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企業が人材を募集する際には、基本的に人事や面接を担当した社員や役員が採用を判断するでしょう。しかし、企業によっては採用活動で社内稟議という意思決定プロセスが使われるケースがあります。
そこで本記事では、社内稟議の概要と採用活動における社内稟議の手続きなどを解説します。
社内稟議とは、あらゆる職位の社員から提出された業務に関する意見から、実行に関して承認限者や決裁権者の役職者から承諾してもらうための手続きです。一般的には、複数の承認者から承認を得た上で、最終的に決裁権者に決裁を求める必要があります。
主に社内稟議は以下のようなプロセスで行われます。
順序 | 段階 | 内容 |
---|---|---|
① | 起案 | 起案者が立案・提案・申請等を行う |
② | 承認 | 下位職位者からの稟議について異議がない旨を示し、決裁権者に回す |
③ | 決裁 | 決裁権者が会社としての最終的な意思決定を行う |
社内稟議の例を下表にまとめましたので、ご覧ください。
対象 | 社内稟議の種類 | 社内稟議の例 |
---|---|---|
対外的手続き | 契約の締結 | ・業務委託契約 ・保守契約 ・不動産賃貸借契約 ・工事請負契約 |
物品やサービスの購買および発注 | ・製品の購入 ・サービスの購入 ・工事の発注 | |
社内的手続き | 社員の採用や人事異動、昇格 | ・社員の採用 ・人事異動 ・役職の昇格 |
出張や接待交際 | ・出張旅費 ・顧客への接待費 ・セミナーや講習会の参加費 |
人材採用においても、社内稟議による承認が必要なケースがあります。具体的には、以下の2つが挙げられます。
・求人の募集
・採用の決定
それぞれ詳しく解説します。
採用活動には、求人の募集が欠かせません。そのためには、以下の6つの方法が挙げられます。
・ハローワークへの求人票の掲載
・企業合同説明会への参加
・転職サイトへの募集広告の出稿
・人材エージェントへの委託
・自社HPにおける採用情報の掲載
・新聞やフリーペーパー、チラシへの募集広告の掲載
それぞれ必要なコストや集まりやすい人材の種類が異なりますので、自社に合った方法を選ばなければなりません。
そのためには採用計画の立案段階で、
①どのような方法で
②どれだけのコストを掛けて
③どのような人材を採用するのか
の3点を考えてから、社内稟議に提出しましょう。
書類選考や入社試験、面接などの選考プロセスを経て、採用の候補となる人材が決まった場合でも、採用内定を通知する前に社内稟議が必要なケースがあります。
この場合には、
①どのような人材を
②どのような理由で
③どのような条件で採用するのか
の3点を明確にしてから、役職者から承諾してもらいましょう。
社内稟議書には、記載すべき点など作成する際に重要となるポイントがあります。本章では採用における社内稟議書の作成方法をまとめましたので、ご覧ください。
求人の募集における社内稟議書では、以下のポイントを記載することをおすすめします。
まずは新しい人材を募集する理由が必要です。退職による欠員や事業拡大のための増員、会社の安定に役立つ人材の確保など理由はケースによって大きく異なりますので、必ず記載しましょう。
社内の部署ごとに希望する人材をヒアリングして、採用と配属でミスマッチがないように調整することも必要です。
入社してすぐに実務ができる即戦力を求めているのか、育成して将来的に戦力となる人材を求めているかなど人材に求めている内容を明確にしましょう。
採用で必要なコストを見積もって算出しておきましょう。人材を集める方法によって、かかるコストは無料~数十万円と幅が広いので、自社に合った方法を選びましょう。
採用計画に基づき、最適な募集方法を立案します。求める人材の種類やかけられるコストによって募集方法は大きく異なりますので、それらの点を先に決めておくことをおすすめします。
採用の決定における社内稟議書では、以下のポイントを記載することをおすすめします。
対象となる人材の住所や氏名、年齢などの情報を記載します。特に年齢や家族構成は入社後の待遇に関わるケースが多いので、会社の給与体系や福利厚生、社会保険といった実務的な観点から必要な情報を伝えましょう。
その人材が持つ経験や専門知識を記載します。専門性が高い業務では、保有資格が重要な判断基準となりえますので必ず記載しましょう。
会社の人事規定や給与体系など待遇に関する条件も必要です。人材に関する情報や保有資格などによって適切な待遇が決定しますので、それらの点に鑑みて条件を考えましょう。
担当者の主観だけで採用を決めないために、採用候補者の履歴書や職務経歴書の記述内容、面接の受け答えなどの内容を記載して、客観的に評価します。社内稟議では、多くの役職者の意見を参考にできますので、理由はできる限り詳細に記載して評価してもらいましょう。
採用における社内稟議書には、役職者に承認・決裁してもらうためのポイントがあります。他の社内稟議書でも使えるポイントもありますので、ぜひチェックしてください。
まず起案者の結論から記載して、その結論に至った理由を説明する点が重要です。他の社内稟議書でも結論ファーストで書けば、承認権者や決裁権者などの役職者に内容がわかりやすく伝わるでしょう。
人材の採用に関しては、「なぜその人物でなければならないか」を説明する必要があります。そのためには、担当者の主観だけではなく、他の候補者や過去の採用者、現在所属する人材と比較して採用すべき理由を挙げましょう。
優秀な人材の採用は、企業の安定した経営とさらなる成長のために欠かせません。しかし、優秀な人材はどの企業も欲しがるため、採用するためにはそれなりのコストがかかるケースもあります。
そのため採用における社内稟議書では、役職者が人材の採用を「コスト」ではなく「投資」と考えられるような説得力を持たせる内容が必要です。他の社内稟議書でも、役職者を説得するために自社にとってプラスになる理由を記載するようにしましょう。
本記事では、社内稟議と採用活動における活用法などについて解説しました。企業が人材を採用するための意思決定には、直接候補者と顔を合わせる担当者の主観だけでなく、客観的な評価や企業にとってのメリットを整理することが大切です。
電子印鑑GMOサインでは、採用を含むあらゆる社内稟議をワークフローシステムに組み込んで活用できます。承認者を設定して承認フロー機能を整備すれば、稟議の手続きを踏んで採用や契約など重要な意思決定を行えるようにできるのです。
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