インターネット環境があればいつでもどこからでもデータのアップロード、保存が可能なクラウドストレージは、個人から法人まで幅広く利用されています。ただ、種類により機能や容量、利用料金は大きく異なるため、どのサービスを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、クラウドストレージを選ぶ際のポイントから、個人向け、法人向けのおすすめサービス、複数のクラウドストレージを使い分けるメリット・デメリットをお伝えします。
※本文で紹介しているクラウドストレージサービスの料金はすべて2025年5月18日現在のものです。
クラウドストレージを選ぶ際のポイント
クラウドストレージを選ぶ際の主なポイントは次のとおりです。
容量が大きいかどうか
保存するデータが多い場合は、まず容量を確認しましょう。法人向けの有料タイプでは保存容量が無制限のものも少なくありません。
ただ、個人でも画像や動画など容量の大きいデータを多く保存する場合は、できるだけ保存容量の多いサービスを選ぶのがおすすめです。
もし保存するデータがそれほど多くない場合でも、最低5GB以上あるサービスを選んでおけば、後になって容量が足りなくなるリスクを低減できます。
国内製か海外製か
クラウドストレージには国内製のものもあれば、海外製のものもあります。基本的には国内製の方が日本語で利用できる、問い合わせへの対応がスムーズなどのメリットがあります。
これに対し海外製は、保存容量が大きい、他言語対応などのメリットがあるものの、サポートが日本語対応でない場合、特に個人利用であれば避けた方がよいでしょう。
無料か有料か
個人、法人問わず、コストはできるだけ抑えられる方が良いのは間違いありません。しかし、セキュリティ面や効率面などを考えた場合、特に法人は無料のクラウドストレージは避けるべきです。
万が一、顧客情報は自社の機密情報が漏れてしまえば、金銭的な損害はもちろん、社会的な信用も失ってしまいます。そのため、セキュリティ対策が万全で、自分たちにとって必要な機能が備わったクラウドストレージを選ぶことが重要です。
機能が豊富かシンプルか
自社の求める機能があるかどうかも、クラウドストレージ選びに欠かせないポイントです。不要な機能が多くあっても操作が複雑になるだけで効率的ではありません。
しかし、価格面を意識し過ぎてシンプルなタイプを選択しても、必要な機能がなければ意味がありません。事前に必要な機能を明確にした上で選択することが重要です。
サポート体制は充実しているか
ファイルがアップされていない、ログインできなくなったなど些細なことであっても、トラブルが起きれば作業が進まなくなります。その際に重要になるのがサポート体制です。
メールだけではなく電話での問い合わせができるか、日本語でのやり取りは可能かなど、クラウドストレージを安心かつ快適に活用するには、サポート体制の確認も欠かせません。
実績が豊富かどうか
特に法人利用の場合、これまでの導入企業数やサービス提供年数は確認すべきです。企業としてクラウドストレージを利用する以上、サービスの信頼性は重要なポイントとなります。
【個人利用向き】無料でも利用できるクラウドストレージおすすめ9選
個人で利用する場合のクラウドストレージ選びで重視すべき点は使いやすさです。
さまざまな機能があるものより、スマートフォンやタブレットに保存しきれない写真や動画をひとまず置いておく場所として使えるものを選択するとよいでしょう。
ここでは、個人利用に向いたおすすめのクラウドストレージを紹介します。
Google One (Google Drive)
Google OneはGoogle Driveの有料版です。Google Driveは、Googleが提供するクラウドストレージサービスで、Googleアカウントがあれば無料で15GBまで利用できます。15GBを超えた場合は、個人向けのGoogle One、ビジネス利用であればGoogle Workspaceなど別サービスを契約する必要があります。
Google Driveでは、保存したデータは2年間利用されない、もしくは保存容量を超過して2年間を過ぎると削除されますが、Google Oneを利用していれば対象とはならず安心して利用できます。
保存容量/料金(※) | 15GB:無料100GB:290円 2TB:1,450円 2TB(AI プレミアム):2,900円 AI プレミアムプランでは、Googleの生成AI「Gemini Advanced」 を利用可能 |
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Amazon Photos
Amazonが提供するクラウドストレージサービスです。Amazonに登録していれば、5GBのファイルストレージ、Amazonプライム会員であれば、加えて無制限の画像ストレージが利用できます。
すでにAmazonに登録している、プライム会員になっている方であれば、新たに契約をする必要がないため、気軽に利用できるクラウドストレージサービスです。
保存容量/料金 | Amazon会員 5G(ファイルストレージ)無料 Amazonプライム会員 5G(ファイルストレージ) 無制限(フォトストレージ) ※プライム料金内のサービス 100GB:250円/月 1TB:1,300円/月 |
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Dropbox
海外の企業が提供するクラウドストレージサービスです。シンプルなつくりながら、アップしたデータはフォルダを使って分類したり、階層化したりできるため、管理がしやすい特徴があります。
保存容量/料金 | 2GB:無料 2TB:1,500円/月 1,200円/年 3TB:2,400円/月 2,000円/年 |
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One Drive
マイクロソフト社が提供するクラウドストレージサービスです。Windows10以降のパソコンには標準で搭載されているため、すぐに使えるのは大きなメリットです。
保存容量/料金 | 5GB:無料 100GB:260円/月 1TB:2,130円/月 1TB(1人:最大6人まで):2,740円 |
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Box
Boxは海外企業が提供する、無料プランでも10GBまで利用できるクラウドストレージサービスです。電子サインも上限5ドキュメントまで利用できるため、個人事業主の方が電子契約のお試しとして利用するのもよいでしょう。
保存容量/料金(※) | 10GB:無料 100GB:1,390.40円 |
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iCloud(無料プラン以外の名称はiCloud+)
iCloudはアップル社が提供するクラウドストレージサービスです。iPhoneやiPad、Macユーザーであれば標準で搭載されているため、すぐに利用できます。ただし、Android端末では利用できません。
保存容量/料金 | 5GB:無料 50GB:150円/月 200GB:450円/月 2TB:1,500円/月 6TB:4,500円/月 12TB:9,000円/月 |
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MEGA
MEGAは海外の企業が提供するクラウドストレージサービスです。無料プランでも100バージョンまでのファイル管理や最大1時間の通話・ミーティングなどの機能が搭載されています。個人のプライベート利用のほか、個人事業主にもおすすめのサービスです。
保存容量/料金 | 10GB:無料 2TB:1,624円/月 8TB:3,250円/月 16TB:4,876円/月 ※現地通貨での推定価格です。ユーロで請求されます。 |
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pCloud
pCloudは海外の企業が提供していて、データをpCloudにアップする仮想ドライブ方式のクラウドストレージサービスです。主にパソコンを使う方向けで、個人向けとしてはセキュリティのレベルも高く、買い取り型の生涯プラン(99年またはアカウント所有者の生涯のいずれか短い方の期間)を提供しているのが特徴となっています。
保存容量/料金 | 年間一括払いプラン 500GB:49.99アメリカドル 2TB:99.99アメリカドル 10TB:199.99アメリカドル 買い取りプラン 500GB:199アメリカドル 2TB:399アメリカドル 10TB:1190アメリカドル |
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firestorage
firestorageは、日本の企業、ロジックファクトリー株式会社が提供するクラウドストレージサービスです。データを保存するというよりはデータの受け渡しを主とするサービスで、利用できる容量はアップロードできる最大のサイズとなっています。
最大アップロード容量/料金 | 2GB:無料 5GB:1,320円/月 10GB:2,420円/月 |
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【法人利用向き】大容量データの保管や共有に最適なクラウドストレージおすすめ5選
法人で利用する場合のクラウドストレージ選びで重視すべきポイントは機能とセキュリティです。
また、自動バックアップや複数人による共同編集などの機能面についても、事前に必要な機能を明確にしておくと、自社に合ったものを選びやすくなります。おすすめのクラウドストレージは次の5つです。
Fileforce
Fileforceは、ファイルフォース株式会社が提供するシンプルな操作性ながら、多機能かつ高セキュリティのクラウドストレージサービスです。情報漏洩対策やバックアップ。災害対策が充実しているため、法人でも安心して利用できるでしょう。
プラン | Small Business | Unlimited-1 | Unlimited-3 | Unlimited-10 | Unlimited-30 |
料金 | 990円/1ID/月 | 60,000円/月 | 108,000円/月 | 216,000円/月 | 360,000円/月 |
保存容量 | 100GB/10ID | 1TB | 3TB | 10TB | 30TB |
主な機能 | ・オンライン編集(マイクロソフトoffice連携) ・フォルダ、ファイルの高速検索 ・ランサムウェア対策機能 ・SSD(SAML2.0対応)など | ・オンライン編集(マイクロソフトoffice連携) ・フォルダ、ファイルの高速検索 ・ランサムウェア対策機能 ・SSD(SAML2.0対応)など | 左記に加えて ・SmartFolder™ for 電帳法 ・Active Directory連携 ・SCIM連携など ※全てオプション料金要 | 左記に加えて ・fireforce活用のための各種設計・運用設計 ・データ移行支援など ※オプション料金要 |
セキュアSAMBA
セキュアSAMBAは、株式会社kubellストレージが提供するクラウドストレージサービスです。導入から運用まで充実のサポート体制であるほか、高い信頼性を誇るAWSを利用しているため、データを安全に保存します。
プラン | フリー | スタンダード | ビジネス | エンタープライズ | エンタープライズ | エンタープライズ | エンタープライズ | エンタープライズ |
料金 | 無料 | 25,000円/月 | 35,000円/月 | 48,000円/月 | 88,000円/月 | 128,000円/月 | 178,000円/月 | 298,000円/月 |
保存容量 | 5GB | 300GB | 500GB | 1TB | 3TB | 5TB | 10TB | 30TB |
主な機能 | ・ユーザー数3人 ・メールサポート | ・ユーザー数無制限 ・メール ・電話サポート |
使えるファイル箱
使えるファイル箱は、使えるねっと社が提供するクラウドストレージサービスです。法人向けとしては比較的安価ながらユーザー数無制限な上、シンプルな操作性で高いセキュリティを誇っています。
プラン | スタンダード | アドバンス |
料金 | 19,300円/月 | 55,000円/月 |
保存容量 | 1TB | 3TB |
主な機能 | ・マイクロソフトoffice連携 ・IPアドレス制限 ・ダウンロード回数制限 ・宛先指定送信 ・プレビュー/ダウンロード選択など |
Everidays
Everidaysは、株式会社yettが提供するクラウドストレージサービスです。官公庁や教育機関、金融などでも多く使われていることから、セキュリティの高いサービスであることが伺えます。純国産サービスでサポート体制も万全です。
プラン | スターター | プロフェッショナル |
料金 | 8,910円/月 | 1TB:20.520円/月 2TB:35,640円/月 3TB:53,460円/月 4TB:71,280円/月 5TB:89,100円/月 |
保存容量 | 200GB | |
主な機能 | ・ユーザー数無制限 ・ファイル変更履歴99世代まで ・ファイル暗号化 ・ウイルス/マルウェア検知 ・脆弱性検査 ・二段階認証 ・毎時ログイン強制設定 ・IPアドレス制限設定など |
ibisStorage
ibisStorageは、株式会社アイビスが提供するクラウドストレージサービスです。電子帳簿保存法の要件を満たした検索機能があり、経理部門の効率化にも大きく貢献します。また、名刺管理機能により、営業部門での活用も可能です。
プラン | フリー | スタンダード | エンタープライズ | ユーザー数無制限 |
料金 | 無料 | 600円/1ユーザー/月 | 1,400円/1ユーザー/月 | 18,000円/月 |
保存容量 | 2GB | 300GB×ユーザー | 1TB×ユーザー | 1TB |
主な機能 | ・端末認証 ・メールサポート | ・電子帳簿保存(約150万枚×ユーザー) ・電子帳簿AI-OCR自動認識(1,200枚×ユーザー/月) ・端末認証 ・メールサポート | ・電子帳簿保存(約500万枚×ユーザー) ・電子帳簿AI-OCR自動認識(2,800枚×ユーザー/月) ・端末認証 ・監査ログ ・メールサポート | ・電子帳簿保存(約500万枚) ・電子帳簿AI-OCR自動認識(18,000枚/月) ・端末認証 ・監査ログ※ ・メールサポート |
クラウドストレージを利用するメリット
クラウドストレージの利用には、個人・法人を問わずさまざまなメリットがあります。具体的には次のとおりです。
外出先からでもデータの確認、アップロードができる
個人の場合、旅行先やイベントなどで撮影した写真や動画を気軽に保存し、家族や友人間で共有できます。
画像や動画の共有はSNS経由でもできるものの、量が増えるとアップロードの手間がかかります。また、1回の投稿で公開できるのは数枚程度のため、閲覧する側も面倒です。
しかし、クラウドストレージであれば、一括アップロードができるため手間は最小限に抑えられます。また、大量の画像も一覧で表示され、閲覧する側のストレスもかかりません。
法人の場合、在宅や営業先からのデータアップロード、閲覧が可能になり、業務効率化が進むのに加え、多様な働き方の実現につながります。複数人での共同編集もできるため、いつどこにいても問題なく業務を進めていけるでしょう。
また、データを閲覧するためだけに会社に行く、営業先から日報を出すためだけに会社へ戻るといった必要がなくなるため、経費削減にも貢献します。
災害時のリスク低減につながる
クラウドストレージを利用した場合、特に法人において災害が起きた際のデータ消失リスク低減につながります。
重要なデータをすべて社内で保管している場合、地震や火災によりデータが消失すれば、大きな損失を招く可能性があります。しかし、クラウドサーバーに保管しておけば、万が一の際でも、業務を迅速に再開できます。
また、個人の場合でも、スマートフォンやタブレットが故障、紛失すれば保存していた写真や動画は戻ってはきません。しかし、クラウドストレージに保存していれば、スマートフォンやタブレットを故障、紛失でなくしても写真や動画は閲覧できます。
データを管理する手間が軽減される
例えば自社内でデータを管理する場合、消失リスクを防ぐため定期的にバックアップを取る必要があります。個人であってもスマートフォンの容量がいっぱいになれば、不要なデータを削除しなければなりません。
しかし、クラウドストレージであれば、そうした心配も軽減されます。ほとんどのクラウドストレージでは、自動でデータをバックアップするため、管理の手間がかかりません。
また、クラウドストレージには、データの復元機能が備わっています。誤ってデータを削除してしまっても元に戻せるので、安心してデータを保存できます。
さらに、法人の場合、自社内のサーバーにデータを保存している場合、メンテナンスの手間やコストもかかりますが、クラウドストレージであれば、その必要もありません。サーバー管理担当者を設置する必要もないため、コスト削減に大きく貢献します。
複数のクラウドストレージを使い分けるメリットとデメリット
特に法人の場合、複数のクラウドストレージを使い分けるケースも珍しくありません。複数のクラウドストレージを使うことでどのようなメリットがあるのでしょう。ここでは、デメリットと併せて紹介します。
複数のクラウドストレージを使い分けるメリット
複数のクラウドストレージを使い分ける主なメリットは次のとおりです。
容量を気にせずデータを保存できる
企業規模にもよるものの、企業が扱うデータは膨大です。さらにデータの種類によっては保存期間が決められているものもあり、保存量は年々増加します。
そのため、1つのクラウドストレージだけでは保存できる量も限られてしまい、あぶれたデータに関しては、自社内で保存しなければなりません。
しかし、複数のクラウドストレージを使い分ければ、容量の上限を心配することなく、データを保存できます。
クラウドストレージを1つだけ使うのに比べさらなる災害対策につながる
社内のデータをクラウドデータに移行することで災害対策になるのは大きなメリットです。さらに複数のクラウドストレージに分散して保存すれば、災害対策が強化されます。
通常、クラウドストレージを管理するデータセンターは、災害に強い立地に建てられ、災害対策を十分に施した建物のため、単体でも十分に災害対策として成り立ちます。ただ、当然ながら100%の安心はないため、万が一のリスクは避けられません。
しかし、複数のクラウドストレージを使い分ければ、万が一、1つのクラウドストレージが使えなくなっても、他のクラウドストレージにあるデータは守られます。
コスト削減につながる可能性が高まる
複数のクラウドストレージを利用すると、当然コストが上がると考えられるかもしれません。しかし、使い方によってはコスト削減につながる可能性もあります。
例えば、利用しない機能が多くコストも高いクラウドストレージよりも、必要最低限の機能を持ったクラウドストレージを2つ使う方がコストダウンは可能です。
自社にとって何が必要で何が必要でないかを精査した上で、クラウドストレージを選択すれば、1つのサービスに絞るよりも複数を使い分ける方が、コストダウンにつながる場合があります。
機能により使い分けが可能になる
一口にクラウドストレージと言っても種類により得手不得手があります。保存容量が無制限なタイプ、セキュリティが高いタイプ、災害に強いタイプなどさまざまです。
複数のクラウドストレージを使う場合、この得手不得手によって使い分けることで、より安全かつ効率的なデータ活用が実現します。
複数のクラウドストレージを使い分けるデメリット
複数のクラウドストレージを使い分けることで多くのメリットを得られるものの、使い方によってはデメリットの方が勝ってしまうケースも少なくありません。具体的には次のとおりです。
管理の手間が煩雑になる
クラウドストレージは種類により、管理方法が少しずつ異なります。そのため、複数のクラウドストレージをを使う場合、それぞれの管理方法を覚えておく必要があります。
それぞれのクラウドストレージの使い方を把握していないと、誤ってデータを削除してしまう、欲しいデータを見つけられなくなるなど管理が煩雑になりかねません。
データ管理の効率化を目的にクラウドストレージを使っているにも関わらず、結果的に非効率になってしまうのは、大きなデメリットといえるでしょう。
セキュリティリスクが高まる可能性がある
クラウドストレージの管理が煩雑になれば、当然、セキュリティリスクが高まる可能性もあります。
クラウドストレージ自体のセキュリティリスクもあるものの、それ以上に誤操作や使い方の認識不足などヒューマンエラーが起きるリスクが増加するでしょう。
クラウドストレージには社内の重要文書が含まれる場合もあるため、セキュリティリスクが高まれば、大きな損失につながる可能性もあります。
コスト増になってしまうリスクがある
複数のクラウドストレージを使い分ける場合、それぞれの機能を精査すれば、コストダウンも可能です。しかし、複数を使い分けることを重視し過ぎると、コスト増になるリスクがあります。
また、クラウドストレージによっては、利用者数によって月額料金が異なるものもあり、利用者の増加と共にコスト増となるケースも少なくありません。
よくある質問
クラウドストレージを利用する際、個人、法人それぞれでよくある質問を紹介します。
どのような人・企業にクラウドストレージは向いているのですか?
クラウドストレージの利用に向いているのは、写真や動画を頻繁に撮影する、サブスクリプションサービスの音楽や動画を保存して楽しみたい人です。
スマートフォンの容量だけではすぐにいっぱいになってしまう人は、クラウドストレージを使うのに向いています。
法人でクラウドストレージの利用に向いているのは、ペーパーレス化を進めている企業、サーバー管理者がいない企業です。
ペーパーレス化を進める場合、これまで紙で作成していた書類をデータで保存する必要があります。クラウドストレージは自社サーバーに比べ、管理にかかる手間やコストを抑えることが可能です。
また、自社内でデータを管理するのは、自社サーバーの管理、メンテナンスが必要なため、管理者がいないと外部に依頼しなければなりません。そうなれば大幅なコスト増につながる可能性があります。
そのため、ペーパーレス化を進める企業やサーバー管理者がいない企業はクラウドストレージの利用がおすすめです。
セキュリティに問題はないのでしょうか?
これまでクラウドストレージを利用していない個人、法人はセキュリティ面で不安を感じるケースも少なくありません。自分もしくは自社内で保存した方が安全だと思われるのではないでしょうか。
しかし、クラウドストレージは一般的な自宅やオフィスに比べ、セキュリティ対策が万全に施されたデータセンターで管理されています。
また、クラウドストレージの種類にもよるものの、セキュリティの専門家が管理しているため、個人、法人で管理するよりもセキュリティリスクはむしろ下がるといってよいでしょう。
オンラインストレージとの違いは?
クラウドストレージに近いサービスとして、オンラインストレージがあります。どちらもクラウド上にデータをアップして保存できるサービスという点では同じです。
異なるのは、一般的にオンラインストレージは個人ユーザーを中心としたサービスで、データのアップ、保存を目的としています。そのため比較的、機能は少なめで安価に利用できるサービスが多いのもオンラインストレージの特徴です。
これに対しクラウドストレージは、データのアップ、保存に加え自動バックアップや容量の増減にも対応するなど、多機能なサービスが多い特徴があります。そのため、個人よりも法人が多く利用しています。
ただ、どちらの名称も明確な線引きがあるわけではなく、個人がクラウドサービスを使う場合もあれば、小規模な法人がオンラインストレージを使う場合もあります。
コスト面だけにとらわれず総合的に比較した上で最適なクラウドストレージの選択を
クラウドストレージは、インターネットに接続できる環境であれば、いつでもデータをアップする、アップされたデータを閲覧できるサービスです。
個人であれば、普段撮影した写真やイベントで撮った動画を管理するのに使え、法人であれば、デジタル化された書類を保存し、多様な働き方の実現に役立ちます。
ただ、一口にクラウドストレージと言ってもその種類は多様です。個人向けや法人向けなどさまざまな種類があるため、事前に用途や必要な機能を明確にする必要があります。
ポイントはクラウドストレージを利用する目的を明確にすることです。料金だけで選択すると、かえって非効率になったり、セキュリティリスクが高まったりするため、どう使うかを明確にした上で選択しましょう。