電子印鑑をPDFに入れる4つの方法|Adobe Acrobat Readerや電子契約サービスを使った無料の方法を解説


無料でかんたんにPDFに電子印鑑を押す方法はある?
電子印鑑を使った書類は法的に有効?
電子印鑑になりすましや改ざんのリスクはない?
実は、電子印鑑には種類があり、画像として貼り付けただけの印影は法的証拠力が十分ではありません。適切な方法を選ばないと、後々トラブルになる可能性があるのでご注意ください。
この記事では、PDFに電子印鑑を入れる4つの方法と、それぞれのメリット・デメリット、法的有効性について詳しく解説します。
- Adobe Acrobat Readerを使った方法(一部無料)
- Word・Excelで作成した印影を貼り付ける方法
- 無料ツールやアプリを活用する方法
- 電子契約サービスを利用する方法(無料プランの活用)
- それぞれの方法の法的証拠力や向き不向きの違い
契約書類など重要な文書では、なりすましや改ざんのリスクを避け、法的証拠力を確保した方法を選択する必要があります。そのため、より安心して契約を結ぶためには、電子契約サービスを使った電子印鑑の挿入がおすすめです。
電子契約サービスなら、単なる印影の画像と異なり、電子署名技術による本人性と非改ざん性が保証されます。なかでも電子印鑑GMOサインは、電子署名法に準拠したサービスで、裁判でも証拠として認められる高い法的証拠力を持つ電子契約が可能です。
- 電子署名法に準拠した高い法的効力
- タイムスタンプ機能により、いつ誰が署名したかを証明
- 直感的な操作画面で、はじめての方でも使いやすい
- 厳重なセキュリティ体制で情報を保護
- 契約書の作成から管理まで一元化できる
- 月5件までの利用なら無料で利用可能
GMOサインにはお試しフリープランもあり、月5件までの契約書の送信が可能です。ビジネスシーンでも利用できる法的証拠力のある電子印鑑を無料で入れられるので、ぜひGMOサインを試してみてください。
電子印鑑とは?PDFの契約書に必要?
まずは電子印鑑の基本的な知識と、PDFで作成された書類には必ず押さなければならないのかどうかについて解説します。
電子印鑑とは?電子署名との違い

電子印鑑とは、今まで紙に押していた印鑑の代わりに、パソコンやスマホなどの電子データ上で使える印鑑のことを指します。WordやPDFなどの電子文書に押印できるため、業務効率化に貢献する技術として注目されています。
似た概念に電子署名というものが存在しますが、電子署名は暗号技術を用いて文書の改ざん防止と本人確認を実現する仕組みのことです。
実は電子印鑑にも、電子署名技術と組み合わせることで高い証拠力を持つタイプが存在します。このような電子印鑑は、見た目は従来の印影でありながら、背後で暗号技術による本人認証と改ざん検知機能を備えているのが特徴です。
業務の性質や契約の重要度に応じて適切なタイプは異なるため、使用する際は注意が必要です。
電子印鑑をPDFに入れることは法的に必要?
PDFに電子印鑑を入れる作業は、必ずしも法律で義務付けられているわけではありません。日本の民法では「契約は口頭でも成立する」とされており、契約書そのものや署名、電子印鑑はあくまで契約の証拠力を補強する手段として用いられます。そもそも印鑑の有無は契約の成立要件ではないのです。
ただし、日本のビジネス慣習では印鑑が重視される傾向が強く残っています。取引先によっては、印影がない契約書を受け入れてもらえないケースもあるでしょう。また、トラブルが発生した際の証拠力という観点では、印鑑があることで「確かに合意した」という事実を示しやすくなります。
電子印鑑をPDFに入れる際は法的有効性の有無に注意

電子印鑑は大きく分けて以下の2種類に分かれ、それぞれ法的証拠力に差があります。
- 印影を画像化しただけのもの
- 電子署名とタイムスタンプを併用したもの
印影を単純に画像化したものは、見た目こそ印鑑ですが、複製や改ざんが容易なため、裁判などでの証拠力は弱いといわざるを得ません。社内文書や簡易な確認書類であれば使用しても問題ありませんが、対外的な契約には不向きでしょう。
一方、電子署名やタイムスタンプと連携した電子印鑑は、強い法的証拠力を持ちます。押印時刻の証明や文書の改ざん検知、押印者の特定といった機能により、紙の実印に匹敵する信頼性を実現しているのです。金銭貸借契約や不動産取引、ビジネス上の重要な契約には、このタイプの電子印鑑を使うのがおすすめです。
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自社の業務にあった電子印鑑はどれ?目的別に選び方を解説

電子印鑑には法的証拠力の強さが異なる2種類のものがあることをお伝えしました。目的別に適切な電子印鑑は以下の表をご覧ください。
用途やケース | おすすめの電子印鑑の種類 | 該当する対象書類の例 |
法的証拠力が必要なケース | 電子契約サービス (例:電子印鑑GMOサイン) | 売買契約書、業務委託契約書、 賃貸借契約書(不動産)、 雇用契約書、労働条件通知書、 秘密保持契約書(NDA)、 金銭消費貸借契約書、 取引基本契約書、 代理店契約書、 ライセンス契約書 |
法的証拠力が不要なケース | WordやExcelで作成・挿入、 無料ツールで作成、 Adobe Acrobat Readerなど | 見積書、請求書、納品書、 発注書、注文請書、 在職証明書、退職証明書、 各種申請書(補助金、助成金など)、 同意書、承諾書、 社内稟議書、報告書、 会議議事録の確認印、 出勤簿、タイムカードの承認印、 経費精算書の確認印、 社内回覧文書、 研修受講証明書、 イベント参加申込書、 アンケート回答書 |
表内はあくまで目安であり、同じ書類でも目的や取引先とのルールにより使用すべき電子印鑑が異なるため、ご注意ください。
4つの方法それぞれの手順や使い方については、次の章で詳しくご紹介します。
PDFに電子印鑑を押す方法4選(無料あり)
PDFに電子印鑑を押す4つの方法について、それぞれ詳しく解説します。「電子契約サービスを利用する方法」については基本的に有料になりますが、無料で利用できる方法もあるため参考にしてください。
➀Adobe Acrobat Readerを使う
Adobe Acrobat Readerを使えば、無料でかんたんに電子印鑑を作成して、PDFに押印できます。基本的な手順は次のとおりです。
右側の「ツール」から「電子サインを依頼」を選びます。

画面左側の「自分で入力して署名」の「署名を追加」をクリックします。印影風の画像をお持ちの場合は、画像をアップロードして挿入できます。また、署名風にしたい場合は、画面上で自身の氏名を記載することも可能です。適用後は、PDF上の任意の場所にドラッグしてサイズを調整しながら配置できます。

以上の方法でかんたんに電子印鑑を挿入できます。あとはダウンロードして、相手方に送信しましょう。
なお、本人証明を付与したい場合には、デジタルIDを取得または、認証局で取得した電子証明書の設定が必要です。Acrobat Reader を開き「編集 ▶ 環境設定 ▶ 署名 ▶ IDと信頼済み証明書 ▶ 詳細」を選択してください。「デジタルIDと信頼済み証明書の設定」画面で「デジタルID」タブを開き「+」から「新しいデジタルIDを作成」または「追加(取り込み)」をクリックすると設定できます。
②WordやExcelで作成した印影をPDFに貼る
WordやExcelを使えば、図形やテキストを組み合わせて、手軽に電子印鑑を作れます。作った印鑑は、スクリーンショットや「画像として保存」機能で画像ファイルにしましょう。背景が白い場合は、画像編集ソフトなどで白色を透明にしてPNG形式に変換しておくと、PDFに貼り付けたときにきれいに表示されます。
その後、PDF編集ソフト(Adobe Acrobat Reader等)で該当のPDFを開き、「画像の挿入」機能から印影画像を配置します。サイズを調整すれば、まるで紙に押印したように見せられるでしょう。
ただし、この方法はあくまで「画像の貼り付け」にすぎず、本人確認や改ざん防止機能は備わっていません。そのため、社内での確認用や形式的に電子印鑑を残したい場合には便利ですが、契約書や外部との取引文書には不向きです。
③無料ツールやアプリを使う
テキストを入力するだけでかんたんに電子印鑑を作成できるツールを使うという手段もあります。たとえば「職印くん32」「クリップスタンプ」などの無料ツールでは、名前を入力するだけで、丸印や角印風の印影を生成できます。
これらのサイトで電子印鑑を作成し、PDF編集機能を持つアプリやツールで書類を開きましょう。あとは作成した画像を挿入し、挿入したい場所に配置するだけです。
無料で手軽に導入できる点が魅力ですが、あくまで画像を貼るのみの場合がほとんどなため、セキュリティや改ざん防止の機能は限定的です。外部との契約に利用する場合は信頼性に欠けるため、あくまで社内文書や軽微な承認用途に留めるのがおすすめです。

④電子契約サービスを利用する(無料プランでも可能)
取引先との対外的な契約で電子印鑑を入れたい場合は、電子契約サービスを使った方法が最もおすすめです。電子契約サービスでは、アカウント登録などのかんたんな設定を行うだけで、法的証拠力を持った電子印鑑をPDFファイルに挿入できます。
たとえば電子印鑑GMOサインでは、テキスト入力・画像挿入・手書き入力から挿入方法を選択できます。テキスト入力だけでも自動で印影風画像に調整されるので、手軽に本格的な電子印鑑を入れたい方はぜひご利用ください。
GMOサインを使ったPDFへの電子印鑑の挿入の流れは、以下のとおりです。




この際に「所属/指名」で名前の選択ができない場合は、左側メニューの「ユーザー管理」から「詳細」→「編集」と進み、ロールを「管理者+署名者」に変更してください。






GMOサインでは、無料プランでも「テキストで作成」「画像で作成」「手書きでサイン」の3タイプに対応しています。ご自身のサインを画像でお持ちの方は、登録しておくことも可能です。


文書ダウンロードをクリックすると、電子署名されたPDFファイルがダウンロードされます。あとはそのファイルを先方にメールなどで送信すれば完了です。
GMOサイン無料プランの登録方法はこちら(クリックして開く)
PDFに入れた電子印鑑は編集できる?
PDFに入れた電子印鑑の誤りに気付き、変更したいと思う場面もあるでしょう。電子印鑑の編集ができるかどうかは、どのような方法で入れたかによって異なります。ここでは、ケースごとの編集できる・できないの違いと、編集可能な場合の方法をお伝えします。
画像として貼り付けた電子印鑑は、編集可能
PDFに印影画像を貼り付けた場合では、削除や置換といった編集が可能です。画像データをPDF上に貼り付けているだけなので、Adobe Acrobat ReaderのようなPDFの編集機能を使えば、電子印鑑の画像を削除したり、別の画像に差し替えたりできます。
また、「PDF-XChange」や「Foxit PDF Editor」などのPDF編集ソフトでも、オブジェクト編集機能を使うことで、同様の操作ができます。
電子署名ツールで署名した電子印鑑は、原則編集不可
電子契約サービスを使ったり電子証明書を付与したりして挿入した電子署名(電子印鑑)は、原則として編集できません。
このような方法で電子署名や電子印鑑を挿入すると、署名時に暗号化やタイムスタンプが付与され、改ざんを防ぐ仕組みが働きます。そのため、あとからPDFの内容を変更しようとすると、電子署名の整合性が壊れ、「署名が無効になりました」や「署名者が変更されました」といった警告が表示され、署名自体が無効になってしまいます。
もし内容を修正したい場合、改めて署名(電子印鑑の挿入)をやり直す必要があると覚えておきましょう。
PDFに電子印鑑を使う際の注意点
PDFに電子印鑑を入れる際は以下の点に注意しましょう。
なりすましや不正利用への対策が必要
電子印鑑で一番注意すべきなのは、印影の画像データがかんたんにコピーや改ざんできてしまうことです。画像ファイルとして作った電子印鑑は、誰でもコピー&ペーストで複製できるため、勝手に使われたり重要な書類に押されてしまうなど、第三者による不正利用のリスクが常にあります。
こうしたリスクを軽減するには、まず電子印鑑に電子署名やタイムスタンプを組み合わせることが重要です。電子署名は印鑑を押した人物を特定し、文書の改ざんを検知する機能を持っています。パスワード保護や暗号化技術を活用すれば、不正アクセスを防げるでしょう。
また、印影データの管理体制も見直す必要があります。アクセス権限を適切に設定し、使用履歴を記録することで、万一の際にも追跡調査が可能になります。定期的なセキュリティ研修を実施するなど、社員全体の意識向上を図ることも、欠かせない取り組みといえるでしょう。
印影のみでは裁判などで証拠力が弱くなる場合がある
単純に印影画像をPDFに貼り付けただけでは、裁判において十分な証拠として認められない可能性があります。前述したとおり、画像だけでは印影の真正性を証明する手段が限られており、「本当に本人が押印したのか」という疑問を払拭できないからです。
法的な証拠力を高めるためには、電子署名法に準拠した電子署名の併用が欠かせません。特に重要な契約書や公的文書では、電子契約サービスを利用したり、認定認証局が発行する電子証明書を用いた電子署名を使用したりすることで、より高い証拠力を確保できます。
ただし、すべての文書に高度な電子署名が必要なわけではありません。社内文書や簡易的な確認書類であれば、印影のみでも実務上は問題ない場合もあります。
PDFと電子印鑑に関するよくある質問
PDFに電子印鑑(ハンコ)を押すには?
PDFに電子印鑑を押す最も一般的な方法は、印影を画像データ(JPEGやPNG形式など)にしてPDFに貼り付ける方法です。Adobe Acrobat ReaderやPDF-XChange、Foxit PDF EditorといったPDF編集ソフトを使えば、かんたんに印影画像を挿入できます。また、WordやExcelで作成した印影画像を利用し、PDF化した書類に貼ることも可能です。
ただし、これらの方法は法的証拠力が弱いという問題があり、重要な契約には不向きです。信頼性を高めたい場合は、GMOサインのような電子契約サービスを利用すると、法的証拠力のある電子印鑑を挿入できるため、おすすめです。
手持ちの印鑑を電子印鑑にするにはどうすればよい?
既に持っている実物の印鑑を電子印鑑に変えるには、まず印影をカメラやスマホで撮影し、スキャンして画像データ化する方法が一般的です。背景を透過処理してPNG形式にすれば、PDFなどでも使い勝手が良くなるでしょう。
契約書など法的な効力を持つ文書に使う場合は、画像だけでなく電子署名やタイムスタンプも組み合わせられる電子契約サービスの利用をおすすめします。
PDFに安全な電子印鑑を入れたい方にはGMOサインがおすすめ
PDFに電子印鑑を入れる方法について、以下の4つを解説しました。
- Adobe Acrobat Readerを使う
- WordやExcelで作成した印影をPDFに貼る
- 無料ツールやアプリを使う
- 電子契約サービスを利用する(無料プランでも可能)
Adobe Acrobat Readerのスタンプ機能は無料で使えるため、日常の承認作業などには便利です。ただし、無料ツールやアプリで作成した電子印鑑は、重要な契約書などには適していません。
法的な証拠力を重視する場合は、電子契約サービスの利用や電子証明書の発行を通じて、電子署名やタイムスタンプが付与できる方法を選ぶことが大切です。これらを活用すれば、改ざん防止や本人確認の面でも安心できます。
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※電子署名法に基づく電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の累計送信件数(タイムスタンプのみの契約を除く。主な立会人型電子署名サービスが対象)GMOリサーチ&AI株式会社調べ(2024年12月)