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新たに取引を行う際には契約書を交わすことになります。この時契約の種類や契約金額などに応じて、印紙税を納めなければなりません。もし海外企業と契約を交わすことになった場合、印紙税の取り扱いはどうなるかで迷う方もいるのではないでしょうか。
これからの時代、業種関係なくますますの国際化が進むとみられています。今は取引がなくても、今後海外との取引がないとは限りません。将来における海外とのビジネスに備え、契約書と印紙税の関係は覚えておくと良いでしょう。
「契約書を作成する際には収入印紙を貼り付けるのがルール」と思っている人はいませんか? 収入印紙は印紙税を納めるために貼付し、納税額は印紙税法で定められています。
収入印紙は文書であれば何でも貼りつけるわけではありません。経済的な取引で作成された契約書などが対象です。不動産の譲渡や土地の賃借権設定、消費貸借、請負に関する契約書、領収書をはじめとした営業に関する受取書、約束手形・為替手形などには印紙税が発生します。
印紙税が発生する文書を作成した場合の納税額は文書の内容によって変わってきます。具体的には契約の種類や態様、契約金額ごとに定められています。契約金額と印紙税額の関係は、以下の表のようになります。
引用元:印紙税額一覧表|国税庁
印紙税は、必要な額の収入印紙を契約書に貼りつけることによって納付します。また、収入印紙には、再利用を防ぐために消印が必要です。
収入印紙はさまざまな場所で購入できます。法務局や郵便局が販売場所の代表例ですが、コンビニや金券ショップなどでも購入可能です。また、たばこ屋や酒屋で販売している場合もあります。
海外とビジネスを始めるには、日本企業との取引と同様に契約書の作成が必要となります。しかし、印紙税が課税されるかどうかはケースバイケースです。
印紙税は日本国の印紙税法にもとづき納付するものです。日本国の法律は原則として日本国内でのみ適用されます。つまり契約書がどこで作成されたものかで印紙税の課税対象かどうか変わってきます。契約の相手が国内の企業かどうか、本社が海外にあるかなどは関係ありません。
日本企業が契約書を作成した場合でも、印紙税が必ず発生するわけではありません。どこで作成したかが問題です。もし日本国内で契約書を作成し、国内で契約を締結した場合印紙税の課税対象となります。
ただし、日本国内で契約書面が完成していない場合、国内で契約書が作成されても課税対象ではありません。たとえば、日本企業が国内で契約書を作成し、現地での署名の後に、日本に返送した場合には課税対象とはなりません。
海外企業が現地で契約書にサインした段階で、当事者の意思の合致が証明されることになります。この場合、海外で課税文書が作成されたことになるため、日本国の法律の効力が及びません。
海外の企業が契約書を作成しても、意思の合致の証明が日本国内で行われたのであれば、印紙税の課税対象です。たとえば、海外企業が現地で契約書を作成して、日本に契約書を送付したとします。契約書は、当事者の意思の合致が証明された時が課税対象となるタイミングのため、国内で署名や押印を行ったのであれば、課税対象となります。
印紙税法では、契約書における課税文書の作成を用紙に課税事項を記載し、文書の目的に従って行使することと定義されています。文書の目的に従って行使という言葉がわかりにくいですが、契約書の場合であれば、意思の合致の証明が行われた段階と考えられます。契約書の場合、当事者の署名や押印のすべてがそろった段階で行使した、すなわち契約書の完成となります。
海外企業と契約書を交わすにあたっては注意点が存在します。当事者の署名や押印がそろい、契約書が完成したのが国内か海外のどちらであるかに注意しましょう。完成した地点が日本であれば印紙税の課税対象です。ただし、契約書を保管しているだけでは、日本国内外どちらであっても、課税対象とはなりません。
たとえ契約書が完成したのは海外だったとしても、立証できなければ、印紙税の納付漏れを指摘される可能性があります。もし印紙税の納付義務がある契約書に収入印紙が貼付されていないと、過怠税が徴収されます。
過怠税額は、本来納めるべき印紙税額と、その2倍に相当する金額の合計額となります。つまり本来納税すべき印紙税の3倍が過怠税として徴収されます。
海外で契約書が完成したことを立証するためには、契約書に作成場所の記載をしておくと良いでしょう。そうすれば、確かに海外で作成された契約書であると税務調査に入った調査官にも納得してもらえるでしょう。
契約書に日付は記載するが、契約した場所までは記載しない企業も多いでしょう。しかし海外との契約の場合には、どこで完成したか場所も明記しておくと安心です。
海外企業との取引における印紙税については、日本企業が作成した場合に印紙税がかかると勘違いしている方も多いでしょう。しかし、どこで当事者が署名や押印して契約書が完成したかが課税の基準です。
たとえ日本企業が契約書を作成しても、先に自分たちが署名や押印をし、取引先に送付して現地で署名や押印をすれば、作成地が海外となり印紙税の課税対象ではなくなります。しかし契約書に作成場所を記載していないと、海外で契約書が完成したことを立証できないかもしれません。海外との取引では、契約書作成の場所も記載するようにしましょう。
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