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不動産売買に消費税はかかる?課税・非課税対象をわかりやすく解説!消費税額の計算方法や納付方法も紹介

 

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不動産の売買には消費税が課税されますが、そのルールをご存知でしょうか?
土地の売買には課税されないことや、不動産の売却を事業者がする場合と個人がする場合の課税の違いなど、不動産売買に関する消費税は複雑です。
また、不動産取引にかかる費用全般についても、消費税がどのように課税されるのかを理解しておくことは重要です。

そこで、本記事では不動産の売買における消費税について、基本的な考え方や計算方法を分かりやすく解説します。
本記事を読めば、不動産の売買における消費税について理解を深めることができるようまとめました。

不動産の売買を考えている人や、不動産業界に興味のある人は必見です。

目次

消費税とは?

消費税とは、消費一般に対して広く公平に課される税金のことをいいます。
ここでは、消費税の仕組みや目的、消費税率の変遷について解説します。

消費税の仕組みと目的

消費税とは、販売された商品やサービスに課される税金であり、消費者が支払います。
消費税は、財政の健全化や公共サービスの充実を目的として導入されました。
消費税は、広く国民に負担を分散させ、不況時には自動的に減収するため、財政面でのリスクを抑える効果があります。
また、消費税は直接税ではなく、購買行為に課せられる間接税であるため、財産や所得に関する情報を個別に収集する必要がなく、税務効率の高いシステムともいえるでしょう。

日本では、1989年に消費税の導入が行われ、現在は一般税率10%、軽減税率8%が適用されています。
消費税収入は、国の歳出の約40%を占め、社会保障や公共事業、防衛費などに充てられています。

消費税率の変遷

1989年導入当初の消費税率は、3%でした。
その後、改正消費税法により、何度か税率の引き上げが行われています。
消費税率の変遷について、見てみましょう。

年度 消費税率 背景
1989 3% 導入
1997 5% 国の財政再建
2014 8% 社会保障制度の拡充
2019 10% 同上

消費税率の引き上げは、国の財政再建や社会保障制度の拡充などのために行われてきました。
国の財政再建について、高い公共事業費や社会保障費の増加などで長年、財政赤字が続いており、消費税率の引き上げが不可欠とされています。

また、社会保障制度の拡充については、高齢化が進み、医療費や介護費が増加していることが要因です。
消費税率の引き上げは、社会保障制度や付随するサービスを充実させるために必要ですが、一方で消費者や企業に多大な影響を与えます。
例えば、消費税率が引き上げられると、商品やサービスの価格が上がるため、消費者の購買力低下を引き起こします。
また、企業側は原材料や資材の調達費用が上がるため、生産コストが増加し、経営に影響が出るでしょう。

不動産取引における消費税の非課税項目

不動産取引においては、消費税が課税される場合と非課税の場合があります。
不動産取引における消費税の非課税項目について、解説します。

土地の売買

土地を売却する場合でも、購入する場合でも、売買にかかる費用には、消費税はかかりません。
消費税法において、土地を売買する取引は、非課税対象と定められています。

(参照元:No.6201 非課税となる取引|国税庁

個人による建物の売買

個人が建物の売却を行う場合でも、購入する場合でも、売買にかかる費用には、消費税はかかりません。

消費税法において、事業者でない者が不動産を売買する取引は、非課税対象と定められています。

例えば、Aさんが所有する住宅を、Bさんが1億円で購入する場合、消費税はかかりません。

(参照元:No.6931 消費税等と譲渡所得|国税庁

生活用品の動産

生活用品の動産の売却には、消費税はかかりません。

生活用品の動産とは、日常生活に必要な物品や設備のことを指します。
具体的には、家具・家電製品・衣服・食器・調理器具・自転車・自動車などのことです。
これらの物品は、通常、消耗品や耐用年数があるものの、生活を維持するために必要不可欠なものとして、法律的に特別な扱いがされています。

消費税法において、生活用品の動産を売買する取引は非課税対象と定められています。

具体例として、Aさんが所有するソファを、Bさんが10万円で購入する場合、消費税はかかりません。

ただし、注意しなければならないのは、事業者が生活用品の動産を、事業として販売する場合です。
事業者が生活用品の動産を販売する場合は、原則として消費税が課税されます。
そのため、消費者も生活用品の動産を販売店で購入する際に、商品代金とともに消費税を支払っているのです。

(参照元:No.6931 消費税等と譲渡所得|国税庁

登録免許税や印紙税

登録免許税や印紙税については、消費税はかかりません。

登録免許税や印紙税は、消費税法上の国税及び地方税に関する法律に基づく税金に該当し、消費税の課税対象外となっています。

例えば、Aさんが不動産を売却する際に、登録免許税や印紙税が発生した場合、消費税はかかりません。

不動産取引における消費税の課税項目

では、不動産取引において、消費税が課税される場合を見てみましょう。
消費税の課税項目には、土地や建物の売買や手数料に関するものがあります。

課税事業者が行う建物の売買

課税事業者が、建物の売買を行う場合、消費税がかかります。

消費税法によると、課税事業者が不動産取引において建物の引渡しを行う場合は、消費税が課税されます。

具体例1:
不動産業者が保有していた建物を別の事業者に売却する場合は、売買価格に対して消費税がかかります。

具体例2:
ハウスメーカーが建設した新築住宅を販売する場合は、販売価格に対して消費税がかかります。

課税事業者による不動産売買取引は、中古・新築や目的(住居かオフィスかなど)にかかわらず、消費税の対象となるため、注意が必要です。

(参照元:No.6931 消費税等と譲渡所得|国税庁、No.3240 事業用建物等を譲渡した場合の消費税|国税庁

仲介手数料

不動産仲介業者が受け取る仲介手数料には、消費税がかかります。

消費税法によると、サービスの提供などの取引に対して消費税は課税されると規定されています。
そのため、不動産仲介業者が受け取る仲介手数料も消費税の課税対象です。

具体的には、不動産仲介業者が、売主と買主を仲介して売買契約を成立させた場合、仲介手数料に対して消費税が課税されます。

司法書士に支払う手数料

司法書士に支払う手数料には、消費税がかかります。

不動産取引の際、司法書士に不動産の登記業務を依頼することが一般的です。
この場合、登記手数料に加えて、登記に必要な書類の作成や手続きの代理などを行い、その対価として報酬を受け取ります。
提供されているサービスに対して、消費税が課税されることになります。

例えば、不動産の売買契約を締結した場合、司法書士は売買契約書や譲渡登記申請書の作成、登記手続きを代行します。
これらの業務に対する報酬が発生する際には、消費税の支払いが必要です。

住宅ローンの手数料

住宅ローンの手数料には、消費税がかかります。

消費税法により、金融商品やサービスに対する手数料には消費税が課税されるため、住宅ローンの手数料は課税対象です。

住宅ローンの手数料は、金融機関やローン種類によって異なります。
借入前に消費税分を計算に入れることが必要です。

消費税額の算出方法

産業用不動産や投資用不動産を売却する場合、建物部分に対して消費税が課税されます。
また、不動産業者が仲介する場合には仲介手数料に消費税が加算されます。

消費税額の算出方法には、不動産に含まれる消費税の算出方法と、土地と建物の金額が区分されていない場合の消費税額の算出方法があります。

複雑に感じますが、それぞれ見ていきましょう。

不動産に含まれる消費税の算出方法

不動産取引においては、売買価格に消費税が含まれる場合があります。
この場合、消費税額の算出方法について次の通り解説します。

不動産に含まれる消費税の算出方法

不動産取引において、土地と建物が一体となっている場合、建物に含まれる消費税額を算出することが必要です。
消費税率が10%の場合、消費税額の算出方法は、以下の式で求められます。

計算項目 計算式
建物にかかる消費税額 建物の金額(税抜)×10%
売買価格に含まれる消費税額 売買価格 ÷(1+10%) × 10%

例えば、不動産の売買価格が税込1億円で消費税率が10%の場合、消費税額は以下のように算出されます。

計算項目 消費税の計算式 計算結果
売買価格に含まれる消費税額 1億円 ÷(1+10%)×10% 約909万円

土地と建物の金額が区分されていない場合の消費税額の算出方法

土地と建物の金額が区分されていない場合、消費税額の算出方法は次の通りです。

土地と建物の金額が区分されていない場合の消費税額の算出方法

課税対象は建物部分のみで、土地部分は非課税となります。

土地と建物の金額が区分されていない場合、土地と建物の金額を分離しなければなりません。
この場合、次のような方法により土地と建物部分に合理的に区分します。

・譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
・相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
・土地、建物の原価を基にした按分

区分された建物部分に対して、消費税率を適用します。

評価額による算出は、一般的に不動産業者が行います。
そのため、提示された価格が合理的に按分されている必ず確認しましょう。

(参照元:No.6301 課税標準|国税庁

消費税の納付方法

不動産売買において、消費税の納付は重要です。
しかしながら、その手続きや納付方法について、複雑で分かりづらいものです。
消費税の納付方法や納付期限について、具体的にご紹介します。

中間申告と中間納付について

消費税の納付方法には、中間申告制度があります。

消費税を年1回ではなく複数回に分納することにより、納税者の資金負担を軽減するとともに、国としても税額を早めに確保することを目的としています。
つまり、年1回の納税では納税者の資金負担が大きくなる場合、中間申告制度を利用することで納税額を分散し、支払いを少しずつ行うこと可能です。

税金の種類 事業者の場合 個人事業主の場合
確定申告の期限 課税期間の翌日~2か月後まで 引き渡し日の翌年3月31日まで
中間申告・中間納付の条件 前事業年度の消費税の納税額が48万円超 前年の消費税の納税額が48万円超
中間申告・中間納付の回数 納税額48万円超~400万円以下:1回
納税額400万円超~4,800万円以下:3回
納税額4,800万円超:11回
納税額48万円超~400万円以下:1回
納税額400万円超~4,800万円以下:3回
納税額4,800万円超:11回

(参照元:No.6609 中間申告の方法|国税庁

納付期限と納付方法

消費税の納付期限は、個人事業主の場合と事業者の場合で異なります。

申告者 申告期限
個人事業主 引き渡しの翌年3月31日
事業者 課税期間の翌日から2か月以内

申告期限を過ぎると滞納となるため、期限内に手続きを完了させる必要があります。

納付方法は、税務署の窓口での納付、口座引き落とし、コンビニでの納付、クレジットカードやe-Taxなどのオンライン納付などから選択可能です。

不動産売買における消費税のポイントまとめ

課税される場合と非課税の場合

課税対象 非課税対象
事業者による建物の売買 土地の売買
不動産仲介手数料 個人による建物の売買
司法書士に支払う手数料 個人による生活用動産の売買
住宅ローンの手数料 登録免許税、印紙税

消費税法において、土地そのものは非課税となっています。
不動産取引において消費税が課税されるのは、事業者による建物の売買、手数料やサービスに対する報酬など、土地以外のものに関する部分のみとなっています。
土地の売買が非課税の理由としては、土地の売買は資本の移転であり、消費するものではないからなのです。

例えば、AさんがBさんから1億円で建物付きの土地を購入した場合を見てみましょう。

項目 内容
売買価格 1億円
課税対象 土地と建物
土地の価格 1億円 - 建物の価格
建物の価格 1,000万円
消費税率 10%
課税額(建物) 建物の価格 × 消費税率 = 100万円
課税額(土地) 課税されない
支払総額 売買価格 + 課税額(建物)= 1億100万円

この取引においては、土地の売買には消費税は課税されず、建物の売買にのみ消費税が課税されます。
具体的には、建物の価格が1,000万円であった場合、消費税は100万円となります。

納付方法と期限について

不動産売買における消費税の納付方法と期限は、個人事業主の場合と事業者の場合で異なります。

【納付期限】
・個人事業主の場合:引き渡しの翌年3月31日
・事業者の場合:課税期間の翌日から2か月以内

いずれも納付期限内に消費税の支払いが必要です。

よくある質問

不動産売買でよくある質問と回答例をご紹介します。

不動産売却時の消費税はどうなるのか?

不動産の売却に消費税がかかるかどうかは、一概にはいえません。
まず、個人が売却する場合と事業者が不動産売却を事業として行う場合があります。
さらに、売却した不動産が土地の場合と建物の場合によっても異なります。

売主 不動産の種類 消費税の課税対象
事業者 土地 非課税
建物 課税対象
個人 土地 非課税
建物 非課税

不動産購入時の消費税はどうなるのか?

不動産の購入時の消費税については、誰から購入するかによって異なります。

不動産の種類 売主 買主 消費税の課税対象
土地 個人または事業者 個人または事業者 非課税
建物 事業者 個人 課税
建物 個人 個人 非課税

まず、土地を購入する場合は、売主が事業者であっても個人であっても、土地は非課税対象のため、消費税は不要です。
しかし、不動産販売を事業として行う事業者から建物を購入する場合は、消費税が発生します。
ただし、個人所有の建物を個人が購入する場合は、消費税の支払いは発生しません。

不動産の仲介手数料に消費税はかかるのか?

不動産の仲介手数料には消費税がかかります。

不動産の仲介手数料は、サービスの提供にかかる料金として消費税が課せられます。
例えば、不動産の仲介手数料が100万円であった場合、消費税が10%であれば、消費税込の110万円の支払いが必要です。

また、不動産の仲介手数料のみでなく、提供されたサービスに対して報酬を支払う場合には、消費税が発生すると認識しておくとよいでしょう。
具体的には、住宅ローンの手数料や不動産登記を依頼した司法書士への手数料などが該当します。

まとめ:不動産売買における消費税の取り扱い

不動産売買における消費税には、土地と建物の取引によって異なります。
まず、土地の取引においては、売主が事業者であっても個人であっても、土地自体は非課税対象となるため、消費税の支払いは不要です。

一方で、建物の取引においては取り扱いが異なります。
不動産販売事業者から建物を購入する場合には、消費税が必要です。
ただし、個人の建物を個人が購入する場合には、非課税対象となるため、消費税は発生しません。

これらのポイントを理解することで、不動産取引における消費税のルールを正確に把握することができます。
また、不動産取引に伴う様々な手数料には、基本的に消費税の支払いが必要です。

不動産取引に関する税金は複雑であり、専門的な知識が必要となる場合があります。
不動産売買を行う際には、税理士や専門家に相談し、必要な税金を滞りなく納めましょう。

 

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
電子署名/電子サイン/電子印鑑(デジタルハンコ)/脱印鑑(脱ハンコ)/電子文書/電子証明書/電子帳簿保存法など、電子契約にまつわる様々なお役立ち情報をお届けします。

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