働き方

2020年9月1日

2022年7月13日

秘密保持契約書(NDA)とは︖書き⽅のポイントと作成の流れ【ひな型付き】

よく⽬にする契約書のひとつに「秘密保持契約(機密保持契約書)」があります。しかし、「どの秘密保持契約も内容はそんなに変わらないだろう」と、フォーマットを流⽤したり、相⼿から渡された契約書をよく確認せずに署名捺印したりといった経験はありませんか︖

この契約は会社を守るための重要な契約です。きちんと理解しないと⾃社にとって不利益な契約を締結してしまう可能性もあるため注意が必要です。

秘密保持契約(NDA)の基礎知識

秘密保持契約書はその名が⽰すように、秘密の取り扱いについて定めた契約を書⾯にしたものをいいます。ではこの秘密保持契約書には⼀体どのような効⼒があるのでしょうか。 また、絶対に取り交わさなくてはならない契約なのでしょうか。

最初に、秘密保持契約の基本を説明します。

秘密保持契約の基礎知識<

そもそも秘密保持契約とは︖

相手方から開⽰を受けて知り得た営業上または技術上、業務上の⼀切の秘密情報の目的外使⽤や、第三者に開⽰することを禁⽌する契約のことです。NDA(Non-disclosure agreement)CA(Confidentiality Agreement)などとも呼ばれます。
契約は⼝頭でも成⽴しますが、その内容を書面にしたものが秘密保持契約書です。

他社に業務委託を⾏う場合や M&A を⾏う場合、アイデアや技術情報などを共有する場合、個人情報を受け取る、または共有する場合など、業務上、重要な情報を授受する必要があるときに結びます。

秘密保持契約書が必要な理由

秘密保持契約を締結することで、相⼿⽅に守秘義務(秘密保持義務)が発⽣し、秘密情報の漏洩リスクを軽減できます。また、契約書に取引先や顧客情報の流出や、ライバル企業への企業秘密漏洩が起こった場合に、相⼿⽅に損害賠償を求めることを明⽰することで、相⼿の⾏動をけん制できます。

なお、リスクを回避するためには、情報開⽰前の、できるだけ早い時期に契約を締結する必要があることは言うまでもありません。

秘密保持契約書(NDA)のひな型と書き方のポイント

それでは秘密保持契約書には、どのような内容を記載すればいいのでしょうか。誰でも利用できる契約書のひな型をもとに、リスク回避のため秘密保持契約書に明記しておくべきポイントを解説します。

秘密保持契約書のひな型と書き⽅のポイント<

秘密保持契約書のひな型

「ひな型」とは契約書の形式や様式を表す書面の見本で、日付や契約当事者欄(甲、乙などの関係者)が空欄になっていて、作成時の参考にできるテンプレートのことです。秘密保持契約書のひな型は経済産業省が例として公開しており、これを参考に作成すると便利です。

【出典】「秘密情報の保護ハンドブック ~企業価値向上に向けて~」p163「第4 業務提携の検討における秘密保持契約書の例」(経済産業省)

秘密保持契約書の書き方のポイント

秘密情報の範囲を決める

秘密保持の対象となる「秘密情報」の範囲を具体的に記載します。また、秘密情報に該当しない情報がある場合は、その例外規定を定めます。秘密情報の範囲はとても重要な条項で、ここで明確にしておかなければ、知らないうちに秘密情報を漏洩していた、などということになりかねません。

秘密情報が含まれる文書には「秘密」と明記するなど、あらかじめ「どれが秘密情報にあたるのか」が、分かるようにしておく工夫とともに、条項への記載が重要です。また、秘密情報の例外(例外規定)も決めておきましょう。例えば「プレスリリースがあり公知となった情報」や「開示を受けたときに既に保有していた情報」などがこれにあたります。

目的外利用(目的外使用)を禁止する

秘密保持に加え、開示者の承諾なしに秘密情報を目的外で利用してはならないことを明記します。具体的には取得した情報の「利用目的」を定義する必要があります。例えば「甲又は乙は、秘密情報を第○条に規定する利用目的以外の目的で使用してはならない。」などです。

複製の取り扱い

秘密情報の「複製」についても明記しておくことが望ましいでしょう。データで取り扱う情報はコピー、ダウンロードが容易にできてしまいます。例えば「複製は本取引の目的を達するためにのみ許諾し、複製物は原本と同等の管理を行う」などと定めます。

契約の有効期間

秘密保持契約では契約期間と自動更新の有無も定める必要があります。「第〇条と第△条は、本契約終了後もなお□年間は有効とする」(存続条項について)といった条項を追加することで契約終了後の取り決めを行うのが一般的です。

秘密情報の返還、または廃棄

秘密保持契約に基づいて秘密情報の提供を受けた場合、契約終了後や契約解除後における受領済みの秘密情報の取り扱いについても定めます。例えば「情報を含む記録媒体や複製物を返還もしくは廃棄する」などと記載します。

会社にとって流出すると致命的なダメージとなる技術情報や個人情報など、特に重要な秘密情報である場合、その返還、廃棄方法についても定める場合があります。例えば「再生不能な形で廃棄、消去」などと記載します。

反社会的勢力の排除条項は必要性を検討する

近年、多くの契約書において、反社会的勢力との関係がないことを示す条項(反社条項)を設けることが増えています。これには暴力団排除条例で、取引相手が反社会的勢力かどうかを確認する「努力義務」が定められていること、そして反社会的勢力との取引禁止が明記されていることが関係しています。

もちろん、反社会的勢力との取引は企業にとって思いがけないトラブルや、著しい信用低下などに直結します。このようなリスクを抑えるために条項を設けるのです。

しかし条項の作り方には工夫が必要です。反社条項は基本的に相手が反社会的勢力と関係があった場合、契約を解除できるといった内容であるため、実際に相手に反社会的勢力との関わりがあった場合、「秘密保持契約を解除する=提供した秘密情報を開示されてしまう」ということにもなりかねません。

このため、条項を設ける場合には、「情報の提供を受ける企業、役員などが、反社会的勢力に属していないことを誓約する」といった文言にとどめ、仮に相手に反社会的勢力との関わりがあったとしても、秘密保持契約そのものは解除させないよう配慮する必要があります。

漏洩時の対処方法や補償

契約違反行為が発生し秘密情報が漏洩した場合、どのような対応を行うか定めます。情報の漏洩は、情報の提供側が大きな損害を被るため、発覚した場合、即時情報開示者に報告することや、再発防止策の提出損害賠償請求所管の裁判所や裁判費用の負担などを明確にします。

秘密保持契約書(NDA)の作成と締結の流れ

実際に契約書を作成する場合、内容を会社間で確認し、場合によっては法律の専門家である弁護士に確認することも重要です。

ここでは秘密保持契約書を作成する流れを説明します。

秘密保持契約書の作成と締結の流れ

STEP1:契約書のひな型を確認

当事者間で協議して合意した内容を契約書に明記します。どちらかの会社が契約書のひな型を持っている場合、それをベースにするかどうか判断することになります。自社のひな型がある場合はそれを使えるように進めるといいでしょう。なぜなら、自社に不利な内容ではないことがあらかじめ分かっているからです。

STEP2:双方の確認と、内容の合意

契約書のたたき台を基に当事者間で内容を確認します。もちろん自社に不利益な条項がないかの確認が非常に重要です。不利な条件や不利益となる懸念がある場合、弁護士にリーガルチェックを依頼しましょう。法的リスクや事業リスクを確認したうえで、内容の合意内容を契約書に明記します。

STEP3:契約書に署名、記名押印する

内容が決定したら、同じ内容の原本を締結する会社(人数)分作成します。それぞれに両社の代表者が署名(または記名押印)を行い当事者が1通ずつ原本を保管します。

ここで作成した複数の秘密保持契約書は、内容が同じものであり、また同じタイミングで締結したことを証明するため、「割印」を押します。(なお、割印がなくても契約書そのものはそれぞれ独立して法的な効力を持ちます。)

もし秘密保持契約書が複数ページで構成される場合には、ページの一部を抜く、差し替えるといった改ざんを防ぐため、ページの見開き部分に「契印」を押します。しかし、多くのページがある場合は必要な契印が多くなるため、製本テープなどを使って製本するのが良いでしょう。製本されている場合は全ての見開きページに契印する必要はなく、帯と表紙、または裏表紙に行うだけで済みます。なお、秘密保持契約書が紙1枚で構成されていれば、署名や記名押印、契約日などがあるため、契印は特に必要ないでしょう。

なお、秘密保持契約書が秘密保持に関する内容のみで構成されていれば原則として印紙税がかからない非課税文書となり、収入印紙を貼る必要はありません。また、情報を取り扱う関係者や従業員にも契約内容を共有し、理解したうえで運用することも重要です。

秘密保持契約書(NDA)についてのQ&A


ここでは実際に秘密保持契約書を作成する場面で疑問となる、よくある質問2つについて解説します。

●使用する印鑑は実印が望ましいでしょうか?
「印鑑」とは、市区町村や銀行に登録したハンコ(印章)のことです。秘密保持契約書に押印するハンコは、必ずしも印鑑である必要はありませんが、企業の場合は「押印に関するルール」を定めていることも多いでしょう。押印の際は、社内ルールや押印規程を確認し、そのルールに従いましょう。

●2ページ以上になる場合は両面印刷しても問題ないでしょうか?
契約書には片面印刷でなければならないといったルールは存在しません。そのため、両面印刷しても問題なく、むしろ紙の節約や保管スペースの削減といったメリットも得られます。事前に相手方に了解を取って進めましょう。
ちなみに、保管スペースや紙の削減といった効果を狙うのであれば、「電子印鑑GMOサイン」の利用もおすすめです。

電子契約書の導入メリットについて詳しく!

まとめ:秘密保持契約書は会社や事業を守る重要なもの

秘密保持契約書は会社が開示する情報を守る大変重要なものです。提供した秘密情報が外部に漏れてしまうことはもちろんですが、自社が提供を受けた秘密情報を漏らしてしまった場合も、当然大きなトラブルになることが考えられます。そのため、秘密保持契約書には提供する・される情報のうち何が秘密情報にあたるか、また、その情報の利用目的をあらかじめ明確に定め、事前に確認しておくことが重要です。

情報漏洩のリスクから身を守るためには、なによりも早く契約を交わす必要がありますが、従来のような紙の契約書では、押印や書類の取り交わしといった作業に時間がかかってしまいます。さらに郵送代や封筒代、印刷代といったコストも無視できません。こうした場合、「電子印鑑GMOサイン」を使うと便利です。

電子印鑑GMOサインでは電子印鑑が利用できるだけでなく、メールやクラウド上での書類の取り交わしが可能であるため、郵送コストや印刷コストが削減できるだけでなく、スピーディな契約締結を実現できます。

新規取引先と秘密保持契約を都度締結するのは非常に大きな手間がかかります。電子契約に移行すれば、秘密保持契約を含め契約業務を大幅に効率化することが可能です。
例えば、国際航空予約を行うシステムの開発や販売を手がけられている株式会社インフィニトラベルインフォメーション様では、電子印鑑GMOサインを活用することで、各部門が管理している契約書の取り寄せにかかる時間や手間を大幅に削減されました。

▶参照:各部署で保管していた契約書を電子化によって一元管理。
社内回覧から承認、締結までにかかる業務も大幅に効率化!

また、インターネット上の投稿監視やカスタマーサポート、サイバーセキュリティー事業をされているイー・ガーディアン株式会社様では月に100件以上の文書を保存し、文章作成・管理に20万円ほどの人件費等がかかっていましたが、電子印鑑GMOサインを導入することで、契約書にかかるコストや手間を削減し、リモートワークでもスムーズな契約ができるようになったそうです。

▶参照:自宅でもスムーズに契約締結を完了!リモートワーク中に電子化の便利さを実感。

「電子印鑑GMOサイン」とは?

電子印鑑GMOサイン」は、電子サインと電子署名、2つの署名タイプが使えるので、あらゆるビジネスにおける契約業務の課題を解決いたします。詳細につきまして、電子契約とは?|2種類の署名タイプにて解説していますのでご参考ください。

電子契約システムは従業員の誰もが使えるものである必要があります。使い勝手の良さも電子印鑑GMOサインが選ばれる理由です。例えば、フランチャイズ契約を軸に高齢者向け配食サービスを展開されている株式会社シルバーライフ様では導入後2カ月で電子契約が社内に浸透し、誰もが電子契約を使って契約締結ができるようになりました。電子印鑑GMOサインの使い勝手について高い評価をいただいています。

▶参照:フランチャイズ契約手続における利用のしやすさが決め手。社内からも活用法が提案されるほど好評です。

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