金銭消費貸借契約の電子契約は可能なの?
法的根拠についての注意点が知りたい!
結論、金銭消費貸借契約の電子契約は可能です。民法587条の2に基づき、法的に有効な契約として認められています。業務効率やコスト削減につながりますので、ぜひ導入してみましょう。
しかし、金銭消費契約の電子契約には注意点もあります。電子帳簿保存法の要件を遵守することや電子署名およびタイムスタンプを利用して改ざんを防ぐなど、契約書の有効性を担保するための条件も理解しておく必要があるのです。
この記事では以下の内容を解説します。
- 金銭消費貸借契約を電子契約する際の注意点
- 金銭消費貸借契約を電子化するメリット
- 金銭消費貸借契約を電子契約でおこなう流れ
初めての場合はどのように導入したらよいかわからないことも多いと思います。作った契約書が本当に法的根拠を担保されるのか不安な方もいらっしゃるでしょう。
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実際に株式会社神戸物産では、金銭消費貸借契約にGMOサインを利用されています。導入に際して相手方に費用がかからないため、電子化が進んでいるとのことです。(参照:GMOサイン 株式会社神戸物産 導入事例)
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署名位置を設定する
署名してもらう位置を設定します。左側メニューの「署名ボックス(ペンマーク)」を、希望の位置にドラッグ&ドロップで移動させます。署名位置を設置できたら完了画面へ進んでください。
STEP
確認して「送信する」をクリック
送信側の作業はここまでとなります。続いて、相手方の契約締結までの流れをお伝えします。
STEP
メールを確認して「文書を確認する」をクリック
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左側メニューで署名欄を確認し、各箇所に署名を行う
署名の方法は、「テキストで作成(タイピング)」・「画像で作成(アップロード)」・「手書きでサイン」の3つから選択できます。
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すべての署名を行ったら「完了する」をクリック
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手続が完了し、文書のダウンロードが可能になる
相手方の署名が完了すると、送信者側にもメールが届きます。すべてオンライン(スマホでも可)で完結するので、スピーディーに契約を締結させられます。
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※電子署名法に基づく電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の累計送信件数(タイムスタンプのみの契約を除く。主な立会人型電子署名サービスが対象)GMOリサーチ&AI株式会社調べ(2024年12月)
※電子署名法に基づく電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の累計送信件数(タイムスタンプのみの契約を除く。主な立会人型電子署名サービスが対象)GMOリサーチ&AI株式会社調べ(2024年12月)
目次
金銭消費貸借契約とは?
消費貸借契約は民法587条に規定されており、種類、品質および数量の同じ物を返す代わりに金銭、その他の物を受け取れるとするものです。このうち受け取る物が金銭であるものを金銭消費貸借契約といいます。
つまり、金銭を受け取る代わりに、それと同額の金銭に利息を付けて返す契約です。借金やローンがその代表的な例になります。
金銭消費貸借契約の締結を証明するものが金銭消費貸借契約書です。通常、紛失や偽装の防止のため、貸主と借主双方が署名および押印を行い、収入印紙を貼付したものをお互いに1通ずつ保管します。
金銭消費貸借契約について、さらに詳しく知りたい場合は以下の記事もあわせてご覧ください。
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金銭消費貸借契約の電子契約(電子化)は可能?
結論からお伝えすると、金銭消費貸借契約は電子契約(電子化)が可能です。
民法522条2項によると、契約自由の原則により原則として契約はどのような形式でも成立しますが、消費貸借契約のような要物契約は、金銭その他の物を引き渡すことが必要です。ただし、民法587条の2により、書面による消費貸借契約であれば、諾成契約(だくせいけいやく)となり、物の引き渡しは不要となります。
(契約の締結及び内容の自由)
第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。
(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
また、消費貸借契約が電磁的記録(電子契約)によってされた場合は「書面によってされたものとみなす」と明記されています。紙の契約書と同様に電子契約も可能ということです。
(書面でする消費貸借等)
第五百八十七条の二 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。
4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
引用:民法|e-Gov法令検索
したがって、契約当事者双方が納得しているならば、金銭消費貸借契約書を電子化しても問題ありません。
民事訴訟法228条1項では、真正性という要件が満たされていれば、係争時の証拠としても電子契約書が利用できるとしています。金銭消費貸借契約は、電子契約書でも法的証拠力を有するため、安心して導入可能です。
金銭消費貸借契約を電子契約する際の注意点
金銭消費貸借契約を電子契約する際は、以下の点に注意が必要です。
それぞれ解説します。
事前に相手方の承諾を得る必要がある
近年、契約書や法定書面の電子化が進み、多くのケースで紙の書面に代えて電子契約・電子交付が可能となっています。しかし、一部の契約や通知では相手方の事前承諾(事前の同意)を得ることが法律上求められています。
なお、金銭消費貸借契約も事前承諾が必要なケースに該当すると考えられるため、電子契約を行う際は必ず相手方の了承を得ましょう。
スクロールできます
電子契約にあたって事前承諾が必要な書面 | 根拠となる法令 |
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労働条件通知書 | 労働基準法15条1項、労働基準法施行規則5条4項 |
派遣労働者の就業条件明示書 | 労働者派遣法34条、労働者派遣法施行規則26条1項2号 |
下請事業者に交付する書面 | 下請法3条2項 |
訪問販売における申込書面・契約書面 | 特定商取引法4条2項 |
電話勧誘販売における申込書面・契約書面 | 特定商取引法18条2項 |
訪問購入及び預託等取引における申込書面・契約書面 | 特定商取引法58条の7第2項、預託法3条3項 |
特定継続的役務提供における概要書面・契約書面 | 特定商取引法42条4項 |
連鎖販売取引における概要書面・契約書面 | 特定商取引法37条3項 |
業務提供誘因販売取引における概要書面・契約書面 | 特定商取引法55条3項 |
貸金業法の契約締結前交付書面 | 貸金業法16条の2第4項 |
貸金業法の契約締結時交付書面 | 貸金業法17条7項 |
貸金業法の生命保険契約等に係る同意前の交付書面 | 貸金業法16条の3第2項 |
貸金業法の受取証書 | 貸金業法18条4項 |
投資信託契約約款 | 投資信託及び投資法人に関する法律5条2項 |
割賦販売法の契約等書面 | 割賦販売法4条の2、35条の3の22第1項 |
建設工事の請負契約書 | 建設業法19条3項、施行規則13条の4 |
設計受託契約・工事監理受託契約の重要事項説明書 | 建築士法24条の7第3項 |
設計受託契約・工事監理受託契約成立後の契約等書面 | 建築士法24条の8第2項 |
不動産特定共同事業契約書面 | 不動産特定共同事業法24条3項、25条3項 |
不動産売買・交換の媒介契約書 | 宅建業法34条の2第11項、同12項 |
不動産売買・賃貸借契約の重要事項説明書 | 宅建業法35条8項、同9項 |
不動産売買・交換・賃貸借契約成立後の契約等書面 | 宅建業法37条4項、同5項 |
定期建物賃貸借の説明書面 | 借地借家法38条4項 |
マンション管理業務委託契約書、重要事項説明書 | マンション管理適正化法72条6項、同7項、73条3項 |
旅行契約の説明書面 | 旅行業法12条の4第3項、12条の5第2項、施行令1条等 |
電子契約にあたって事前承諾が必要な書面の例
これらの書面を電子化する際には、事前に同意書を用意して、相手方に承諾を得ておきましょう。具体的には、以下のような同意書を作成するのがおすすめです。
事前承諾は必ずしも同意書でなければいけないわけではなく、電子メールなどの方法でも可とされています。
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000160.html
また、以下のような同意事項を記した書面をあわせて用意しておくとよいでしょう。
- 電子化の対象となる書面
- 電磁的記録の提供方法(電子メール形式やファイルダウンロード形式など)
- 活用する電子署名サービス等について
- 相手方にかかるコストの有無について(サービス利用料や通信費など)
- 個人情報保護について
- 注意事項
電子契約の法的効力に関する不安やコストの懸念といった理由で、相手方から同意を得られないと、電子契約を結べません。電子契約を導入する際は相手方への説明もしっかりと行いましょう。
GMOサインの立会人型電子契約(契約印タイプ)では、相手方のアカウント作成やコスト負担がなく、かんたんな操作で契約書の確認から電子署名までが可能です。相手方に向けた操作マニュアルも用意されているので、相手方からの同意を得られやすく、電子契約導入のハードルを下げられます。
GMOサインの導入企業数は350万社以上(※)で、政府機関や大手企業との取引にも多く採用されています。電子契約書の導入をお考えの方は、無料プランのお試しや資料請求を行ってみてください。
※導入企業数は「電子印鑑GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントとする 。 自社調べ(2023年11月)
電子帳簿保存法に従って作成する
電子契約を行う際は、電子帳簿保存法で定められた要件を満たす必要があります。電子帳簿保存法とは、データで契約書や請求書などをやりとりした場合の保存方法を定めた法律をもとにした制度です。電子帳簿保存法では、電子データで契約書を保存する場合の要件として、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つを定めています。
「真実性の確保」とは、契約書の内容が改ざんされていないことを証明でき、以下のいずれかを満たしている状態を指します。
真実性の確保
- タイムスタンプが付与されたデータを受領する
- データを受領後、速やかにタイムスタンプを付与する
- データの訂正や削除を行った場合にその記録が残るシステム、または訂正や削除ができないシステムを使う
- 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定・運用・備え付けをする
「可視性の確保」とは、以下のとおり必要なときに契約書をすぐに確認できる状態を保つことです。
可視性の確保
- システムの概要を記載した書類を備え付ける(自社開発のプログラムを使用する場合のみ)
- 電子保存したデータをすぐに閲覧・出力できるディスプレイやプリンターなどを備え付ける
- 文書を日付や取引先の名前で検索できるようにしておく
真実性と可視性の要件を満たすために、電子帳簿保存法に準拠した電子契約サービスを利用することを推奨します。
改ざんを防げる仕組みを利用する
金銭消費貸借契約を電子契約で行う場合、改ざんを防げる仕組みの導入も必要です。単に契約書をオンラインで送受信するだけでは不十分ですのでご注意ください。契約書の改ざんや不正な変更を防ぐには、おもに以下の対策ができます。
- 電子署名:契約書の内容が契約者本人に承認されたことを示す
- タイムスタンプ:契約書が作成された正確な日時を証明できる
- アクセス制限:文書にアクセスできる人を限定し、権限のない第三者による閲覧や編集を防ぐ
また、契約書のファイル形式はPDFがおすすめです。Wordなど誰でも編集できる状態の文書は、かんたんに改ざんされてしまいます。改ざんが発生すれば、契約相手と「契約内容が違う」と後々トラブルになりかねません。
改ざんを防ぐ対策を講じて契約書の信憑性を保ち、スムーズな取引をしましょう。
貸主が金銭消費貸借契約書を作成する
金銭消費貸借契約書は、貸主が作成することが一般的です。そのため、自身が貸主の場合は以下の点に注意して、契約書を作成する必要があります。
- 契約内容を明確にする
- 関連する法律が改正されていないかチェックする
- 契約の内容を変更できないよう、タイムスタンプや電子署名などを使う
まずは、返済金額や返済時の条件などを明確に記載します。金額や返済期限などを記載しなかったり曖昧にしたりすると、将来的にトラブルの原因となる恐れがあるためです。
関連する法律の最新の改正内容を確認することも必要です。もし、法改正により契約書に記載すべき項目が変更されている場合、改正内容に沿った契約書でないと契約が無効になる恐れもあります。
前述のとおり、契約内容を後から変更していないことを証明するため、タイムスタンプや電子署名も使いましょう。貸主として金銭消費貸借契約書を作成しなければならない方は、かんたんに契約書を作成できるGMOサインをお試しください。
金銭消費貸借契約を電子化するメリット
金銭消費貸借契約を電子化するメリットは以下のとおりです。それぞれ解説します。
スピーディーに手続きできる
金銭消費貸借契約を電子契約で行うことで、契約の手続きにかかる時間を短縮できます。紙の契約書では、以下の作業が必要です。
- 印刷
- 製本
- 押印
- 収入印紙の貼付
- 宛名の記入
- 封入・郵送
上記の作業には時間がかかるだけではなく、「取引相手が契約書の到着に気付かない」「担当者が不在で処理が滞る」などの問題もあります。また、取引相手が自社ではないため、手続きの進捗を把握することも困難です。
一方、電子契約では作業をすべてオンライン上で済ませられます。契約書の作成から署名までスピーディーに処理できるため、書類の往復にかかる時間を削減できます。また、システム上で契約の進捗を可視化できるため、作業の遅延や抜け漏れを防ぐことも可能です。
印刷費や郵送費などが不要
金銭消費貸借契約を電子化すれば、契約にかかるコストを削減できます。紙の契約書では、印刷費や郵送費などの費用が発生します。また、契約書の作成・保管・検索に人件費がかかり、保管スペースの確保なども必要です。
遠方の取引先との契約では対面で契約を行う場合、出張費や交通費といったコストが発生することもあります。
しかし、電子契約ではこうしたコストを削減できます。契約書の作成から締結までをオンラインで完結できるため、印刷や郵送にかかる費用は不要です。
また、契約書をデジタルで保管・管理できるため、保管スペースの確保や書類の検索にかかる手間も軽減できます。経費の削減と業務の効率化を図りたい事業者にも、電子契約はおすすめです。なお、電子契約にかかる費用について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
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印紙税が不要
金銭消費貸借契約の電子化では、印紙税の負担がなくなる点もメリットです。紙の契約書は印紙税法上の課税文書となるため、契約金額に応じて200円~60万円の収入印紙を貼付する必要があります。
特に事業における金銭消費貸借契約では、契約金額が高額になるケースもあり、印紙税の負担も大きくなります。
しかし、電子契約では印紙税がかかりません。印紙税法では課税対象となる文書が「用紙への記載」と定義されているためです。
また、印紙税法に規定する課税文書の「作成」とは、印紙税法基本通達第44条により「単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう」ものとされ、課税文書の「作成の時」とは、相手方に交付する目的で作成される課税文書については、当該交付の時であるとされている。
(中略)しかしながら、注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。
引用:国税庁
電子契約ではデータでのやり取りとなるため、印紙税法の対象から外れて非課税となります。そのため、契約金額の大きな金銭消費貸借契約でも、印紙税にかかるコストを削減できます。電子契約で収入印紙が不要になる背景をさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
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セキュリティの向上につながる
金銭消費貸借契約を電子化すれば、セキュリティも向上します。紙の契約書は紛失や破損のリスクがあるだけではなく、関係者以外に閲覧されてしまうかもしれません。改ざんが行われた場合、会社に大きな損害をもたらす恐れもあります。
電子契約であれば、アクセス権限を細かく設定できるため、契約書の閲覧者を関係者のみに制限することが可能です。また、電子署名やタイムスタンプで契約内容の改ざんを防ぎ、契約の真正性も保てます。
さらに、電子契約システムでは契約書がクラウドやデータベースに保管され、アクセスログや操作ログが記録されます。誰がいつ契約書にアクセスし、どのような操作をしたか把握できるため、万が一情報が漏えいした際もログを確認すれば原因の特定が容易に行えます。
契約内容を確認しやすい
金銭消費貸借契約を電子化することで、契約内容の確認もスムーズになります。紙の契約書の場合、契約内容を確認するためには棚の施錠を解除し、書類の中から該当する契約書を探し出さなければなりません。契約書の量が多い企業では、1枚探すだけでも手間のかかる作業です。
一方、電子契約では契約書がクラウドやデータベースに保管されるため、キーワードですぐに検索できます。必要な契約書をすばやく見つけられるため、契約内容の確認もすぐに完了します。また、電子契約システムでは複数の契約書を横断的に検索することも可能です。特定の取引先との契約履歴を一覧で確認したり、似た契約の内容を比較したりすることもかんたんにできます。
多数の顧客や取引先を抱える事業者は、電子契約を使うことで業務効率アップが図れるでしょう。
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金銭消費貸借契約書には、確定日付の付与を行うことが多々あります。(※おもに住宅ローン契約時など)
確定日付とは?
確定日付とは、文字どおり、変更のできない確定した日付のことであり、その日にその証書(文書)が存在していたことを証明するものです。公証役場で付与される確定日付とは、公証人が私書証書に日付のある印章(確定日付印)を押捺した場合のその日付をいいます。
出典:日本公証人連合会
確定日付取得は電子契約によって契約を締結した場合にも行うことが可能で、各公証役場および電子確定日付センターで申請を受け付けています。手続きが完了した電子データは、XMLファイル、XSLファイルおよびPDFファイルが一つにまとまった電子公文書(zipファイル)として返送されます。
このzipファイルの一部を取り出したり、フォルダ名やファイル名を変更したりすると、電子公文書としての有効性が失われるため注意しなければなりません。
GMOサインでは、電子公文書をzipファイルのまま本来の契約書データと紐づけて一元管理できる「補足資料ファイルのアップロード機能」を提供しています。
電子契約サービスによってはzipファイルの保管に対応していないケースもあります。これまで電子契約利用時にzipファイルを別途保管しなければならない点が不便だと感じていた方は、ぜひこの機会に電子印鑑GMOサインをご検討ください。
金銭消費貸借契約を電子契約で行う流れ
金銭消費貸借契約を電子契約で行うときは、以下の流れで進めます。
STEP
契約書をPDFに変換する
金銭消費貸借契約書を電子契約で締結するには、まず契約書データをPDF形式で用意する必要があります。
手元に紙の契約書がある場合は、スキャナーを使ってPDF化します。スマホのスキャンアプリを使えば、スキャナーがなくてもPDFへの変換が可能です。
WordやExcelなどのソフトで作成した文書もPDFに変換できます。PDFとして保存やエクスポートできる機能が、各ソフトに搭載されているので利用しましょう。
STEP
PDFを電子契約システムで読み込む
電子契約を締結するには、PDFファイルを電子契約システムにアップロードする作業が必要です。
まずは「電子印鑑GMOサイン」などの電子契約サービスでアカウント登録を行いましょう。その後、画面上のアップロードボタンをクリックするか、ドラッグ&ドロップなどでかんたんにPDFを取り込めます。
STEP
電子契約システムで金銭消費貸借契約書を作成する
電子契約サービスで契約書をアップロードしたら、システム内の機能を使って電子署名を行います。相手方とのやり取りもオンラインで完結するため、紙の契約書と比べて手続きにかかる時間の短縮が可能です。
ただし、相手方に導入費用がかかってしまうシステムを選ぶと、相手から同意が得られずに電子化できないことも考えられます。
「GMOサイン」の立会人型電子契約(契約印タイプ)では、相手方のアカウント作成やコスト負担がなく、かんたんな操作で契約書の確認から電子署名までが可能です。無料のフリープランをぜひお試しください。
GMOサインでの契約書の作り方と締結までの流れ
GMOサインは直感的に操作できるインターフェースで、かんたんに電子契約書の作成と送付が可能です。ここでは、実際の操作画面を見ながら、契約の締結方法をお伝えします。
送信する側のフロー
- ログインして「契約書を締結」をクリック
- 「ファイルを選択」をクリック
- 署名者情報を入力する
- 署名位置を設定する
- 確認して「送信する」をクリック
- 「続けて自分で署名」をクリック
- 署名位置をクリック
- 左側メニューで署名欄を確認し、各箇所に署名を行う
- 電子署名が入ったことを確認して「完了する」をクリック
相手方のフロー
- メールを確認して「文書を確認する」をクリック
- 左側メニューで署名欄を確認し、各箇所に署名を行う
- すべての署名を行ったら「完了する」をクリック
- 手続きが完了し、文書のダウンロードが可能になる
あわせて13ステップで解説します。
STEP
「ファイルを選択」をクリック
PDF資料をアップロードします。よく使う契約書をテンプレート登録しておくと、テンプレートの選択も可能です。
STEP
署名者情報を入力する
自社署名者と送信先署名者を複数人設定できます。
STEP
署名位置を設定する
自社署名欄と送信先署名欄の位置を設定します。左側メニューの「署名ボックス(ペンマーク)」を、希望の位置にドラッグ&ドロップで移動させます。署名位置を設置できたら完了画面へ進んでください。
STEP
左側メニューで署名欄を確認し、各箇所に署名を行う
署名の方法は、「テキストで作成(タイピング)」・「画像で作成(アップロード)」・「手書きでサイン」の3つから選択できます。
STEP
電子署名が入ったことを確認して「完了する」をクリック
これでPDFファイルに電子署名を入れることができました。送信側の作業はここまでとなります。
以降は相手方での署名の方法と締結までの流れです。このままGMOサイン上の指示に従って送信を行います。
STEP
メールを確認して「文書を確認する」をクリック
STEP
左側メニューで署名欄を確認し、各箇所に署名を行う
署名の方法は、「テキストで作成(タイピング)」・「画像で作成(アップロード)」・「手書きでサイン」の3つから選択できます。
STEP
すべての署名を行ったら「完了する」をクリック
STEP
手続きが完了し、文書のダウンロードが可能になる
相手方の署名が完了すると、送信者側にもメールが届きます。すべてオンライン(スマホでも可)で完結するので、スピーディーに契約を締結させられます。
GMOサインの登録はかんたん3ステップで完了しますので、ぜひ利用してみてください。
金銭消費貸借契約に関するよくある質問
ここでは、金銭消費貸借契約に関するよくある質問に回答します。
個人間の金銭消費貸借契約でも電子契約は可能?
個人間で行う金銭消費貸借契約においても、電子契約での締結が可能です。日本の法律では契約の自由が認められており、契約を結ぶ当事者同士の合意があれば、契約の方法は問われません。
そのため、個人間の契約であってもお互いが了承していれば、口頭や書面だけではなく電子契約での締結も有効です。たとえば、友人や知人からお金を借りる際の契約も、電子契約サービスを使って締結できます。
無料で使える借用書のテンプレートはある?
「借用書」のテンプレートは以下のとおりです。
借 用 書
私、○○○○(借主)は、△△△△(貸主)様より、下記の金額を借用いたしました。
借用金は下記の返済期日までに、確実に返済いたします。
借用金額: 金○○○○○○円也
借用年月日: ○○○○年○○月○○日
返済期日: ○○○○年○○月○○日
返済方法: 一括返済 / 分割返済(毎月○○日に○○○○円)
利息: 年○○%(利息の有無や率は当事者間で決定)
返済先: ○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○○○○
口座名義 △△△△
特記事項:
(必要に応じて、担保や保証人、遅延損害金などの条件を記載)
上記の通り相違ありません。
○○○○年○○月○○日
借主 住所:
氏名: 印
※本書は1通作成し、貸主が原本を保管するものとします。借主は本書のコピーを保管するものとします。
なお「金銭消費貸借契約書」のテンプレートは以下のとおりです。
金銭消費貸借契約書
貸主○○○○(以下「甲」という)と借主△△△△(以下「乙」という)は、金銭の貸借に関し、以下のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。
第1条(貸付および弁済)
甲は乙に対し、金○○○円也(以下「貸付金」という)を貸し付け、乙はこれを借り受けた。
第2条(利息)
1. 貸付金の利息は年○○%とする。
2. 利息の計算方法は、1年を365日とする日割計算とする。
第3条(返済方法)
1. 乙は甲に対し、貸付金を○○年○○月○○日までに一括して返済するものとする。
2. 返済は、甲の指定する銀行口座への振込みによって行うものとする。
第4条(期限の利益の喪失)
乙が次の各号のいずれかに該当したときは、甲の通知催告を要せず、乙は当然に期限の利益を失い、直ちに貸付金の全額を返済しなければならない。
(1) 本契約に基づく債務の履行を怠ったとき
(2) 破産、民事再生、会社更生、特別清算のいずれかの申立てがあったとき
(3) 差押え、仮差押え、仮処分の申立てを受けたとき
第5条(遅延損害金)
乙が本契約に基づく債務の履行を遅滞したときは、支払うべき金額に対し年○○%の割合による遅延損害金を支払うものとする。
第6条(契約の変更)
本契約の内容を変更する場合は、甲乙協議の上、書面による合意によってのみ行うことができる。
第7条(合意管轄)
本契約に関して紛争が生じたときは、○○地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各1通を保有する。
○○○○年○○月○○日
甲 住所
氏名 印
乙 住所
氏名 印
上記のひな形は基本的な内容を含んでいますが、実際の契約では、担保設定、保証人、期限前弁済、相続、反社会的勢力の排除など、追加の条項が必要になる場合があります。また、貸金業法など関連法規を遵守することも必要です。
金銭消費貸借契約書の作成に関して詳しくは、弁護士など法律の専門家へ相談することをおすすめします。
電子化された借用書は法的に有効?
電子化された借用書も法的に有効です。民法第587条の2では以下のとおり、電子文書として作成された借用書も、紙の契約書と同じ効力を持つ旨が記載されています。
消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
引用:民法第587条の2
電子契約でも、電子署名法第3条に規定する電子署名があれば、紙文書における署名や押印と同様の推定効がはたらくと考えられています。そのため、当事者間で電子契約を行うことに合意があり電子署名がされていれば、裁判などでも証拠として扱うことは十分に可能です。
PDFの金銭消費貸借契約書に印紙は必要?
PDFで作成した金銭消費貸借契約書には、印紙を貼付する必要がありません。印紙税法では、印紙を貼る必要がある文書は「用紙への記載」と定められているためです。
PDFなどの電子形式で作成された契約書は印紙税の課税対象ではないため、電子契約を使えば紙の契約書では必要になる印紙税を節約できます。
PDF化した契約書を印刷して契約の締結を行う場合は、印紙の貼付が必要となります。
金銭消費貸借契約の電子化には「電子印鑑GMOサイン」がおすすめ
金銭消費契約は電子契約が可能です。しかし、電子帳簿保存法の要件を遵守することや電子署名やタイムスタンプを利用して改ざんを防ぐなど、契約書の有効性を担保するための条件もあるので、導入する際は注意が必要です。
金銭消費契約を電子契約で行う際には、電子契約サービスの利用をおすすめします。なかでもGMOサインは、導入企業数、契約送信件数ともに国内No.1(※1,2)を誇る電子契約サービスですので、安心して利用できます。
GMOサインでは、契約の種類によってタイプの使い分け(立会人型電子署名or当事者型電子署名)が可能です。通常の契約には契約印タイプ(立会人型)を使用し、金銭消費貸借契約など実印が必要となるような高い証拠力が要求される契約時は実印タイプ(当事者型)を使用するのがおすすめです。
お試しフリープランも用意しており、月に5通までの送信であれば無料で行えます。最初は無料で始めて、契約数が増えたら有料プランに変更することも可能なので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
※1, 導入企業数は「電子印鑑GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントする。自社調べ(2025年1月)
※2, 契約社数「350万社」(複数アカウントをご利用の場合、重複は排除)。自社調べ(2025年1月)