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様々な業務にともなって押印の機会がありますが、その中でも多くの従業員に関わるものとして「経費精算」があります。
各従業員は業務に関わる費用を一時的に負担することがありますので、できるだけスムーズにこの経費精算フローを進めたいものです。また、このフローは当該従業員の上司から経理担当まで、部署をまたぐことになるため、より業務効率化を図りたいところです。
ここでは経費精算の基礎を説明し、その流れや注意点、そして効率を上げるための方法についても解説していきます。
そもそも「経費精算」とは、支出した費用(あるいは支出予定の費用)につき、これを経費として認め、会計上で処理することをいいます。とりわけ、個々の従業員が支出する費用を指すことが多く、出張に際しての交通費や宿泊費などはその代表例です。
業務を遂行する上で支出する金銭は経費となりますので会社が負担すべきですが、臨機応変に対応していくために、いったん従業員に負担してもらうといった対応をとります。ちょっとした支出まで事前に会社が用意しておかなければならない、従業員も承認を受けなければならないとなると、迅速な業務遂行ができなくなるからです。
予定を組みやすい事柄に関しては事前に手続きを進めておくことも多いでしょうが、結果的に金額にずれが生じることもあります。したがって、「一度支出した費用についてはあとで経費精算として処理する」ということが一般的に行われています。
どんな支出でも経費精算の手続きを取ればすべて経費として扱えるわけではありません。経理担当が経費になるものとならないものを区別できることはもちろん、その他の従業員もできるだけその知識を持っておくことが望ましいといえます。
経費になる主な費用としては、以下が挙げられます。
重要なのは形式面ではなく、実態がどうであったのかというところです。表題に「交際費」と書けば何でも交際費になるわけではありません。きちんとルールに則り、税務署による税務調査が入ったとしても問題なく経費だと主張できるものを精算していくことが大切です。
事業に関する支出であっても、経費にならないものもあります。
例えば、法人税などの税金は、経費にあたりません。その他、借入金の返済や不動産賃貸に係る敷金の支払いなども経費になりません。
当然ですが、事業と関係のない支払いについても経費にはできません。出張に際しての交通費は基本的に経費にできますが、業務に必要のない移動があった場合には経費にはできません。出張に伴い、仕事が終わったあとに遊びに出かけた分まで精算することは経費として承認されないでしょう。
それでは、従業員が経費になる費用の支出をした場合を想定し、どのような流れで処理してくのかを見ていきましょう。
従業員が立て替え払いするケースを紹介します。
交通費や宿泊費など、業務に関連して様々な支払いが発生し得ます。社用車のガソリンを入れることもあるでしょうし、駐車場代が発生するかもしれません。
その際重要なのは、確実に領収書を受け取るということです。レシートなど、少なくとも支払いが発生したこと、何にお金を使ったのかを証明できるものを受け取ります。
続いて、従業員は入手した領収書等とともに、経費精算書を作成します。
書類は社内ルールに基づいて運用されているフォーマットを用いて作成しましょう。もし、フォーマットが手元にない場合は、すぐに経理担当者に確認が必要ですが、「作成日・請求日」「申請者名」「支払金額」「支払請求の内訳」といった事項を記載します。打ち合わせを伴う飲食の経費申請には、参加者や参加人数の報告を求める企業もありますので、その場合は記載しましょう。
経費精算書を作成してそのまま経理部門や担当者に提出することもありますが、上司による確認・承認を要するケースも少なくありません。このフローに関しても社内ルールによりますので、内部規定を一度確認しておくと良いでしょう。
なお、上司による承認を要する場合、従業員自身の押印に加え上司の承認印等をもらうことになります。
上司の承認を得て当該部署内で認められた経費精算書は、その後経理担当部署に提出されます。
実際に経費としての処理を行うのは上司ではなく経理担当者だからです。
そのため経理担当者が再度内容をチェックします。経理担当者は、領収書の記載内容と申請内容にずれがないかという確認とともに、会計上の専門的知見に基づいて経費として処理することが可能なのかが評価し、仕訳(会社の帳簿に計上すること)を行います。
法令や社内ルールと照らし合わせて経費として計上することに問題がないことを確認が終わった後に、従業員に経費が支払われます。
つまり、立て替え払いをした従業員は、会社の支出であるにもかかわらず、支払いが行われるまで個人的な負担を負うことになってしまうのです。
会社としては、一時的なものとはいえ、従業員の金銭的な負担を減らすためにも、また、上司や経理担当の作業時間を短縮するためにも、業務フローの効率化を図ることが重要です。
経費精算書にもいくつかの種類があります。会社によって名称が違っていたりより細かく分かれていたりすることもありますが、よく使われているものについて紹介します。
「仮払経費申請書」は、従業員の負担を考慮し、前払いをするために作成する書類です。
事前に支出予定額を算定することで、仮払金を出金できるようにします。
厳しいチェック体制の会社だと、金額が正しいことを示す資料の添付を求められるかもしれません。そうすると下調べの負担がかかってしまいますが、この手続きを経ることで一時的な自己負担を避けることができます。
特に大きな費用について運用すると良いでしょう。
「仮払経費精算書」は上の仮払経費申請書に対応する書類です。
実際に従業員が支出した金額がいくらなのか、経費精算すべき本来の金額を記載します。
事前に出していた仮払経費申請書と見比べながら、予定より多くの支出が生じたのなら追加で従業員に対して支払いをし、逆に予定より少ない金額で足りたのなら返金を求めることになります。
「出張旅費精算書」は、出張費等に関して別途設けた経費精算書です。
他の費用と異なるフォーマットにしたほうが、経理部門や承認者が確認しやすいことから設けられているものです。その他、経費ごとに「○○精算書」といった書類が用意されていることも考えられますので、確認しましょう。
経費精算にあたっては、コンプライアンスの観点からも「経費として法的に認められるかどうか」「税務上の問題がないか」といった点に注意が必要です。また、経費が増えてしまうと会社の利益が小さくなってしまいます。場合によっては不正な申請を防止する仕組み作りも大切です。
また、法人税との関係を考慮することも重要です。計上する費用の種類によって、法人税に影響が及ぶものもあります。使用目的によって判断が分かれることもありますし、税金の計算において費用として認められないこともあります。
こういった点にも留意し、戦略的に経費精算の体制を整えていくことが大切です。
経費精算はあくまで内部的な業務であり、売上に直接影響を与える業務ではありません。そのため、できるだけ効率を上げてより注力すべき作業に時間を割けるようにすべきです。
そこで、以下の方法を検討してみてはいかがでしょうか。
業務効率を上げる方法として「アウトソーシング」が挙げられます。
経費精算だけを外注するのではなく、経理業務全体のアウトソーシングの一環として組み込まれるケースが多く見られます。税理士事務所、税理士法人などで記帳代行などと併せて実施しているケースもあり、経費精算書のチェックなども代行してもらえます。プロに任せることで精度と効率が上がる一方、相当のコストは発生します。
業務システムの導入によって効率化を狙う方法もあります。
特に近年はクラウドサービスも多様化し、経費精算を含む様々な業務をシステム上でこなせるようになってきています。
経費精算システムは、かつては社内にシステムを構築し、当該システムを内部で管理しつつ運用する「オンプレミス型」と呼ばれるタイプが一般的だったのですが、今では「クラウド型」が主流になっています。クラウド型は、インターネットを介してシステムにアクセスし、システムの管理はベンダーが行い、自社はユーザーとしてこれを利用するというタイプです。
クラウド型では自社でメンテナンス等を行う必要がなく、導入コストが低いなどの利点があります。経費精算に関してもクラウドサービスで対応すれば効率化が図れ、従業員の金銭的負担、経理担当の手間なども削減できるでしょう。
クラウドサービスにも様々な種類がありますが、押印フローの機能やタイムスタンプの機能が搭載されていれば、よりスピーディに、電子帳簿保存法にも対応した経費精算の処理ができるようになるでしょう。
「電子印鑑GMOサイン」を導入すれば経費精算の効率化はもちろん、社内の押印フローを広く電子化できるため業務全体が円滑に進むようになります。この機会にぜひご検討ください。
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