電子契約を学ぶ

2022年10月26日

【電子契約導入時の参考に】電子署名及び認証業務に関する法律とは?概要と条文のポイント

電子契約を締結する際は、「電子署名及び認証業務に関する法律」、いわゆる電子署名法をしっかりと理解しなければなりません。

今回は、電子署名及び認証業務に関する法律についてわかりやすく説明し、電子契約を締結する上でのポイントについてもご紹介します。


電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)とは?

電子署名及び認証業務に関する法律の目的について、同法は、第1条に以下のように定めています。

(目的)
第一条 この法律は、電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

そもそも、電子署名及び認証業務に関する法律は、電磁的記録(電子文書)が正しく成立するための条件や、電子署名に関わる特定認証業務(詳しくは後述します)に関する制度などについて定めた法律です。2000年5月31日に公布され、2001年4月1日に施行されました。

この法律の施行によって、パソコンなどで作成された電子文書であっても、電子署名を付与すれば、押印や署名がある書面と同様の効力があると認められるようになりました。

電子署名及び認証業務に関する法律が作られた背景

日本では、1990年代後半から急速にパソコンとインターネットが普及しました。それまでは、ワープロで作成した書類を紙でやりとりするというスタイルが主流でしたが、インターネットがあれば、書類を電子データのままEメールなどで送ることが可能となります。契約書などの文書についても、インターネットにより、業務効率化やコスト削減が実現されました。当時は「IT化」という言葉がブームになり、官民ともにデジタルツールの導入が急速に進められ、書類は紙から電子データへとシフトしました。

しかし、電子文書には押印や署名ができないという重大な問題点があります。加えて、電子データは後から変更を加えやすいため、改ざんやなりすましといった不正行為が容易にできてしまうという問題もありました。電子文書でのやりとりは、便利な一方、書面に比べて「その文書が本当に本人によって作成されたものか(本人性)」「その文書がいつ作成されたもので、その後、改ざんされていないか(非改ざん性)」を証明するのが非常に難しいという側面もあります。

そこで、IT化を推進することで国民の利便性を向上させ、経済発展を促すことを目的として、2000年に電子署名及び認証業務に関する法律が公布されました。この法律では、電子署名と呼ばれる、押印や署名の代替となるツールを活用した電子文書にも、押印や署名がある紙の書面と同様の効力があることを認めています。

電子署名及び認証業務に関する法律の関連用語

ここからは、電子契約を導入する際に知っておきたい専門用語について、わかりやすくご説明します。

電子署名

まず、電子署名とは、電子文書に付与する署名のことを指します。書面の契約書では押印や自筆の署名を行うことで、本人性と非改ざん性を担保しています。電子署名は、いわば押印や自筆の署名の電子版です。

電子文書を作成して相手方に送る際には、電子署名を付与します。これによって、押印・署名済みの書面と同等の本人性と非改ざん性を証明することができます。

ちなみに、電子署名は一種の暗号のような電子データになっており、押印や自筆の署名のように、ひと目見て作成者の名前がわかるわけではありません。しかし、検証プログラムを用いることで、本人性と非改ざん性を確認することができます。

電子署名には、電子証明書という電子データも付与します。印鑑については、市区町村役場に印鑑登録を行い、印鑑登録証明書を発行してもらうことで、それが本人の印鑑であることを証明できます。一方、電子証明書は、電子認証局で本人認証を受けた上で発行してもらえます。電子文書に電子署名とともに電子証明書を付与することで、その電子署名が確かに本人の意思で付与された電子署名であることを証明できます。電子署名が印鑑の電子版なら、電子証明書は印鑑登録証明書の電子版といえます。

電子認証局

既述の通り、電子文書を相手方に送付する際には電子署名と電子証明書を付与します。そして、電子証明書を発行し、電子署名が本人のものであることを証明する機関が電子認証局です。電子証明書を発行してもらうためには、本人確認などの手続きをしなければなりませんが、これによって電子署名の本人性を担保することができます。電子認証局は、印鑑登録を受付けて印鑑登録証明書を発行してくれる、市区町村役場のような存在です。

また、電子認証局は第三者機関であり、主務大臣の認定を受けた業者のみが稼働できるため、電子認証局自体の信頼性も担保されています。

公開鍵暗号方式

電子文書を送付する際には、「鍵」と呼ばれるツールを用いてデータを暗号化します。暗号化されたデータをもとの状態に戻すためには、やはり鍵が必要となります。

公開鍵暗号方式では、「公開鍵」と「秘密鍵」という2つの鍵を使います。電子文書の作成者は、公開鍵を用いてデータを暗号化します。文書を受け取った相手は、「秘密鍵」と呼ばれるもう一つの鍵を用いてデータを復元します。公開鍵と秘密鍵はセットになっていて、公開鍵の持ち主が作成したデータがそのまま相手に届いていれば、秘密鍵で復元することが可能です。仮に作成されたデータと異なるデータ、つまり改ざんされたものや作成者以外が作成したデータが届いた場合は、秘密鍵で復元することができません。

マンションの合鍵をイメージするとわかりやすいかと思います。マスターキー(公開鍵)から合鍵(秘密鍵)を作って家族に渡せば、その家族のみが部屋に入ることができます。合鍵を持っていないマンションの他の部屋の住人や部外者は、当然家の中に入ることができません。

2つの鍵を用いる公開鍵暗号方式という仕組みによって、電子署名の本人性や非改ざん性を証明することができるのです。

特定認証業務

前述のように、電子認証局が電子証明書を発行することで、その電子署名が真正なものであることを担保することができます。こうした業務を「認証業務」といいます。「特定認証業務」とは、認証業務のうち、主務省令で定めた基準に適合するものを指します。

具体的には、電子証明書の発行申請手続きの受付、本人確認、電子証明書の発行、公開鍵と秘密鍵の生成などが挙げられます。

認定認証業務

認定認証業務とは、電子署名及び認証業務に関する法律に規定されている基準に適合しており、かつ主務大臣の認定を受けた電子認証局が行う認証業務のことを指します。

特定認証業務との違いは、「主務大臣(内閣総理大臣と法務大臣)の認定を受けているかどうか」です。厳格な基準を満たした上で、主務大臣からの認定も受けているため、特定認証業務よりもさらに信頼性が高いとみなされます。

こうして見ると、電子署名を付与する際にはさまざまなプロセスを経なければならないということがわかりますが、それらを自動で行ってくれる電子契約システムを活用すれば、簡単に電子契約を締結することが可能です。

電子署名及び認証業務に関する法律の主な内容

冒頭でも、電子署名及び認証業務に関する法律の概要について簡単にご説明しました。この法律は、大きく分けて「電磁的記録の真正な成立の推定」と「特定認証業務に関する認定の制度」という2つのルールを定めたものです。ここからは、その内容について見ていきましょう。

電磁的記録の真正な成立の推定

電子署名及び認証業務に関する法律では、電磁的記録(電子文書)が「どのような状態であるときにそれが正しいとみなすのか」というルールを定めています。電子文書が成立しているかどうかを判断するために、電子署名を用いることとしています。

電子署名及び認証業務に関する法律が制定される前は、電子文書は紙に印刷された書面とは異なる扱いでした。同じ内容が書かれていたとしても、電子文書よりも書面のほうが押印や自筆の署名ができる分、証拠力が高いとみなされていました。

しかし、電子署名及び認証業務に関する法律の制定により、真正に成立すると推定される要件を規定することで、電子文書であっても、その要件を満たしていれば書面と同じ効力を発揮すると認められるようになったのです。

特定認証業務に関する認定の制度

電子契約書が有効といえるためには、電子署名を付与して本人性と非改ざん性を証明できる状態にしなければなりません。しかし、次に問題となるのは、「誰が、どのようにして、電子署名が正しいかどうかを判断するのか」ということです。

そこで、電子認証局が電子証明書を発行することで、電子署名の本人性や非改ざん性を担保することになります。電子署名及び認証業務に関する法律には、認証局がどのような事業者なのか、どのような設備を有し、どのような業務(特定認証業務)を行うのかという規定についても定められています。

電子署名及び認証業務に関する法律の主な条文のポイント

電子契約を締結するにあたっては、電子署名及び認証業務に関する法律について理解し、その規定を満たして契約を締結する必要がありますが、条文をすべて覚える必要はありません。ここからは、最低限押さえておきたいポイントについて解説します。

第2条

電子署名及び認証業務に関する法律の第2条では、電子署名について定義がなされています。電子契約を締結する際には、以下の条文で定義されている電子署名を用いる必要があります。

(定義)
第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他、人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

つまり、電子署名の効力が発揮されるためには、「本人が作成したものであること(本人性)」と「電子文書が改ざんされていないこと(非改ざん性)」の2つが備わっている必要があるということです。

また、第2条の2項では認証業務、3項では前述の特定認証業務について定義されています。

 

2 この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。
3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。
【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

第3条

第3条では「電磁的記録の真正な成立の推定」について規定されています。

第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

つまり、電子文書に基準を満たした電子署名が付与されていれば、その電子文書は正しく成立しているものであるとみなすということが書かれています。

第4条

第4条では、認定認証業務について規定されています。

(認定)
第四条 特定認証業務を行おうとする者は、主務大臣の認定を受けることができる。
2 前項の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書その他主務省令で定める書類を主務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 申請に係る業務の用に供する設備の概要
三 申請に係る業務の実施の方法
3 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

特定認証業務を行う事業者(電子認証局)は、主務大臣(内閣総理大臣と法務大臣)に任意で申請書を提出すれば認定を受けられるということです。認定を受けた電子認証局は、認定認証業務を行うことができるようになります。

第9条

認定認証事業者は、認定認証業務に必要な設備や業務の方法に変更があった場合、主務大臣から再度認定を受ける必要があります。第9条では、そのルールについて定められています。

(変更の認定等)
第九条 認定認証事業者は、第四条第二項第二号又は第三号の事項を変更しようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 前項の変更の認定を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書その他主務省令で定める書類を主務大臣に提出しなければならない。
3 第四条第三項及び第六条の規定は、第一項の変更の認定に準用する。
4 認定認証事業者は、第四条第二項第一号の事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
【引用】電子署名及び認証業務に関する法律|e-GOV法令検索

電子署名及び認証業務に関する法律の主な関係法令

電子署名あるいは電子契約に関連する法律は、電子署名及び認証業務に関する法律以外にもさまざまあります。

e-文書法
「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の総称です。会社法や商法、税法などで保管が義務付けられている書類を電子データとして保存することを認めた法律で、2005年4月に施行されました。

IT書面一括法
「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」の一般的な呼び名です。書面での手続きを電子メールなどのやりとりで代替することを認めた法律です。電子署名及び認証業務に関する法律と同時期の2001年4月に施行されました。

電子帳簿保存法
「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」の一般的な呼び名です。帳簿書類を電子データで保存するためのルールについて定めた法律です。電子契約書を証憑書類として保管するためには、これに従う必要があります。

トラブルを防ぐためにも、電子契約関連の法律を理解しよう

今回は法令や条文の話が多く少し難しく感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、電子契約を有効に締結してトラブルを防ぐためには、電子署名及び認証業務に関する法律をはじめとした各種法令に則って手続きを行う必要があります。

そこで、おすすめなのが電子契約システムの導入です。法令に準拠したシステムを導入すれば、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまったり、後々トラブルに発展したりするリスクを回避できます。電子印鑑GMOサインは、電子署名及び認証業務に関する法律をはじめ、各種法令の基準を満たした電子契約システムです。運営元であり、電子署名法における特定認証業務の認定認証局と同等のレベルの認証局(第三者機関)でもあるGMOグローバルサインが電子証明書を発行することで、高い本人性と非改ざん性の担保が可能です。また、最高水準のセキュリティ性能によって、なりすましや改ざん等の不正行為のリスクを最小限に留めています。

 
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