【作成動画付き】エクセルスタンプの作成と活用のメリットデメリット
電子印鑑を使って書類に押印する場合、エクセルで作成したスタンプを利用することができます。しかし、この方法には多くのメリットがあるものの、利用にはいくつか注意しなくてはならないポイントも存在します。
ここではエクセルでスタンプを作る方法と、利用時のメリットとデメリットを説明します。
エクセルにスタンプを組み込む方法
電子印鑑を使って請求書などの書類に押印したい場合、エクセル(Excel)やワード(Word)で作成する方法が便利です。こうした電子印鑑はスタンプ(電子印鑑、ハンコ)などと呼ばれています。ここではエクセルでスタンプを作る方法を4つ紹介します。
図形挿入機能で自作する方法
まず、エクセルにある「図形挿入機能」で作成する方法を紹介します。最初にテキストボックスやワードアートで、自身の名字や「回覧」などといった、スタンプとして使用したい文字を入力します。
このとき、名前であれば実際の印影のように縦書きにするのもよいでしょう。文字を好みの大きさに調整し、[挿入]→[図形]と進み、楕円や角丸の四角形を選択します。先ほど書いた文字を囲むように、楕円や四角形を描き、線とフォントを赤や朱色に変更すれば完成です。
また、フォントの書体を明朝体へ変更、余白を狭く調整、テキストボックスの背景を[塗りつぶしなし]に設定して背景を透過、などの作業を追加すると、より印影らしいスタンプができます。なお、作成したスタンプはグループ化をしておくことで、書類上でスタンプを移動させたいときに便利です。
実際に押印した印影をスキャンして取り込む方法
実際の印影をエクセルで電子印鑑として使用することも可能です。まず白い紙に、印鑑で押印します。その紙をスキャナーで画像データとして取り込みます。スキャナーによっては、余分な部分のトリミングや、背景の白い部分を透過してくれる機能を備えたものもありますが、なければ画像編集ソフトなどを使用して、透過画像を作成し保存します。透過画像にできる画像形式には、GIFとPNGがありますが、より高画質なPNGがおすすめです。
作成した印影画像の使い方は簡単です。[挿入]から[画像]を選び、[画像をファイルから挿入]をクリックして、作成した印影画像をエクセルファイルに挿入するだけで利用できます。
エクセルのアドインソフトを利用する方法
エクセルに追加できる小さなプログラム「アドインソフト」にも、スタンプを手軽に利用できるものがあります。さまざまなアドインソフトがありますが、ここでは無料(フリーソフト)で利用できる「Excel電子印鑑」を例に紹介します。
まずアドインソフト「Excel電子印鑑」をダウンロードし、圧縮ファイルに含まれるファイル、「アドインインストール用」をダブルクリックしてインストールします。インストールが終わったら、エクセルのシート上で右クリックすると、表示されるメニューに[Excel電子印鑑]が追加されます。
この[Excel電子印鑑]を選ぶと表示される [印鑑設定]をクリックすると、スタンプとして表示したい「名前」や色、フォントや形が選べます。また、押印時に角度をつける設定もあります。設定が終わったら[OK]をクリックして準備は終了です。実際に押印するときは、右クリックでメニューを開き、[Excel電子印鑑]から[認印押印]や[角印押印]、[ビジネス印押印]をクリックするだけです。
オンラインサービスを利用する方法
オンラインサービスを使って、電子印鑑を作成する方法もあります。Web上で印影を作成後ダウンロードし、画像としてエクセルに挿入して利用ができるサービスです。作り方は大きく分けて2種類あります。
ひとつは、印影をスキャンして作成した画像を、アップロードすると透過画像にしてくれるもの、もうひとつは画面上で文字を入力、書体やサイズ、形状を選んで、それを画像データとして保存できるものです。既に印影をスキャンした画像が手元にあるのであれば前者を、手元に画像や実際の印鑑がない場合は後者を利用するなど、状況に合わせて使い分けると良いでしょう。ここで作成した画像データの使い方は簡単です。 [画像をファイルから挿入]から、作成した印影画像を選択するだけで押印できます。
エクセル文書への押印にスタンプを使うメリット
エクセルでスタンプを作成する方法を紹介してきましたが、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここではエクセルで作成するメリットを2つ紹介します。
印刷の手間が省け、業務効率が向上する
エクセルでスタンプを作ることによって、電子印鑑としての使用が可能になるため、書類を印刷して署名・捺印の手間が省けます。また、電子データでのやり取りになるため書類を郵送する必要もなくなり、業務効率が向上します。どのような手順が減らせるのか、具体的な例を挙げて説明します。
ここでは請求書を例に考えてみましょう。紙の請求書の場合次のような流れになります。まず請求書をエクセルで作成して印刷し、印鑑を使って押印(捺印)します。これを封筒に入れて切手を貼り、郵便ポストに投函するといった流れです。電子化した場合は、請求書をエクセルで作成したら、作成したスタンプを押印します。これをPDF化し、相手にメールで送れば完了です。
無料で手軽に作成できる
エクセルでスタンプを作成する場合、上記で説明したようにエクセルの機能を使えば無料でスタンプを作成できます。
またエクセルのアドインソフトやオンラインツールは、無料で利用できるものがいくつかあります。どの方法でも手軽に作成できますし、一度スタンプを作ってしまえば簡単な操作で押印できるメリットがあります。
また、電子印鑑GMOサインでも無料でご利用いただける電子契約・電子署名のお試しフリープランがございます。詳しくは公式サイトにてご紹介しておりますが、エクセルと同様に電子化での押印が可能なほか、安全性・偽造リスク対策にもなりますので、あわせてご確認ください。
エクセルでスタンプを作るデメリット
簡単かつ無料で作成でき、容易に押印も可能、一見するとエクセルで作成したスタンプはメリットばかりに感じられますが、実はデメリットも潜んでいます。考えなしに全ての書類にこのスタンプで押印してしまうと、トラブルにつながります。
偽造されるリスクがある
エクセルやPDFファイルに押印したスタンプは、簡単にコピーできるため、見た目がまったく同じ印影を第三者が使用できてしまいます。仮に、エクセルファイルをPDFファイルに変換して送付したとしても、エクセルで作成したスタンプは、受け取った相手が悪用しようと思えば簡単に偽造ができてしまいます。
自作のスタンプは証明能力が弱い
エクセルやその他のオンラインツールで作ったスタンプは、偽造リスクの箇所でも解説したように、誰でも同じスタンプを押印することが可能です。このため、誰が押印したかを確認、証明することが困難なため、証拠能力は低いと言わざるを得ません。よって、証拠能力が必須となる契約書などには利用せず、書類の回覧や、請求書などの書類にとどめておくのが良いでしょう。
もし、契約書などに電子印鑑を利用したい場合は、証拠能力があり、高いセキュリティを持った電子契約システムの導入が必要となります。
エクセルで作るスタンプは便利なものの重要書類にはNG
エクセルでスタンプを作成し電子印鑑として利用する方法は、無料で手軽に作れ、使い方も簡単です。印刷や郵送の手間もなくなり、業務効率の向上が期待できますが、偽造が簡単なことから悪用のリスクもあります。
証拠能力も低いため、重要な書類、特に契約書などに利用したい場合は、高い証拠能力とセキュリティを併せ持った電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」の導入を検討しましょう。
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