電子契約を学ぶ

2021年2月2日

2022年7月28日

地方自治法施行規則が改正、自治体も電子契約サービスを選べるように

 

 

2021年1月29日、地方自治法施行規則第12条の4の2第2項が削除、即日施行となり(令和3年1月29日官報第422号)、地方自治体も電子署名法に基づく電子署名を用いて契約を締結できることになりました。これによって地方自治体の脱ハンコに向けた取り組みがさらに加速すると考えられます。

これまで、地方自治体が民間事業者との契約で「脱ハンコ」を検討しても、地方自治法第234条がネックとなって難しい状況でした。地方自治体が民間事業者との契約で電子署名を使用する際は、改ざん検知機能なりすまし防止機能を備えたものであることに加え、総務省令で定める電子証明書を用意する必要があったためです。これは当然に契約の相手方である民間事業者にも求められるわけですが、すべての電子契約サービスに法令に定められた電子証明書機能があるわけではありませんし、費用もかかります。地方自治体では、民間事業者が脱ハンコに向けた取り組みを進めているのにも関わらず、民間で広く使われている電子契約サービスを利用できないという状況が続いていました。

地方自治法第234条(契約の締結)
1~4(略)
5.普通地方公共団体が契約につき契約書又は契約内容を記録した電磁的記録を作成する場合においては、当該普通地方公共団体の長又はその委任を受けた者が契約の相手方とともに、契約書に記名押印し、又は契約内容を記録した電磁的記録に当該普通地方公共団体の長若しくはその委任を受けた者及び契約の相手方の作成に係るものであることを示すために講ずる措置であつて、当該電磁的記録が改変されているかどうかを確認することができる等これらの者の作成に係るものであることを確実に示すことができるものとして総務省令で定めるものを講じなければ、当該契約は、確定しないものとする。
(以下略)
引用:地方自治法|e-Gov法令検索

総務省令を見てみると、所定の電子証明書が必要だったことがわかります。

地方自治法施行規則
第12条の4の2
1.地方自治法第234条第5項の総務省令で定めるものは、総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(平成15年総務省令第48号)第2条第2項第1号に規定する電子署名とする。
引用:地方自治法施行規則|e-Gov法令検索

所定の電子証明書とは以下に挙げられているものです。

総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則
第2条
1.(略)
2.この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)電子署名 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第二条第一項又は電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。
(2)電子証明書 次に掲げるもの(行政機関等が情報通信技術活用法第六条第一項に規定する行政機関等の使用に係る電子計算機から認証できるものに限る。)をいう。

イ 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律第三条第一項に規定する署名用電子証明書

ロ 電子署名及び認証業務に関する法律第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)

ハ 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項の規定に基づき登記官が作成した電子証明書

引用:総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則|e-Gov法令検索

電子署名の認証レベルはいくつかありますが、これまで地方自治体が電子契約を利用するには、国の指定するレベルの電子証明書がある電子契約サービス利用しなければなりませんでした(図の右上にあたるサービスです)。

地方自治体は、認証レベルの高い電子契約サービスを相手方である民間事業者に要求することで取引の公正性や安全性を確保できますが、相手方である民間事業者には負担がかかります。また、すでに所定の電子証明書が発行されない立会人型の電子契約サービスを導入している民間事業者もあるでしょう。価格やサービス内容の競争が進み、より良いものを選びたいというニーズは、地方自治体にとっても同じことでした。

内閣府の第3回デジタルガバメントワーキング・グループ(2020年11月17日)のヒアリングに参加した茨城県も、関連法案の改正に期待を寄せていたことがわかります。

「立会人型電子契約に関する要望を茨城県が国WGで説明」(茨城県のウェブサイト)

これに対して第4回の議事概要(2020年11月24日)では「地方自治体における電子契約において、クラウド型電子書面サービスを可能とするための地方自治法施行規則の改正については、来年1月中を目指して必要な対応を進めていく」とあり(2ページ中段)、これに対応する形で所定の電子証明書を求める地方自治法施行規則第12条の4の2第2項が削除されました。

地方自治体も、電子署名法に基づく電子署名を用いて契約を締結できるようになり、「脱ハンコ」やDX化の取り組みが、よりいっそう加速するものと考えられます。よりよい電子契約や電子署名のサービスを引き続き提供して参りますので、これからも「電子印鑑GMOサイン」をよろしくお願いします。

電子契約・署名は特定認証局もしくは認定認証局が本人確認を行った上で発行する電子証明書と、電子証明書による暗号化、認定タイムスタンプの付与という、3つの要素でセキュリティ対策も万全です。加えて「電子印鑑GMOサイン」ではIPアドレス制限、ワンタイムパスワード、クライアント認証などのセキュリティ対策を講じることができるので、改ざんやなりすましのリスクを最小限に抑えることができます。

また、電子契約や電子署名の法的効力について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。弊社の顧問弁護士である宮内弁護士監修のもと、政府の電子契約・電子署名に対する見解についてわかりやすく解説しています。

デジタル化の流れが加速し、さまざまな業種で電子化できる書類が増えました。業種によっては電子契約を導入することで、ほぼすべての関連書類が電子化でき、大幅なコスト削減業務効率改善が実現できる可能性があります。ぜひ、導入事例もお読みいただき、ご検討いただければ幸いです。

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