レギュレーションという言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンで広く使われ、スポーツの世界でもしばしば耳にする言葉です。

しかし、正確に言葉の意味を理解できていない方も多いかもしれません。言葉の意味を理解していないと、認識の齟齬から後々トラブルに発展する可能性もあります。

レギュレーションとは何か？

まず、レギュレーションとはどのような意味なのでしょうか。レギュレーションとは、英語のRegulationを指し、日本語では規則や規制などを意味します。

強い決まりごとのこと

レギュレーションとは決まりごとの一種です。ニュアンスとしては、絶対に守らなければならないこと、という意味合いを持ちます。

もしレギュレーションに違反した場合、罪に問われたり懲戒処分を受けたりなど何らかのペナルティが発生する可能性があります。たとえ具体的なペナルティを受けなかったとしても、社会的な評価を悪化させる恐れがあります。

重大な約束事という意味合いであることは、覚えておいた方がよいでしょう。

ルールとの違い

レギュレーションと聞いて、ルールと同様に思った方もいるかもしれません。確かに両者は近い意味で使われることが多いですが、細かく見ると異なる部分が存在します。

レギュレーションは、絶対に守らなければならない決まりというニュアンスを持ちます。しかし、ルールは守るべき規則といったニュアンスのある言葉です。そのため、言葉から伝わるイメージとしては、レギュレーションのほうがルールよりも強さを感じられます。

レギュレーションは法的もしくは公的な規則という意味合いも含まれている言葉です。違反すれば、大きな問題に発展する可能性もあります。

コンプライアンスとの違い

近年ビジネスの世界を中心として広く使われるようになった言葉として、コンプライアンスが存在します。コンプライアンスは、日本語に訳すと法令順守という意味合いがあります。企業などの組織が法令や規則を守ること、という意味を持つ言葉です。

コンプライアンスは個人よりも、企業などの組織が主体となる言葉です。しかし、レギュレーションはコンプライアンスよりも広い概念として扱われ、用いられるシーンも異なります。

レギュレーションの反対語とは？

レギュレーションと対になる言葉として、デレギュレーションが存在します。ディレギュレーションと表記される場合もあり、英語ではDeregulationと表記されます。日本語に訳すと規制緩和や規制撤廃、自由化といった意味合いがあります。

レギュレーションの意味や使われ方【シーン別】

レギュレーションは、さまざまな業界や分野で使われる言葉です。どの業界や分野で使われるかによって、レギュレーションの意味や使い方が少しずつ異なってきます。

業界別のレギュレーションの意味について紹介するため、自分の業界ではどのような意図で使われる言葉なのかきちんと理解しておきましょう。

一般的なビジネスシーンの意味

一般的にビジネスシーンでレギュレーションが使われるのは、社内規定や就業規則を表すときです。また、社内規定や就業規則に対して、それぞれレギュレーションとルールを使い分けている企業もあるかもしれません。

法的に定められている項目をレギュレーション、会社内において任意で定めている項目をルールとして使い分けることが一般的です。

ITや広告業界での意味

ITや広告業界でもレギュレーションは、頻繁に使われる言葉です。これらの業界では、広告を掲載するにあたっての規則や規約を指すと考えてください。

広告を出稿するにあたり、媒体によるサイズや文字数制限、品質に関する規定などが用意されています。また、禁止ワードなどもレギュレーションとして規定されているでしょう。広告の世界では品質維持や他社との共通化のためにも、レギュレーションを設定する必要があります。

建設業界での意味

建設業界でもレギュレーションはしばしば用いられる言葉です。この場合、都市や街におけるエリアごとの決まりごとを指すと考えてください。

地域によって、独自の規則や規制を設けている場合もあります。建設を進めるにあたって、これらの規則などを無視してしまうと、後々大問題に発展する可能性があります。レギュレーションの例としては、ビルの高さや安全対策、騒音対策などに関する規則が挙げられるでしょう。

設計する際には、建設予定地におけるレギュレーションを意識しなければなりません。

ゲーム業界での意味

ゲーム業界でもレギュレーションを使うことがあります。この場合、ゲームのプレイ方法やチュートリアルなどを指すと考えてください。レギュレーションを明確にしておかないと、ゲームが本筋から離れてしまって無秩序状態になりかねません。

遊び方については「ルール」を用いることも少なくありません。しかし、大人数が参加可能で複雑なゲームだったり、公式戦など公正にプレイするために厳格な規制が必要だったりする場合にはレギュレーションを設けることがあります。また、アミューズメント施設における参加規約のことをレギュレーションと呼ぶ場合もあります。

医療業界での意味

レギュレーションは、医療業界でも使われる言葉です。医療業界におけるレギュレーションは、おもに医薬品や医療機器に関する規則を指します。

医療業界では些細なミスが人体に深刻な影響を与えることも珍しくありません。場合によっては人命にかかわるような事態も考えられるため、厳正な規則が設けられています。有効性や副作用などの安全性へのリスク、品質など厳しい基準が設けられています。

医療は日進月歩で進化が進んでいる分野です。新薬も頻繁に開発され、開発にあたっての評価基準も定められています。このような評価基準がレギュレーションと呼ばれる場合もあります。

スポーツにおける意味

スポーツの世界でもレギュレーションという言葉を用いる場合があります。この場合のレギュレーションは、競技運営にあたっての決まりごとを指します。スポーツでは競技自体の決まりごとについてはルール、競技運営に関わるすべての規則を指してレギュレーションとしていることが一般的です。

レギュレーション違反は、出場停止や参加資格の剥奪、記録の抹消など重大な影響を及ぼすことが考えられます。

F1における意味

モータースポーツファンの方はレギュレーションと聞いて、F1のルールを連想するのではないでしょうか。モータースポーツの最高峰であるF1のレースに関連する規定のことをレギュレーションと呼びます。レーシングカーや競技コース、競技内容全般に関する規定が含まれています。

F1のレギュレーションはしばしば変更されることがあります。できるだけ公平性を保ち、健全なレースを提供するためには、レギュレーションの改正が必要だからです。

万が一レギュレーション違反が発覚した際には、対象のレーサーやコンストラクターの参加禁止や、罰金などの処分が下されることになります。

レギュレーションに関するよくある質問

まとめ

ビジネスシーンにおいて、レギュレーションは良く使われる言葉です。商談の際に使われる可能性もあるため、正しい意味を理解しておく必要があります。正しく理解していないと、思わぬところで誤解が生じる恐れもあるからです。

また業界によって、レギュレーションの意味合いが若干異なります。

自分の業界ではどのようなニュアンスで使われているのかも理解しておきましょう。