郵便サービスを使って手紙やはがきを送る際には、郵便ポストに投函する方法のほか、郵便局の窓口から発送する方法もあります。窓口を利用する際には、単に郵便を送るだけでなく、さまざまなオプションサービスをつけることが可能です。
本記事では、それらオプションの中から「簡易書留」と「特定記録郵便」の違いについて、詳しく解説します。
簡易書留 | 特定記録郵便 | |
---|---|---|
追跡 | 〇 | 〇 |
補償 | 5万円まで | なし |
受取方法 | 手渡しもしくは配達ボックス | 郵便受け(ポスト)への投函 |
配達日数 | 普通郵便と同程度 | 普通郵便と同程度 |
土日祝日の配達 | 〇 | × |
加算料金 | +350円 | +160円 |
簡易書留の特徴やメリットを紹介します。
簡易書留には上限5万円の補償がつきます。郵便物の配達過程において、万が一破損などがあった場合に適用されます。なお、現金書留であれば最大50万円、一般書留であれば最大500万円の補償をつけることも可能です。
以下のケースに該当する場合は、損害賠償の対象とならない可能性があるため、とくに差し出す前の郵便物に破損の形跡などがないかはしっかりとチェックしましょう。
損害賠償の対象とならない可能性があるケース
引用元:郵便物等の損害賠償制度
簡易書留の配達方法や手渡しもしくは宅配ボックスとなります。不在のため持ち戻った簡易書留は再配達が可能です。当日17時頃までに再配達を依頼すれば、21時までに再配達されます。翌日以降であれば、日付と時間帯を指定することができます。
郵便局の配達は一般的に、月曜日から金曜日の平日です。しかし、簡易書留であれば土日や休日でも配達をしてもらえるという特徴があります。
簡易書留の出し方や活用シーンについて、次の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
特定記録郵便の特徴やメリットを紹介します。
特定記録郵便は荷物の引き受けを記録します(引き受けの際、受領証を受け取れます)。そのため、郵便物を差し出した記録をしっかりと残したいという方におすすめです。受領証に記載されているお問い合わせ番号を使用すれば、インターネット上で配達状況を確認できます。
ただし、特定記録郵便は配達(受け取り)の記録は行いません。一方、簡易書留は配達(受け取り)の記録も行います。
簡易書留と特定記録とではかかる料金が異なります。どちらもオプションサービスのため、通常料金とは別に下記の追加料金がかかります。
簡易書留では、手紙やはがきなどの郵便物や、ゆうメールの場合でも、基本料金とは別に追加料金350円がかかります。
このオプション料金には、最大5万円までの損害要償に必要な料金も含まれています。
特定記録もオプションサービスのため、基本料金とは別に料金が発生します。手紙やはがきなどの郵便物や、ゆうメールに対しても、オプション利用時の加算料金は同じ160円の追加となっています。なお、オプション料金160円は、はがき1枚だけの場合でも、定形外郵便の最大重量となる4kg程度の郵便物でも、同一の追加料金です。
特定記録郵便は、補償付帯や休日配達、配達時の記録がない分、簡易書留よりも安く利用できます。
特定記録のオプション料金は、一定の条件を満たせば1通あたり11円の割引を受けられます。一度に300通以上を送る人が対象です。事業において郵便サービスを利用することの多い法人や個人事業主は、知っておくと便利なサービスといえるでしょう。
特定記録郵便の出し方やメリット・デメリットについて、次の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
簡易書留と特定記録は、追加料金が異なるだけではありません。いつどんな風に配送してくれるかといった配送方法も異なります。
簡易書留の受け取りは、対面手渡しが前提となっています。不在の場合には、本人が希望しても、郵便ポストに投函してくれることはありません。なお、受け取る住宅が戸建て住宅で、宅配ボックスが設置されている場合に限っては、宅配ボックスへの配達が可能です。
対面手渡しで簡易書留を受け取る際には、サインもしくは印鑑が必要です。
特定記録は対面手渡しではなく、郵便受けへの投函が基本です。そのため、配達される時間帯に在宅である必要はありません。他の郵便物と一緒に郵便受けへ投函されるため、紛失や盗難のリスクがまったくないとはいい切れません。特定記録郵便に対して補償はついていないため、注意が必要です。
簡易書留も特定郵便も、郵便配達サービスの有料オプションサービスです。差出場所は郵便局の窓口のみとなっています。
局の規模に関わらず、全国どこの郵便局の窓口でも受け付けています。窓口には、書留・特定記録郵便物等差出票が置かれているので、必要な事項を記入したうえで郵便物と一緒に窓口へ出しましょう。
参考:書留や特定記録を差し出す際、ポスト(郵便差出箱)へ投かんできますか?
簡易書留と特定郵便とでは、万が一の紛失や盗難時における補償の有無が異なります。
簡易書留の補償額は、最大5万円までの実損額です。同じ書留サービスの中でも一般書留や現金書留では、さらに高額な補償をつけることもできます。
なお、簡易書留での補償は、宝石や貴金属など高価な価値を持つものは対象外となっています。そのため、これらの物品を送る場合には、簡易書留ではなく一般書留を利用しましょう。
特定記録には、万が一の紛失や盗難に際しての補償は付いていません。オプションでつけることも不可能です。配達記録が必要な人にとって、特定記録は便利なサービスです。しかし、高価なものを送る場合など、万が一の際に経済的な損失が出てしまう場合には、補償の付いた書留サービスを利用する方が安心かもしれません。
簡易書留と特定記録では、いつ自宅へ配達されるかという点が異なります。
簡易書留は、平日だけでなく、土日や休日などにも配達を行います。仕事などで配達時に不在だった場合、当日の夕方17時までに再配達の連絡をすれば、当日21時までの再配達も可能です。
特定記録の郵便物は、ほかの一般郵便と同じタイミングで配達されます。そのため、土日や休日など、郵便局の配達サービスが行われていない日には、基本的に配達はされません。そのため、差し出すタイミングによっては、簡易書留よりも特定記録の方が配達までにかかる日数は長くなるといえるでしょう。
なお、特定記録には速達や配達日指定といったオプションサービスをつけられ、それらを利用した場合には、土日祝日の配達も可能となります。
簡易書留と特定記録は、どちらも郵便物の追跡が可能です。しかし、どこまで詳細に追跡できるかという点が異なります。
簡易書留は、差し出しから経由地、受領日時まで細かく追跡できます。追跡には、発送の際に発行されたお問い合わせ番号を使い、郵便追跡システムで速やかにチェックできます。
特定記録では、発送したことと配達が完了した記録を確認できます。郵便追跡システムや配達完了メール通知サービスを利用することが可能です。
本記事では、簡易書留と特定記録郵便の違いのさまざまな違いについて解説しました。
簡易書留 | 特定記録郵便 | |
---|---|---|
追跡 | 〇 | 〇 |
補償 | 5万円まで | なし |
受取方法 | 手渡しもしくは配達ボックス | 郵便受け(ポスト)への投函 |
配達日数 | 普通郵便と同程度 | 普通郵便と同程度 |
土日祝日の配達 | 〇 | × |
加算料金 | +350円 | +160円 |
どちらのも非常に便利なオプションサービスです。郵便物の内容によって、適宜使い分けるのがおすすめです。
郵便物の種別 | 現在の料金 | 検討中の料金 |
---|---|---|
定形郵便物(25グラム以内) | 84円 | 110円 |
定型郵便物(50グラム以内) | 94円 | 110円 |
はがき | 63円 | 85円 |
レターパック、速達など | 値上げを検討中(詳細は未定) |
2023年12月18日、総務省は郵便料金値上げの方針を示しました。定形郵便物に関しては現在の25グラム以内、50グラム以内という重量区分がなくなり一律110円に、はがきは現在の63円から85円にすることを検討しているとのことです。なお、詳細は決まっていませんが、レターパックや速達などの料金も値上げの検討がされています。
参考:日本経済新聞「郵便料金値上げへ 定形封書110円・はがき85円」
契約書の送付に多く利用されているレターパックの値上げも検討されているということで、郵便料金の値上げにともない契約業務に関するコストの増大も予想されます。そこで、この機会に電子契約サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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