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こちらの記事は2023年度のIT導入補助金についての内容です。
中小企業や個人事業主を対象としたIT導入補助金は、最大450万円までの交付を受けられる便利な制度です。そのため、ビジネスをIT化して業務の効率化や業績アップにつなげたい場合には、ぜひ活用すべき補助金制度の一つと言えるでしょう。
しかし、IT導入補助金を利用する際には注意点が多く存在し、申請枠やパソコンの購入方法などが適切でない場合には対象外になってしまう可能性があります。
そこで本記事では、IT導入補助金の申請方法について詳しく解説します。
IT導入補助金の対象となるのは、主に顧客管理ツールやECツールなどIT化によって業績アップや業務効率化などの効果が期待できるツールやソフト、設備です。しかし、必ずしも業務のみで使う予定でない目的で購入したパソコンやタブレット、スマホを単独で購入した場合にはIT導入補助金の対象外となってしまう可能性が高いです。
補助金申請にはいくつかの種類がありますが、通常枠ではパソコン購入費用は補助金対象になりませんので注意しましょう。
パソコンやタブレットなどの通信機器をはじめ、オフィス設備のプリンターやスキャナーなどを単独で購入する場合には、IT導入補助金の対象外になります。しかし、IT化に伴うツールやシステムを導入する際にパソコンは必要不可欠なデバイスですので、全社員のデスクに設置する必要があるでしょう。
そこでおすすめなのが、業務効率化と関連づけたツールやソフトの導入とセットにしてパソコンを購入する方法です。ツールやソフトを合わせて購入すれば、パソコンやタブレット、スキャナーなどの購入費用もIT導入補助金の対象となりますので、ぜひまとめて購入しましょう。
IT導入補助金は、ツールやソフトの種類によって補助上限額や補助率が異なります。
類型 | デジタル化基盤導入類型 | |||
---|---|---|---|---|
補助額 | ITツール | PC・タブレット等 | レジ・券売機 | |
機能C | (下限なし)~350万円 | ~10万円 | ~20万円 | |
機能D | 内、~50万円部分 | 内、50万円超~350万円部分 | ||
機能要件 | 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 | 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 | 左記ITツールの使用に資するもの | |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 | 1/2以内 | |
対象ソフトウェア | 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト | |||
補助対象 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、ハードウェア関連費、導入関連費 | |||
ハードウェア購入費 | PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 :補助率1/2以内、補助上限額10万円 | |||
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円 |
パソコンやタブレットなどの購入費用では、ITツールの導入とセットとなっていることが条件です。その場合、補助上限額は10万円、補助率は1/2以内となっています。
IT導入補助金を活用してパソコン購入する際には、必要な書類をすべてそろえて申請して審査に合格する必要があります。一連の手続きについて詳しくご紹介します。
まずはIT化によって事業をどのように効率化したいのか明確化して、そのためにはどんな種類のITツールが必要なのか決めなければなりません。最初の段階がビジネスや事業の方向性を大きく左右するので、事業計画書の作成と合わせて慎重に検討しなければいけません。
IT導入補助金では、対象となるITツールが複数あります。しかし、どのITツールを導入する場合でもIT導入支援業者との契約が義務付けられていますので気をつけましょう。そのため、業者と相談しながら役立つツールを探す方法がおすすめです。
IT導入補助金の申請は、IT導入補助金サイトから行います。このサイトを利用する際には、IT導入支援業者から招待リンクを受け取ってgBizIDアカウントを作成する必要があります。アカウントを取得すれば、IT導入補助金を申請できるだけでなく、審査結果の確認や交付通知なども確認できるようになります。
gBizIDは、行政サービスをオンラインで受ける場合にも利用します。gBizIDを取得するには申請してから2週間程度かかるため、できるだけ早く取得しておくと良いでしょう。
IT導入補助金の申請時には、SECURITY ACTIONへの宣誓も条件の一つです。SECURITY ACTIONとは、中小企業が今後情報セキュリティ面において積極的に対応する意欲を示すための制度です。オンラインですぐに済ませられるため、gBizIDを取得したらできるだけ早めに宣誓しておきましょう。
SECURITY ACTIONには、1つ星と2つ星の2種類が存在します。1つ星は、「情報セキュリティ5か条に対して取り組みます」という宣言になります。一方2つ星は、「自社における情報セキュリティの状況を把握分析したうえで基本的な方針を定め、それを社外へ公開します」という宣言です。
なお1つ星と2つ星のどちらを選んでも、審査結果には影響しません。
IT導入補助金の申請には、必要書類を準備する必要があります。法人と個人事業主では、必要書類は異なりますが、どちらでも事業計画書は必要不可欠です。
事業計画書の作成時には、IT導入補助金の目的を意識すると審査に通りやすくなるでしょう。IT支援業者が事業計画書の作成をサポートしてくれる場合もあるため、プロの意見やアドバイスを参考にして作成しましょう。
①運転免許証または運転経歴証明書または住民票
•住民票は登録申請日から遡って、3か月以内に発行されているものに限ります。
•運転免許証は登録申請日が有効期限内であるものに限ります。
•免許証の裏面に変更履歴が記載されている場合は、裏面も提出してください。
②所得税の納税証明書(その1またはその2)
•直近分のものに限ります。
•税務署の窓口にて発行されているものに限ります。
•電子納税証明書の場合は、交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマット(窓口発行の納税証明書と同一フォーマット)のみ有効です。※XML形式で発行された納税証明データシート等は認められません。
③確定申告書•令和4年分であること。
•税務署にて受領されていることが確認できるものに限ります。※個人事業主で、旧姓で事業を行っており、①と②及び③の姓名が不一致となる場合、姓名の変更がわかる書類を、①とあわせて添付してください。
個人事業主の場合は、所得税の納税証明書および確定申告書を提出します。また運転免許証か運転経歴証明書、もしくは住民票の提出が求められます。
①履歴事項全部証明書
•登録申請日から遡って、3か月以内に発行されているものに限ります。
②法人税の納税証明書(その1またはその2)
•直近分のものに限ります。※一期の決算を迎えたうえで提出すること
•税務署にて発行されているものに限ります。
•電子納税証明書の場合は、交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマット(窓口発行の納税証明書と同一フォーマット)のみ有効です。※XML形式で発行された納税証明データシート等は認められません。
中小企業の場合には、法人税の納税証明書および履歴事項全部証明書を準備して、申請書とともに提出します。
補助金の申請は、IT導入補助金サイトの申請マイページから行います。指定されている必要な書類と事業計画書を提出しましょう。書類に不備がなければ審査が始まり、審査結果は申請マイページで通知されます。なお審査結果は、申請した事業主本人だけでなく、IT導入支援を行う施工業者に対しても通知されます。
審査に通ったら、ITツールの導入施工をスタートさせましょう。補助金の交付は、施工がすべて終了したタイミングで施工業者に対して国から直接交付されます。施工が終わらなければITツールの導入にかかった具体的な金額が確定しないため、すべての施工が終了した段階まで補助金は交付されません。
なおIT導入補助金の申請を行っても、交付決定通知を受け取るまでは施工を始めてはいけない点に注意してください。なぜなら決定前に施工を始めてしまうと、IT導入補助金の対象外となってしまいますので、気をつけましょう。
ITツール導入の施工が終了したら、国からの補助金を差し引いた自社の負担分の代金を支払いましょう。
施工が終了したら、事務局へ施工が終了した旨を報告しましょう。事業実績を報告する際には、業者へ発注したITツールの契約書や納品書、支払ったことを証明する領収書などの資料も合わせて添付します。これらの手続きはすべてIT導入補助金の申請マイページで進められます。
事業実績の報告後には、最初に申請した施工内容と同じかどうか、適切な施工内容だったか、費用面で不正がないかといった確定審査が行われます。確定審査を受けて問題がなければ、IT導入支援業者へ直接国から補助金が交付されます。
IT導入補助金を活用してITツールを導入した場合、施工後3年間の効果報告義務が発生します。つまり、ITツールを導入して具体的にどんな効果がどの程度あったのかを3年間国に対して報告しなければなりません。
ITツールの導入は、業務の効率化や生産性アップなどが目的です。そのため、効果報告書ではこれらの点を念頭におき、原価や売上に関するデータ、従業員の数や終業時間の変動などをまとめて提出します。
もし効果報告義務を怠ってしまった場合、補助金の返還を要求されるケースに陥りかねませんので気をつけましょう。
IT導入補助金を使ってパソコンを購入する際には、いくつか注意点がありますので詳しく解説します。
IT導入補助金には、デジタル化基盤導入枠と通常枠、セキュリティ対策推進枠があります。このうち、パソコン購入が補助金対象として認められているのは、デジタル化基盤導入枠のみです。
またデジタル化基盤導入枠で申請しても、パソコン単体での購入では対象外となります。ITツールの導入とセットで申請する必要があるので、気をつけましょう。
パソコン購入とセットで申請するツールやソフトには、IT導入補助金の対象となるのに必要な機能があります。受発注や決済を行う機能、会計機能、EC機能などが挙げられますが、これらのうちいずれかの機能を備えていることが条件となっていますので、注意しましょう。
IT導入補助金の申請は、いつでもできるわけではありません。公募期間が設定されているため、希望する枠の公募期間内に必要書類をそろえて申請する必要がありますので、締切日に気をつけましょう。
IT導入補助金を利用すれば、業務に必要なパソコンなどのデバイスや設備の用意にかかる費用を国が負担してくれます。ビジネスでIT化を進めるには、必ず使っておきたい補助金と言えるでしょう。
しかし、デバイスの購入方法や手続きには詳細な注意点が多く存在しますので、不備やミスがあると審査に通らなかったり補助金を返還せざるを得なくなったりする可能性があります。そのため本記事でご紹介した内容を参考にして、適切に対応しましょう。
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