簡易書留は、大切な郵便物や物品を確実に郵送するための郵便サービスです。しかし、初めて利用する人にとっては、手続きや出し方がわからず、不安を感じることもあるかもしれません。
そこで当記事では、簡易書留の出し方とその手順、簡易書留を出す際の注意点を解説するとともに、便利な利用方法を紹介します。大切な郵便物や荷物を郵送する際に役立ててください。
本記事掲載の情報は2024年10月時点のものです。最新情報は日本郵便株式会社公式サイトでご確認ください。
目次
簡易書留とは
簡易書留とは、郵便物や荷物を安全に郵送するための郵便サービスの一つです。通常の郵便物と違い、発送者と受取人の住所が確認できるため、郵便物や荷物が無事に配達されたかを追跡することができます。
また、受取人が受け取りの際にサインもしくは押印することにより、発送者に配達完了の通知が届くようになっています。そのほか、発送する郵便部や荷物の保険や補償制度も充実しているので、大切な郵便物や荷物を安心して郵送することができます。
簡易書留のメリットとデメリット
本項では、簡易書留のメリットとデメリットを紹介します。繰り返しになる部分もありますが、しっかりとメリットとデメリット双方を把握してください。
メリット
・郵便追跡サービスで、郵便物の配達状況を確認することができます。
・郵便物が紛失または破損した場合、最大5万円まで補償されます。
・郵便物が配達されたことを記録し、配達日時を証明することができます。
・一般書留よりも安い郵便料金で配達可能です。
・手渡しによる郵便物の確実な配達を保証するため、大切な書類や物品を送るときにおすすめです。
・簡易書留は、土曜日、日曜日、祝日も配達されます(ただし、配達時間は通常よりも短くなる場合があります)。
デメリット
・普通郵便よりも送料が高くなります(プラス350円)。
・郵便物が配達されるまでに時間がかかる場合があります。
・郵便物が紛失または破損した場合、最大5万円までしか補償されません。
・郵便追跡サービスでは、引受け情報と配達完了日(もしくは、不在持ち戻り情報)しか表示されません。
簡易書留の手続きの手順
簡易書留の手続きは、以下の手順でおこないます。
STEP
事前準備
簡易書留を郵送するために必要な郵便物や荷物を用意します。内容物によっては特定の規定や制限があるので、次の簡易書留の出し方の注意点を参考にしてください。
STEP
必要な書類の準備
郵便局に行くと、窓口に簡易書留を利用する際に必要な書留・特定記録郵便物等差出票(2枚複写)が置いてあります。書留・特定記録郵便物等差出票に、発送者の住所・氏名、受取人の氏名、摘要欄に郵送する物の内容を正確に記入しましょう。正確な情報を記入することで、追跡や問題発生時の対応がスムーズになります。
STEP
料金の支払い
簡易書留はポストに投函することができませんので、郵便局の窓口で、記入した書留・特定記録郵便物等差出票と郵便物などを渡します。料金は、通常郵便物の料金に簡易書留料金(350円)を加えた金額になります(下記の料金表参照)。
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内容(封筒) | 重量 | 料金 | 簡易書留料金 | 合計料金 |
---|
定型郵便物 | 25gまで | 110円 | 350円 | 460円 |
50gまで | 110円 | 460円 |
定形外郵便物 | 規格内 | 50gまで | 140円 | 490円 |
100gまで | 180円 | 530円 |
150gまで | 270円 | 620円 |
250gまで | 320円 | 720円 |
500gまで | 510円 | 870円 |
1kgまで | 750円 | 1,100円 |
2kgまで | 取扱なし | 取扱なし |
2㎏超4㎏まで |
規格外 | 50gまで | 260円 | 610円 |
100gまで | 290円 | 640円 |
150gまで | 390円 | 740円 |
250gまで | 450円 | 800円 |
500gまで | 660円 | 1,010円 |
1kgまで | 920円 | 1,270円 |
2kgまで | 1,350円 | 1,700円 |
2㎏超4㎏まで | 1,750円 | 2,100円 |
※2024年10月時点の料金です。最新情報は日本郵便株式会社公式サイトでご確認ください。
料金の支払いは、窓口での現金払いや郵便局指定の支払い方法を利用できます。また、簡易書留の手続きをする際、郵便局員の方から身分証明書の提示を求められることがあります。運転免許証やマイナンバーカードなどを準備しておくとよいでしょう。
STEP
確認事項の伝達
発送局で簡易書留の受付の際に、内容品の種類や価値、保険の有無などを伝える必要があります。内容品を伝達することにより、適切な保険料が設定され、万が一の事故や紛失に備えられます。
STEP
送り状と追跡番号の保管
郵便物の受付が終了すると、発送局の局員が書留・特定記録郵便物等受領証(追跡番号などが記載)を渡してくれますので、大切に保管しましょう。郵便追跡サービスを利用する場合や、万が一の問題が発生したとき、受け取りの確認が必要なときに、書留・特定記録郵便物等受領証が役立ちます。
STEP
配送方法の選択
簡易書留の配送方法は、通常配送のほか、速達でも送ることができます。
通常配送
通常配送は、郵便料金が最も安い配送方法ですが、配達までに時間がかかる場合があります。
速達
速達は、通常配達よりも早く配達されますが、通常配達よりも送料が高くなります。
・250g以内:+260円
・1kg以内:+350円
・4kg以内:+600円
簡易書留を出す際の注意点
簡易書留を出す際には、次の点に注意しましょう。
内容物の制限
簡易書留では、一部の物品や書類の送付が制限されています。
たとえば、以下のような制限が存在します。
・現金(現金書留で送付しましょう。)
・貴金属(貴金属は一般書留で送付しましょう。)
・有価証券(時価5万円を超える有価証券は一般書留で送付しましょう。)
・危険物
・腐敗しやすいもの
・水気を含んでいるもの
・大きさや重量が制限されているもの
・郵便局が受付できないもの
上記以外のもので、郵送できるか分からないときは、最寄りの郵便局に尋ねましょう。
配送時間の確認
簡易書留は、通常の郵便と比べると配送に時間がかかる場合があります。
特に国際配送の場合は、到着まで数週間かかることもあります。配送にかかる時間を考慮して、簡易書留を送りましょう。
簡易書留の賠償金額
簡易書留の亡失や毀損などによる賠償金額は、5万円を限度とする実損額です。
そのため、高額ではないもの、確実に相手に送付したことを記録に残し、証明したい書類などの郵送に最適です。たとえば、仕事上の重要書類や入学願書、履歴書などの重要書類、コンサートのチケットなどの送付に向いた制度といえるでしょう。
簡易書留の利用例
重要な書類を送付する際
Aさんは、簡易書留を利用することで、退職届が確実に転職先に届くことがわかり、転職先に退職届を郵送する際に簡易書留を利用しました。そのため、安心して転職活動に専念することができました。
高価な物品を送る際
Bさんは、親に誕生日プレゼントとして高価な腕時計を送る際に、5万円までの補償が付いている簡易書留を利用しました。簡易書留を利用することで、腕時計が紛失や破損することなく、安全に親の元に届きました。
配達記録を残したい際
Cさんは、仕事で重要な書類を送る際に、簡易書留を利用しました。簡易書留を利用することで、書類がいつ、どこに配達されたかが記録されるため、万が一書類が紛失した場合でも、郵便局に調査を依頼することが可能です。
2024年10月から郵便料金が値上げ
2024年(令和6年)10月1日(火)より郵便料金が値上がりしました。値上がり前(2024年9月30日以前)と値上がり後(2024年10月1日以降)の主な郵便料金の比較は次の通りです。
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種類 | 重量 | 9/30まで | 10/1以降 | 差額 |
---|
定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円 | +26円 |
50g以内 | 94円 | +16円 |
通常はがき | 63円 | 85円 | +22円 |
定形外郵便物 規格内※ | 50g以内 | 120円 | 140円 | +20円 |
100g以内 | 140円 | 180円 | +40円 |
150g以内 | 210円 | 270円 | +60円 |
250g以内 | 250円 | 320円 | +70円 |
500g以内 | 390円 | 510円 | +120円 |
1kg以内 | 580円 | 750円 | +170円 |
速達 | 250g以内 | 260円 | 300円 | +40円 |
1kg以内 | 350円 | 400円 | +50円 |
4kg以内 | 600円 | 690円 | +90円 |
特定記録郵便 | 160円 | 210円 | +50円 |
一般書留および現金書留 | 480円 | – |
簡易書留 | 350円 | – |
レターパックプラス | 520円 | 600円 | +80円 |
レターパックライト | 370円 | 430円 | +60円 |
スマートレター | 180円 | 210円 | +30円 |
出典:日本郵便「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わりました。」
※「規格内」は、長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および重量1kg以内です。
日頃目にする機会の多い通常はがきは63円から85円と22円の値上げです。また、書類を送る際などによく使用される定形郵便物は、これまで重さによって84円と94円で分かれていたものが110円に統一されました。
契約書類の発送によく利用されるレターパックは、レターパックプラスが520円から600円と80円の値上げ、レターパックライトが370円から430円と60円の値上げが実施されました。この値上げに伴い、契約業務に関するコストの増大が予想されます。そこで、この機会に電子契約サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
電子契約サービスとは契約をオンラインで完結できる仕組みです。電子契約サービスも基本的に送信料がかかりますが、印刷費用や封筒代の負担がなくなり、さらに印紙税がかからないというメリットもあるため、トータルでみると契約の際に発生するコストを大幅に削減できます。
電子契約サービス国内シェアNo.1(※)の電子印鑑GMOサインは、送信料が他社サービスの半額という点が魅力のひとつです。お試しフリープランでは、月額基本料金と送信料(月5件まで)がなんと無料です。電子契約の導入を検討されているのであれば、ぜひGMOサインを試してみてください。
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※1 「電子印鑑GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントとする 。自社調べ(2023年11月)
※2 電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の送信数(タイムスタンプのみの契約を除く。電子署名法の電子署名の要件より)。自社調べ(2023年12月)
まとめ
簡易書留は、郵便局が提供しているサービスで、郵便物の受け取りから配達までの過程を記録してくれるものです。
簡易書留の出し方はとても簡単です。郵便局の窓口に行き、簡易書留の用紙を提出し、差出人と受取人の住所・氏名・電話番号を記入して、郵便料金を支払います。簡易書留の料金は、郵便物の重さや大きさによって異なりますが、郵便物の郵便料金に350円を加えた金額です。
ただし、いくつかの注意点がありますので、気をつけなければなりません。まず、簡易書留は、現金や貴金属などの高価な物品は送付できません。また、郵便物が配達されるまでに時間がかかる場合があります。しかし、郵便物が配達されたことを記録し、配達日時を証明することができますので、大切な書類や荷物を送るときに便利なサービスです。
簡易書留は、利用もかんたんで、とても便利なサービスです。大切な書類や物品を送るときに、ぜひ簡易書留を利用してみてください。
参考:書留|郵便局
参考:特定記録|郵便局