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遅延損害金とは?利息との違いは何?上限利率や計算方法をわかりやすく解説!民法改正の影響についても紹介

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借金の返済期日になっても返済ができなかった場合、延滞損害金を請求されます。

遅延損害金は、約束を守れなかったことに対するペナルティとして貸付を行った側に支払われる金銭です。

遅延損害金は、無制限に許されるわけではなく、上限が定められています。そのため、遅延損害金の上限利率と計算方法を知っておくことは大切です。

また、最近、遅延損害金に関する民法が改正されましたが、その影響についても見ていきましょう。

目次

利息との違い

遅延損害金と利息とはどこが違うのでしょうか。両者の大きな違いは、遅延損害金は、契約書に記載がない場合でも請求ができる点です。利息の場合は、債務者に対する貸し付けの対価となるもので、契約書に利率や支払い期間などを定めておく必要があります。

一方、遅延損害金の場合は、契約通りに返済できなかったことに対するペナルティなので、契約書がなくても請求することが可能です。

民法改正の影響

最近の金利動向を反映して、2020年4月に民法が改正され、遅延損害金(遅延利息)の法定利率が引き下げられて変動制が導入されました。改正前の民法では、一般の取引に適用される民事法定利率が年5%、 商行為で生じた債務に適用される商事法定利率が年6%でした。

しかし、この利率は市中金利を大きく上回るものであり、明治時代に民法や商法が制定された当時のままでした。そこで、改正民法では、商事法定利率を廃止して、法定利率を一律3%とし、その後、3年ごとに1%単位で見直されることとなったのです。(民法404条)つまり、法定利率は固定されず、一定期間ごとに変動する可能性が生じました。

遅延損害金の上限利率

個人間のお金の貸し借りなどで遅延損害金を取り決めなかった場合、遅延損害金は法定利率によることになります。遅延損害金の利率は利息よりも高いのが一般的です。たとえば、利息制限法によると一般的な貸金業者の場合、遅延損害金の上限利率は年20%となっています。金融業者ではない一般の企業から借りた場合は、金額にかかわらず上限利率は年14.6%とされています。

上限利率を超えた利率の設定は、たとえ契約書などで合意があったとしても無効です。

計算方法のシミュレーション

遅延損害金の計算式は以下のとおりです。

遅延損害金=借入額×年率×滞納日数÷365日

滞納している借入額に、契約で取り決めた年率を乗じ、さらに滞納日数を乗じたものを365日で除します。

たとえば、借金額が200万円で、遅延損害金20%、15日間滞納した場合、

200万円✕20%✕15日÷365日=16,438円

また、25日延滞した場合は以下のようになります。

200万円✕20%✕25日÷365日=27,397円

遅延損害金は、通常の利息よりも高く設定されており、借入金が大きくなるほど、また、返済が遅れるほど大きくなります。遅延損害金が未払いのままだと、借金額はどんどん膨れあがってしまうので注意が必要です。

遅延損害金を放置するとどうなる

遅延損害金を放置するとどのような結果を招くのでしょうか。

信用情報に掲載される

遅延損害金の支払いを2~3カ月以上延滞すると、貸金業者のデータベースに滞納者としての情報が登録されてしまう可能性があります。貸金業者は、金銭消費貸借契約の締結にあたってこの信用情報を参照します。そのため、事故情報が掲載されていると新規のクレジットカードの新規作成や借入はできなくなってしまいます。

強制執行に発展する

延滞が継続すると、最悪の場合、給与の差し押さえなどに発展する可能性があります。また、期限の利益を喪失して借金全額の一括返済が求められる場合もあるでしょう。

期限の利益とは、借金の場合であれば、期限到来まで債務を弁済しなくても良い利益のことを指します。ただし、常に期限の利益を享受できるわけではなく、借金返済が滞れば、ただちに借金全額を返済しなければなりません。

それでも返済できない場合、貸金業者は民事訴訟を提起します。そして、この訴訟に敗訴すれば強制執行に発展します。その結果、資産や給与を差し押さえられてしまうわけです。

遅延損害金の対処方法

請求された遅延損害金の未納が続けば、強制執行につながる場合があります。遅延損害金を請求された場合の対処方法を考えてみましょう。

可能な限り早く返済する

遅延損害金を請求されたら、可能な限り早く返済するのが最良の方法です。遅延損害金を放置しておくと、支払総額はどんどん膨れ上がってしまいます。

最低弁済額のみ支払う

全額返済が難しい場合は、借入先に連絡して最低弁済額だけでも支払う方法を選択しましょう。ただし、最低弁済額は利息部分から充当されることが多く、元金には充当されませんので長期的な解決とはなりません。

借入先に相談する

最低弁済額の支払いも難しい場合は、借入先に相談し、支払う意思があることを伝えるとともに、返済方法や返済金額の見直しを打診します。返済方法の見直しを受け入れてもらえても、毎月の返済額を少なくしたり、返済期間を長期化したりすると、利息が増えてしまいます。結果として、支払総額が大きくなってしまうことは受け入れなければなりません。

根本的解決をはかる

返済のめどが立たない場合は、借金自体の根本的な解決をはかる必要があります。

家計を見直す

家計を見直し、無駄な支出を減らすようにします。たとえば、携帯料金のプランを変更したり、不要な保険の解約をしたり、家賃の安いところに引っ越したりすることを検討しましょう。家計簿に費用支出を書きとめ、遊興費や嗜好品費用など、節約できる部分はカットします。

カードローンやリボ払いにおける返済金の多くは利息に充当されるので、元金はなかなか減りません。元金充当分を増やしてできるだけ返済期間を短くするようにしましょう。

家族や友人に支援してもらう

借金問題の解決手段としては、家族や親しい友人に打ち明けて支援してもらう方法もあります。しかし、返済のために新たに借金をするのは禁物です。雪だるま式に借金が増えてしまうのは火を見るより明らかです。

債務整理

どうしても返済ができない場合は、債務整理を検討する必要があります。借金を減額、免除するために国から認められた救済制度が自己破産、任意整理、個人再生の3つの方法です。それぞれの債務整理のメリット・デメリットを見ていくこととします。

任意整理

借金の返済が厳しい場合、利息や遅延損害金の部分から免除が可能です。債権者と交渉をして、将来利息のカットや長期分割弁済などの和解を成立させ、支払いを楽にする手続きのことを任意整理といいます。

3~5年での返済が条件となりますが、すべての債務整理の手続きの中で最もよく利用される方法です。個人再生や自己破産は元金部分の減額を含む債務整理ですが、任意整理はまず将来発生する利息が債務整理の対象となります。

任意整理のデメリットは、原則的に利息部分のみの減額であり、大幅な減額は難しい点です。また、3~5年での返済が難しい場合は債権者に交渉に応じてもらえない可能性があります。

さらに、信用情報に事故情報が掲載されるため、クレジットカードの新規作成や新たな借金が困難です。任意整理が認められるためには、安定した一定の収入が必要であるとともに、返済の意思と誠実な対応が求められます。

自己破産

返済のめどは全く立たない場合は自己破産の選択肢があります。自己破産とは、裁判所が認めることによって債務が全額免除となる制度です。

債務が全額免除となるのは大きなメリットですが、デメリットもあります。たとえば、手続き中は特定の職業に就くことができませんし、自己破産の事故情報が信用情報に掲載されます。

また、原則、全資産が処分されてしまいます。さらに、自己破産には免責不許可事由があります。たとえば、ギャンブルや浪費などが原因の借金は免除が認められません。とはいえ、実情としては、1回目の自己破産の場合などは免責不許可事由に該当するものでも免除となるケースがほとんどです。

個人再生

自己破産を希望しない場合は個人再生も選択できます。個人再生とは、裁判所を介して借金を約5分の1に減額することができ、残額を原則3年で返済する債務整理手続きです。

借金の元金も含めて減額できる点が個人再生の特徴です。住宅ローン特則を使えば、住宅ローンの残る自宅を処分することなく住み続けることができます。また、自己破産のような免責不許可事由もありません。

しかし、減額できたとはいえ、借金は返済しなければならないので、安定した収入があることが条件となります。

一刻も早く遅延損害金の解消を

遅延損害金は延滞したことへのペナルティとなるもので、利率も高いためそのまま放置しておくと、借金が膨れ上がってしまいます。当記事を参考にして、遅延損害金は一刻も早く返済して借金を解消するべきです。

民法が改正され、遅延損害金の法定利率も変動制となりました。そのため、現在の遅延損害金の利率を常にチェックする必要もあります。返済が厳しい場合は家計の見直しをしたり、家族の支援を求めたりして借金完済に向けた計画を立てましょう。

返済のめどがつかない場合は、債務整理も視野に入れましょう。メリット・デメリットを考慮しなければなりませんが、適切な債務整理の方法を選択すれば、借金問題の解決につながります。対応に悩んでいる場合は、一刻も早く弁護士などの専門家に相談して打開策を打ち出すことも必要です。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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