5Gは「高速」「大容量」「多数接続」などの魅力を持つ移動通信システムです。ネット環境がより快適になることで定評がありますが、なかには通信速度が遅く感じてしまうケースもあります。
今回は、5Gの通信速度が遅い場合に考えられる原因や対処法などを解説していきます。通信速度が遅くストレスを感じている場合は、本記事を参考に対策してみてください。
目次
5Gの通信速度が遅い時の原因とは
5Gの通信速度が遅い場合、主に以下の原因が考えられます。
端末側の問題
1つめの原因として、端末側に問題があるケースが挙げられます。以下で詳しく見てみましょう。
デバイスが5G回線のバンド(周波数)に非対応
5G通信を利用するためには、使用しているデバイスが5Gに対応している必要があります。現在はさまざまなスマートフォンがありますが、すべてが5G回線に対応しているわけではありません。とくに古いモデルのスマートフォンでは、5G通信機能が搭載されていない可能性が高いです。5Gの速度を活用したい場合は、デバイスの仕様をよく確認し、必要に応じて新しいモデルへの買い替えが必要となります。
多くのスマートフォンでは、2020年以降のモデルから5G対応が一般的になりました。そのため、それ以前のモデルは5Gを使用できない可能性が高くなります。5Gを利用したいなら、最新のデバイスに買い替えなくてはなりません。
デバイスのスペックをチェックする際に、「5G対応」が明記されているかどうかを確認しましょう。
5G通信が有効になっていない
よくあるのが、5G通信が初期設定でオフになっているケースです。また、省電力モードをはじめとする設定が原因で、5Gがオフになっている場合もあります。通信速度が遅いと感じたら、まずは設定メニューを確認し、5Gが有効になっているかを確かめてください。設定方法がわからない場合は、デバイスの取扱説明書やキャリアのサポートページで調べることができます。
新しいiPhoneを手に入れたとしても、iOSの設定で「モバイル通信」→「通信のオプション」が「LTE」に設定されている場合、5Gは利用できない状態となっています。この設定を「5Gオン(5Gオート)」に変更することで、5Gネットワークを利用することが可能です。設定方法が不明な場合は、キャリアのカスタマーサービスに問い合わせましょう。
※ご利用の通信事業者やデバイスによって、「通信のオプション」に表示されるオプションは異なる場合があります。
契約プランのデータ通信容量が超過している
近年の通信プランでは、高速データ通信の利用に上限が設定されていることが多いです。この上限を超えると速度制限が適用され、インターネットのブラウジングや動画視聴が遅くなります。データ使用量が多いアプリケーションの使用を控えるか、データ使用量をリアルタイムでチェックできるアプリを利用することで、速度制限を避ける工夫が可能です。
例として、月初に映画を数本ストリーミングで見た後で、インターネットのブラウジングや通常の動画視聴が遅くなったと感じる場合、月間の高速データ通信の上限に達している可能性があります。多くの通信キャリアでは、データ量が一定の上限に達すると速度を自動的に制限するプランが設けられています。データ使用量を管理するアプリやキャリアのウェブサイトから、自分のデータ消費を確認しましょう。
基地局側の問題
2つめの原因として、基地局側に問題が起こっているケースが挙げられます。以下で詳しく見てみましょう。
「パケ止まり」が起きている
通信量が集中すると、ネットワークが一時的に応答不能になる現象が発生します。これは「パケ止まり」と呼ばれ、とくに大規模なイベントが行われている場所や人口密度が高いエリアで起こりやすい問題です。この問題を解決するためには、キャリア側がネットワークのキャパシティを増強しなくてはなりません。
年末年始やお花見などの大規模なイベント時に、多くの人が同じエリアでスマートフォンを使用すると、一時的にネットワークが過負荷になり「パケ止まり」になる場合があります。このような状況の場合、少し場所を移動するだけで改善されることもあるため、位置を変えてみるのも一つの方法です。
5Gの基地局が少ない
5Gは通信速度が速いことで知られていますが、素早い通信速度を保つためには、基地局が近隣エリアで密に配置されている必要があります。とくに地方や郊外では5Gの基地局の設置が進んでいないケースもあるため、5G対応デバイスを持っていても高速通信を十分に享受できない可能性があるので注意が必要です。
郊外や山間部に住んでいる場合、都心部に比べて通信速度が劣ってしまう傾向にあります。通信キャリアによる今後の基地局の整備計画に注目したり、どこに5Gの基地局があるのかを調べたりしましょう。
5G電波の特性上の問題
5G通信は高速通信で定評がありますが、その「反面透過性」が低いという欠点があります。たとえば建物の壁や障害物に弱く、屋内や地下では受信が困難になってしまうため、環境によってはストレスになりがちです。
この問題を緩和するためには、屋外や窓際などでデバイスを使用するのも一つの方法です。将来的には、より多くの中継器や小型基地局が設置されることでカバーしている割合(網羅率)が改善されることが期待されます。
5Gの通信速度が遅いと感じた時の対策
5Gの通信速度が遅く感じた場合、どのように対策すると良いのでしょうか。以下で具体的な方法を紹介します。
スマホを再起動
スマートフォンの再起動によって、端末の不具合を解消できる場合があります。たとえば、長時間デバイスを使用しているとメモリーやアプリのクラッシュが発生し、デバイスに負担がかかり、通信速度が遅くなる場合があります。定期的にデバイスを再起動することで問題を解消し、スムーズな通信速度を保ちやすくなるでしょう。
最新のOSにアップデート
OSを最新の状態に保つことは、セキュリティの向上はもちろん、デバイスの通信機能の最適化にもつながります。新しいOSアップデートには、通信速度を改善するためのネットワーク設定の最適化やバグ修正が含まれていることが多いです。また、更新中には一般的にデバイスが再起動されるため、結果的に通信関連の問題が解消されることもあります。
SIMカードの挿し直し
SIMカードの接触不良は、通信障害の原因となることがあります。たとえばデバイスを落として衝撃を与えてしまった後や長期間同じSIMカードを使用している場合、接触不良が発生しやすくなります。この場合はSIMカードを一度取り出し、端子を軽く拭いた後に再度装着しましょう。
通信障害が起きていないか確認
通信速度が急に遅くなった場合、地域的な通信障害が発生している可能性があります。多くの通信キャリアは公式ウェブサイトや専用アプリに障害情報をリアルタイムで掲載しているので、現在自分がいる地域で通信障害が発生していないかを確認しましょう。障害が確認された場合は回復まで待つか、Wi-Fiを利用するなどの方法で対応する必要があります。
キャッシュを削除
長期間にわたりアプリケーションを使用しているとキャッシュデータが蓄積され、デバイスのパフォーマンスや通信速度が低下することがあります。ブラウザや一部のアプリでは、設定メニューからキャッシュをクリアするオプションがありますから、定期的にキャッシュを削除しましょう。そうすることで、アプリケーションの動作が軽くなるため、定期的に行ってください。
優先ネットワークの種類を確認
スマートフォンには、使用するネットワークの種類を選択する設定があります。たとえばデバイスが4Gネットワークを優先している場合、5Gネットワークが利用可能であっても自動的には接続されません。この場合は、デバイスの設定メニューで使用するネットワークの種類を確認し、5Gを選択すれば解決できます。
現在までのデータ使用量を確認
データプランには高速通信の上限が設定されており、この限度を超えると速度制限がかかります。スマートフォンの設定画面やアプリなどで、現在のデータ使用量を確認しましょう。使用量に応じて、データを使いすぎないよう節約する心掛けも大切です。
まとめ:5Gが遅いと感じたらデバイス側・基地局のトラブルかも?まずは確認を
5Gが遅い場合、デバイスや基地局などに問題が発生していると考えられます。考えられる原因にあわせて、今回紹介した対策法を実践してみてください。スムーズに5Gを利用できれば、通信速度が速くなり、快適なネット環境を保つことが可能となります。
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