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契約書に押す印鑑に「割印」があります。これは、どのような場面で押すものなのでしょうか。ここでは、割印を押す場面やその理由とともに、ビジネスでよく使われるものの、混同しがちな「◯印」について解説します。
また、もっとも失敗しやすい「印鑑の押し方」とも言えるのが、この割印です。もう割印を失敗したくない方必見、「割印をきれいに押すコツ」もあわせて紹介します。
契約書などの書類を作成した際に契約当事者の人数分の契約書を用意することがありますが、2部以上の書類が同一の内容であることを証明するために、それぞれの契約書にまたがって押印することを「割印(わりいん)」と言います。
もし、どちらかの契約書が改ざんされた場合は、一方の契約書と内容が異なってしまいます。しかし、割印が押されていることで、少なくとも、どちらかの契約書が改ざんされていることがわかります。また、割印があることで、契約書の改ざんが明確になるため、改ざんという行為そのものを防止する効果も期待できます。
割印は複数の契約書にまたがって印鑑を押します。まずは、割印の押し方について、確認しておきましょう。
最初に割印を押したい書類をずらして重ねます。ずらし方は、書類を上下にずらしたり、斜めにずらしたりするのが一般的です。ずらした契約書の上部に、すべての書類にまたがるように押印しますが、押印は契約する当事者全員が行います。また、割印に使う印鑑は契約印と同じものを使いましょう。
二人目の当事者として2つ目の割印を押す場合は、最初に押された割印がずれないように書類の位置を調整してから押します。3つ目以降の割印も同様に行います。
ビジネスでは、押印にまつわる「◯印」という言葉がたくさんあります。それぞれ、どのような意味を持っているのでしょうか。
ここでは、いくつかの「◯印」という言葉を解説します。間違って押してしまったり、その意味を混同したりしないように注意しましょう。
契約書など2部以上の契約書が同じ内容であることを証明するために、また、書類の改ざんを防ぐためにすべての契約書にまたがって押印することを割印といいます。
印影は複数の書類にまたがって押されるため、片方の書類だけを見ると、印影の一部分しか押されていません。もう一方の書類にある印影の一部と、きれいに合うことで、書類の真正を証明しようとするものです。
複数のページに別れている契約書などの書類が、ひと続きであることを証明するために、ページの間や袋とじ部分に押印することを契印(けいいん)と言います。
ページの間、または袋とじ部分に押印されていることで、途中のページを差し替え、抜き取るといった行為があった場合、契印が途切れるため、その改ざんの事実がわかります。このため、結果的に改ざんを防ぐ抑止力にもなります。
なお、似ている言葉に「契約印」(けいやくいん)がありますが、こちらは契約のときに使う印鑑のことを指し、別のものです。
通常、契約書の内容を変更する場合には、訂正箇所に「訂正印」を押し、二重線を引いた上で修正を行います。しかし、修正が必要となるたびに相手から訂正印をもらう必要があるため、手間がかかることも事実です。そこで、訂正印をもらなくても契約書の内容を変更できるよう、欄外に押印することを捨印(すていん)と言います。
捨印を押すと、相手から訂正印もらわなくても契約書の内容が変更できるようになります。しかし、自分が捨印を押した場合を考えると、契約書の内容を相手が一方的に変更できることを許容してしまうことに他なりません。このため、相手から捨印を求められても、安易に押印しないことが重要です。
なお、「絶対に捨印を押さない」というのも良い考え方です。
切手のように収入印紙を契約書に貼った際に、契約書と印紙にまたがって押印することを消印(けしいん)と言います。消印は印紙の再使用を防ぐ目的がありますが、他にも重要な役割があります。それは「印紙税」です。
「印紙税法」によって、契約書に印紙を貼る条件や金額が定められていますが、ただ印紙を貼っただけでは「貼った=納付した」ことにはなりません。印紙を貼って、消印をすることで初めて「納付」したことになります。
ただ、印紙を貼っていても、消印がない場合は「印紙税を納めていない」ことになるので注意が必要です。
「記名押印」「署名捺印」という言葉から、記名されている書類に印鑑を押すことを押印(おういん)、自筆の署名とともに印鑑を押すことを捺印(なついん)と言う説明もしばしば見られますが、実際にはどちらも同じ「印鑑を押す」という意味の言葉です。
実際に割印を押した場合、きれいに押せなかった経験はないでしょうか。
ここではきれいに割印を押すコツをいくつか紹介します。
固い机の上で割印を押すと、紙が重なっていることで下の書類にうまく朱肉がつきません。だからといって印鑑を強く押してしまうと位置がずれたり、印影が擦れたりするため、きれいに押すのは難しいでしょう。しかし、印鑑マットを使えば、下側の書類にも朱肉がつきやすく、きれいな割印を押すことができます。
印鑑マットは、印鑑をきれいに押すための基本的なアイテムです。とくに、重ねられた紙にまたがって押す必要がある割印を押す際は必須とも言えます。面倒だといって省いたりせず、きれいな割印を押しましょう。
契約書が複数ページにまたがっている場合、1ページの契約書とは違って分厚くなるため、印鑑マットを使っても下の契約書には朱肉がつきません。このような場合は、契約書の1枚目を開いて重ね合わせ、割印を押しましょう。もちろん、印鑑マットも忘れずに使用してください。
ここでは、割印に関する「よくある疑問」について解説します。
契約書に割印を忘れてしまっても、契約印や署名があれば契約書の法的効力に影響はありません。なお、あとから割印をすることもできますが、相手先がすぐに契約書を取り出せる状況にない場合なども考えられるため、タイミングや状況を見て相談しましょう。ただし、あとから割印をする場合は、すぐに押してはいけません。契約書に変更がないか、念のため確認を行いましょう。
うまく押せなかった割印を訂正する場合、どのように行なえばよいのでしょうか。まず、思いつくのが「同じ位置に印鑑を重ねて押し直す」パターンですが、きれいに重ねることは不可能で、不正を行ったと取られかねないためふさわしくありません。失敗した割印をそのままにし、場所を変えて割印することです。訂正印のように二重線を引くことも控えましょう。
割印は、契約書を2部以上作成しする際、それらが同一の内容であることを証明するため、印鑑を複数の契約書にまたがって押すことを言います。割印をきれいに押すためには、印鑑マットを利用し、複数ページにまたがる契約書の場合は、重ねる前にページをめくり、1ページだけの状態で重ねてから割印を押しましょう。
今回は契約者の割合についてご紹介しましたが、紙での契約書対応では契約内容の改ざんなどリスクもございます。
不正な改ざんをより確実に、かつ簡単に対策する上では電子化がおすすめで、電子契約対応により署名済みの書面について、文言の変更や改ざんがあったことなど明確に分かります。
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