくても、身近にそのような方がいて「お金がないから助けてほしい」と相談された経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、「お金がない!助けて」と相談された際の対応方法についてお伝えします。少額でもすぐに必要な場合や時間がかかっても高額なお金が必要な場合など、状況に応じたお金の入手方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「お金ない!助けて」と相談されたら?
家族や友人から突然「お金がない!助けて」と相談された場合、次の点を確認してください。
お金がなくなった理由を聞く
お金がなくて困っている状況では、その理由を尋ねることに意味がないと感じるかもしれません。しかし、お金がなくなった理由によって、解決策の選択肢は異なります。
たとえば、失業によってお金がなくなった場合と、仕事をしているが友人の結婚式が重なったためにお金が足りない場合では、提供できるアドバイスも変わります。まずは、なぜお金がなくなったのかを確認しましょう。
お金が必要な時期と具体的な金額を確認する
いつまでにいくら必要なのかを確認しましょう。たとえば、明日までに1万円が必要な場合は、自分が貸してあげることも可能です。しかし、常にお金が足りない状況であれば、転職や副業など他の方法を考える必要があります。
お金がなくなった理由と同様に、必要な金額とその期限を確認することで、提供できるアドバイスが変わります。
本人にとってベストな手段を模索する
お金がない人にとっての解決策は、お金を手に入れることです。ただし、その手段はさまざまであり、人によってできること、できないことが異なります。そのため、本人が何ができるのかを確認する必要があります。
お金を手に入れる主な方法は、「借りる」「稼ぐ」「制度を利用する」です。たとえば、病気でお金がない人の場合、稼ぐのは難しいため、借りるか制度を利用する方法が考えられます。
現在の収入が低くてお金がない人の場合、副業で稼ぐのが最も迅速にお金を手に入れる方法です。ただし、仕事が忙しくて他に稼ぐ時間がない場合は、転職や借りるという選択肢も考慮しなければなりません。本人がどのような状況で、何をしてお金を手に入れたいのかを確認すれば、取るべき手段が見えてきます。
できるだけ早くお金が欲しい場合の解決法
今日明日にでもお金が必要な場合の解決方法を紹介します。ここで紹介しているのは、基本的に健康面に問題がなく仕事をしている方を対象とした解決策です。仕事がない、または病気で働けない場合の解決方法については後述します。
近日中に少額(~数万円)のお金が必要な場合
スキマバイトをする
現状、仕事ができる状況で近日中に数万円程度の少額のお金が必要な場合、スキマバイトをおすすめします。タイミーやメルカリハロなどのスキマバイトアプリを利用すれば、当日申し込みが可能で、働いた分の給与も即日入金されます。数万円程度であれば、1週間もあれば容易に稼げるでしょう。
大手消費者金融ローンを使う
仕事が忙しくスキマバイトをするのが難しい場合は、即日融資が可能な大手消費者金融のカードローンを検討してください。金融機関によりますが、審査から融資まで数十分程度で完了するため、数万円程度であればスキマバイトよりも早くお金を借りることができます。
キャッシング枠の付いているクレジットカードを使う
キャッシング枠が付いているクレジットカードをお持ちであれば、コンビニやATMで今すぐにお金を借りることができます。大手消費者金融のカードローンに比べて金利が高い傾向にありますが、審査を受ける必要がないため、必要な時点で即座に借りることが可能です。
質屋を使う
カードローンやクレジットカードを使いたくない、または以前に審査に落ちたことがある場合は、質屋を利用する方法もあります。バッグやアクセサリー、カメラなどの価値の高い商品を持っていれば、審査なしで基本的に即日融資が可能です。取り立てや催促もありません。
ただし、買い戻す際にはローンと同様に利息を支払う必要があります。また、買い戻しができないと質流れになってしまうため、注意が必要です。
質流れとは?
「質流れ(しちながれ)」とは、質屋に預けた品物について、借りた金の返済を期限内に行わなかった場合、その品物の所有権が質屋に移転することを指します。具体的には、質屋に預けた品物を取り戻すためには、定められた期間内に借入金と利息を返済する必要がありますが、これができなかった場合、その品物は質屋のものとなり、質屋はそれを自由に売却できるようになります。
また、本やCD、古着などを古本・古着屋に売る方法もあります。質屋のように買い戻すことはできませんが、品の状態や数量によっては数千から数万円を気軽に手に入れることができるでしょう。
近日中に高額(数十万円~)のお金が必要な場合
クレジットカードのキャッシング枠を拡大する
近日中に数十万から数百万円が必要な場合、クレジットカードのキャッシング枠を拡大する方法があります。ただし、借主の年収を基準に3分の1を超える貸付はできないため、いわゆる総量規制には注意が必要です。たとえば、年収が300万円であれば、借りられる金額は最大でも100万円になります。
もちろん、審査によっては100万円も借りられない場合もあるため、年収により借りられる金額が変わることを念頭に置いておく必要があります。なお、大手消費者金融のカードローンも総量規制の対象となるため、利用時には注意が必要です。キャッシング枠の拡大に関する審査は、クレジットカード会社によって異なりますが、おおよそ1週間程度かかることが一般的です。
銀行のカードローンを利用する
総量規制を気にせずお金を借りたい場合は、銀行のカードローンをおすすめします。総量規制の対象となるのは、クレジット会社や消費者金融などの貸金業者であり、銀行や信用金庫はその対象外です。そのため、場合によっては年収の3分の1以上のお金を借りられる可能性もあります。
ただし、大手消費者金融のカードローンやクレジットカードローンに比べて審査は厳しく、通過するのは簡単ではありません。しかし、一定の収入があり数百万円単位のお金が必要な場合は、審査を依頼してみる価値があります。なお、銀行によって審査の内容は異なりますが、ネット銀行であれば即日審査が可能で、問題がなければすぐにローンを利用できる場合もあります。
慢性的にお金が足りない場合の解決方法
普段、一定の収入を得ているものの、給料日前になると常にお金が足りない場合の解決方法を紹介します。
現在の仕事で昇給を目指す
慢性的なお金不足を解消する最も確実な方法は、現在の仕事で昇給を目指すことです。具体的には、スキルを向上させたり、資格を取得したりすることが考えられます。社内研修を受けたり、資格取得講座を受講したりすることで、時間はかかりますが、着実にお金不足を解消できるでしょう。
スキルを活かして副業で稼ぐ
イラストを描く、動画を編集する、英語翻訳をするなどの特定のスキルを持っている場合、そのスキルを活かして副業で稼ぐことが可能です。「業務委託」や「ダブルワーク」で検索すれば、現在の仕事を続けながらできる副業を見つけることができます。また、クラウドソーシングサービスに登録するのもおすすめです。
通常、採用されて依頼された仕事を納品後、翌月末または翌々月の中旬には報酬を受け取ることができます。
アンケートやポイントサイトで稼ぐ
特別なスキルがない場合は、アンケートやポイントサイトを利用して稼ぐ方法もあります。簡単なアンケートに答えたり、特定のアプリをダウンロードしてポイントを貯めたりすることで、現金や提携サービスのポイントに交換できるサービスです。一つひとつは少額ですが、根気さえあれば特別なスキルがなくても収入を得ることができます。
仕事の休憩時間や通勤時間、寝る前などのちょっとした時間を使って稼げるため、慢性的にお金を必要としている人に適した方法です。ただし、最初にお金を手に入れるまでには、人によっては数カ月以上かかる場合もあります。
収入を増やす以外の方法でお金不足を解決する方法
お金を増やすことだけが、お金不足を解決する方法ではありません。ここでは、収入を増やす以外の方法でお金不足を解決する方法を解説します。
支払いを遅らせられないか相談をする
たとえば、借金の返済日までに返せないが、翌月であれば返済可能な場合、借入先によっては話し合いで支払いを遅らせてもらえることがあります。大手消費者金融やクレジット会社でも、場合によっては支払い日を変更できることがあります。
毎月支払日を変更するのは難しいかもしれませんが、1、2回程度であれば支払日の変更が可能な場合もあるため、まずは相談してみましょう。
支出を減らすことで使えるお金を増やす
現状の仕事を続けつつ慢性的なお金不足を解消するには、収入を増やすだけでは限界があります。そこで、収入を増やしつつ支出を減らす対策を実行することが重要です。
すぐにできる対策としては、保険の見直し、外食の回数を減らす、コンビニではなくスーパーを利用する、スマホを格安プランに変更するなどがあります。また、使っていないサブスクリプションサービスがあれば解約することも検討しましょう。
それぞれの対策は数百円から数千円程度の節約になりますが、継続することで年間数万円程度の支出を減らすことができ、その分使えるお金も増えるでしょう。さらに、現在は多くの家計簿アプリがあるため、家計簿をつけることで収入と支出のバランスを把握することも重要です。
また、少しでもお金に余裕ができたら、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。自分だけでは気づかないお金の使い方や無駄を見つけ出し、お金が貯まりやすい状況を作り出す手助けをしてくれるでしょう。
公的な貸付制度の利用もおすすめ
大手消費者金融やクレジットカード、銀行のローンが利用できない場合、たとえば病気や解雇などの理由で困難な状況にある場合は、公的な貸付や融資制度の利用を検討しましょう。
たとえば、厚生労働省では生活福祉資金貸付を行っています。対象となるのは以下のような世帯です。
- 必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」
- 障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」
- 65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」
出典:政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。」
次に、主な生活福祉資金の種類と貸付限度額を簡単に紹介します。
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資金の種類 | 概要 | 貸付限度額 |
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総合支援資金 | 生活支援費 | 生活再建までの間に必要な生活費用 | (二人以上)月20万円以内(単身)月15万円以内貸付期間12月以内 |
住居入居費 | 敷金・礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用 | 40万円以内 |
一時生活再建費 | ・生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活でまかなうことが困難な費用 ・滞納している公共料金などの立替費用 ・債務整理をするために必要な経費など | 60万円以内 |
福祉資金 | 福祉費 | ・生活を営むために必要な経費 ・住宅の増改築、補修などおよび公営住宅の譲り受けに必要な経費 ・冠婚葬祭に必要な経費 ・そのほか日常生活上一時的に必要な経費など | 580万円以内 ※資金の用途に応じて上限目安額を設定 |
緊急小口現金 | 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用 | 10万円以内 |
教育支援資金 | 教育支援費 | 低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校に修学するために必要な経費 | 〈高校〉月3.5万円以内 〈高専〉月6万円以内 〈短大〉月6万円以内 〈大学〉月6.5万円以内 |
就学支度費 | 低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校への入学に際し必要な経費 | 50万円以内 |
不動産担保型生活資金 | 不動産担保型生活資金 | 低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金 | ・土地の評価額の70%程度 ・月30万円以内 ・貸付期間借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 |
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 | 要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金 | ・土地及び建物の評価額の70%(集合住宅の場合は50%) ・生活扶助額の1.5倍以内 ・貸付期間借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 |
出典:厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」
※生活福祉資金の種類や貸付限度額はすべて2024年9月3日現在の情報です。利息や保証人の有無などの詳細については、必ず厚生労働省や各地方自治体のWebサイトで確認してください。
いつ何があっても慌てずに対応できるよう、万が一の際に備えておこう
家族や友人がお金に困っているとき、何とかして助けたいと思うのは自然なことです。今回は、お金に困った際の対応策として、即日で現金を手に入れる方法や、時間をかけてでも継続的にお金を増やす方法を紹介しました。
お金に困ったときにすぐに現金を手に入れたいと思うのは理解できますが、キャッシングやカードローンに頼る際は、十分に注意しましょう。それが借金であることを忘れないでください。必ず返済しなければならないお金です。
また、ギャンブルや投資に頼ることは、さらなる借金を増やすリスクを伴います。今回紹介した解決策を参考にし、再びお金に困ることがないよう、適切なアドバイスを送ってあげましょう。