「印鑑の一部が欠けてしまった」「文房具店で購入した三文判が余っている」といったような理由で印鑑を処分しなければいけないことは珍しくありません。
また結婚などにより名字が変わったり、社名を変更したりといったケースで、それまで使っていた印鑑は不要となることもあります。
そこで今回は使われなくなった印鑑を正しく処分することの重要性や、どうしても捨てられない印鑑の保管方法などを解説します。
目次
使わなくなった印鑑が捨てられない!?

印鑑はさまざまな場面で使われる身近な道具ですので、気持ち的に捨てられないということもあるでしょう。
また、印鑑は社会的に重要な意味を持ちます。銀行口座の開設や不動産の売買、各種契約など、日常で印鑑が活躍する場面は少なくありません。そのため誤った処分方法では悪用される可能性もあり、正しい処分方法を知っておきたいものです。
実際に印鑑には、正しい処分方法があります。特に注意すべき点は、悪用されないように処分することです。
実印の悪用を防ぐ!正しい印鑑の捨て方
最も注意をしなければいけない印鑑は実印です。実印は役所に届けている重要な印鑑のため、盗まれたり偽造されたりして悪用されることもあります。法人の代表者印(会社実印)や社印(角印)も同様です。
実印の捨て方
個人の実印であれば役所へ、代表者印や社印など法人で利用していた印鑑を処分する際は、登記所(法務局)で印鑑登録を廃止する申請を行うことで、登録していた印鑑が実印ではなくなります。同時に新しい印鑑の印鑑登録を行うと、その後に実印が必要になった時も慌てずに済みます。
銀行員の捨て方
銀行印も悪用されるリスクがあります。銀行印の変更は銀行の窓口で受け付けていますので、銀行印となっている印鑑を処分する前に、新しい銀行印を登録しておきましょう。
その他の方法
実印や代表者印、銀行印以外の印鑑でも、他者の手に渡れば同じ印影が使われるため、何らかの形で悪用される可能性はあります。そのため、ハンコそのものを捨てる方法も知っておくと安心です。
ハンコを捨てる前にするべきことは、印面を削って使えなくすることです。印影が再現できないように印面の数か所を削り、その後は自治体のゴミ出し区分に従って廃棄してください。
気持ち的にゴミとして捨てられない場合でも悪用を防ぐために、印鑑供養を承っている神社に持って行くなど、何らかの形で処分することをおすすめします。
それでも捨てられない…。印鑑の保管方法

どうしても印鑑を捨てられないのであれば、印鑑を手元に置いて保管することになります。
先に述べた通り、印鑑は社会的にとても重要な役割を果たしているため、捨てずに手元で保管する場合でも実印であれば、必ず役所で印鑑登録の廃止手続きをしてください。銀行印も同じく、変更手続きを行ってください。
印鑑登録の廃止手続きをした後の保管では、印鑑ケースに入れることをおすすめします。印鑑をむき出しの状態で保管すると、温度や湿度の変化によってひび割れなどを起こす可能性がありますが、ケースに入れることで防げます。
ただし大切に保管していても、印鑑の盗難や悪用のリスクはつきまといます。そのため印面を削るなどの対策はしておくべきです。
高級な素材の印鑑であれば、印鑑の彫り直しもできます。例えば、まだ使い続けたいのに印面が欠けてしまったといった場合は、お店に持って行って彫り直せるかどうか相談してみましょう。悪用を防ぐことにもつながります。
▶参考:テレワークで注目される電子印鑑の活用メリットを解説
まとめ
印鑑は社会的にとても重要な役割を果たしているため、正しい方法で処分することが大切です。個人の実印や法人の代表者印、社印などの重要な印鑑は印鑑登録を廃止してから処分するなど、悪用されないような対策を取りましょう。また捨てられない印鑑にも盗難や悪用のリスクがあります。
そのため印面を削る、彫り直して使うなどの対応を取るべきです。気持ちがこもっている印鑑だからこそ、処分や保管には正しい処置が必要となります。