はじめまして、GMOサインブログ編集部です。
広告主が自らの広告であることを隠したまま広告を出稿する「ステルスマーケティング(ステマ)」の規制導入に向けて、消費者庁は1月25日に景品表示法の告示案と運用基準案に対するパブリックコメントの募集を開始しました。2月23日までです。
ステルス(stealth)は英語で「隠密」「こっそり」「忍び」という意味ですが、カタカナを使用せず法令上で「ステルス」を表現すると「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」となるようです。もう少しわかりやすい表現があればと思いますが難しいのかもしれません。
目次
ステルスマーケティングとは?
ステルスマーケティングには、2つの類型があります。
①なりすまし型
事業者が自ら表示しているにもかかわらず、第三者を装って肯定的な意見を掲載するもの
(例)匿名で体験レビューをブログ等に掲載する場合
②利益提供秘匿型
事業者が第三者に金銭の支払いその他の経済利益を提供して表示させているにもかかわらず、その事実を表示しないもの
(例)有名ブロガーが報酬を得ていることを明示せずに、特定の企業や製品について高い評価を行う場合
消費者庁としては、従来の景品表示法における「優良誤認表示」(青い円)と「有利誤認表示」(オレンジの円)の規制に、上述の①なりすまし型と②利益提供秘匿型の広告や表示を規制するため、新しく「優良誤認表示、有利誤認表示のどちらにも該当しない表示だが、広告主の表示であるにもかかわらず、第三者の表示であると一般消費者に誤認させる表示」(緑の円)に関する規制を加えることでステルスマーケティングへの規制を検討していることが報告書から伺えます。
(ステルスマーケティングに関する検討会 報告書 P.25より)
報告書の検討会委員による専門的観点(経済学、経営学、諸外国の制度)によると「広告であることを開示すると消費者の商品に対する好感度を下げ、逆に、広告であることを隠すと商品に対する好感度が上がり、また、不正レビューによって低品質商品の需要が増える結果、消費者の高品質商品の購買機会が奪われることになり、1万円の買い物に対して、1,200円の損失が生じると推計される」というデータもあるようです(報告書P.14)。
また、EUや米国においては、既にステルスマーケティングに対する法規制が存在し、その法規制に基づいた法執行も行われているものの、日本にはステルスマーケティングそのものを規制する法令がないことから、広告主間のステルスマーケティングに対する意識の違いが、長期的なインターネット広告市場に対する消費者の信頼性を失わせることにもなり、ステルスマーケティングは、広告全般に対する一般消費者の信頼・信用を損なう行為になっているとの指摘もありました。
報告書の仔細は、以下のURLから確認できます。よろしければご覧ください。