電子契約を求められた場合には、自社で導入していなくても、相手方のサービスをゲストとして利用する方法があります。サービス提供企業から招待メールなどが届いたら案内に従って操作するだけなので、スムーズに作業を行うことが可能です。
また、どうしても電子契約が難しい場合は、自社のみ紙の契約書を用いる方法も取れます。相手から送付された電子ファイルを2部印刷して署名・押印し、1部を返送すれば契約締結が完了です。この際、紙と電子が混在する契約となるため、保存方法や証拠力の確保に注意しましょう。
本記事では、電子契約を相手方に求められた際の対応方法やチェックすべき項目などを解説していきます。
- 電子契約を求められた場合、同一のサービスをゲストとして使用するか、片方が紙の契約書で締結することが多い
- 電子契約を求められた際は、社内規定に問題がないか、契約の期間がいつまでになるのかなどチェックしておくことが大切
- 電子契約には関連法律への理解や社内規定整備など手間がかかるデメリットもあるが、費用削減や業務効率化などメリットも多いので、早めに導入することがおすすめ
なお、JIPDECが従業員50名以上の国内企業983社を対象に実施した調査では、電子契約の利用率が77.9%にまで上っており、今後さらに利用が拡大する見込みです。競合他社におくれを取らないためにも、早めに電子契約の導入に踏み切ることをおすすめします。
初めて電子契約を利用する方には、無料から始められる電子印鑑GMOサインが最適です。GMOサインのフリープランなら月5件まで文書送信が可能なので、実業務で使い勝手を確かめてから本格導入できます。
- 電子署名により契約書の改ざんを防止
- 認定タイムスタンプで契約締結日時を証明
- クラウド上で契約書を安全に保管できる
- 契約相手もアカウント不要でかんたんに署名可能
- 契約の進捗状況をリアルタイムで確認可能
- 署名互換機能があるので、主要サービスを相手方が利用していればそのまま署名が可能
そもそも電子契約とは
電子契約とは、契約書を紙ではなく電子データで取り交わす契約方法です。紙の契約書のように印鑑を押す代わりに電子署名を用いて双方の合意を示し、契約書はPDFなどのデジタルファイルで作成・保管されます。
以下では、電子契約の概要や種類についてより詳しく解説していくので確認していきましょう。
電子契約の概要
電子契約は紙の契約書をデジタル化したもので、オンライン上で契約の締結・保管を完結できます。契約当事者は電子上で署名または押印を行い、成立した契約書はPDFなどで保管します。紙のように物理的な印鑑を押す必要がないため、インク代や郵送費などが不要です。
契約書の送付・返送もメールなどで行えるため、郵送費用や移動コストも削減できます。また、電子契約導入企業の多くは印紙税の節約を大きなメリットとして挙げています。電子契約書は印紙税法における課税文書に該当せず、印紙税が不要になるためです。

電子契約の種類
電子契約には大きく分けて立会人型と当事者型の2種類があります。それぞれ電子署名の付与者が異なり、利便性と信頼性にも違いがあります。
立会人型は、契約プラットフォームを提供する事業者が第三者として契約文書に電子署名を施すことが特徴です。一方の当事者型では、契約当事者本人が自身の電子証明書を用いて文書に電子署名します。
立会人型はメールアドレスさえあれば契約可能で導入が容易な反面、本人性の担保や信頼性は当事者型ほど高くありません。当事者型は電子証明書による厳格な本人確認が行われるため信頼性が高く、重要な契約にも適しますが、その分証明書発行や運用に手間とコストがかかります。
| 区分 | 電子署名の付与者 | 本人確認方法 | 署名の信頼性 | 導入・利用の容易さ |
|---|---|---|---|---|
| 立会人型 | サービス提供事業者 | メール認証などで簡易確認 | 当事者型に比べると低い | 高い |
| 当事者型 | 当事者本人 | 電子証明書による厳格確認 | 本人証明力や信頼性が高い | 低い |

電子契約を求められた場合の対応方法
取引相手から電子契約での締結を求められたとき、自社がまだ電子契約を導入していなくてもいくつかの対応策があります。この章では、相手方の要望にスムーズに応じるための方法を紹介します。
- 同一のサービスをゲストとして利用する
- 片方のみ紙の契約書を利用する
- 相手方とは異なる電子契約サービスを利用する
同一のサービスをゲストとして利用する
最もかんたんなのは、相手方が使っている電子契約サービスにゲストとして参加する方法です。多くの電子契約サービスでは、契約相手がユーザー登録していなくてもメールアドレス経由の招待で契約に署名できる機能があります。
自社で契約サービスを持っていなくても相手方からのメールを起点に操作するだけで良いため、導入コストや手間をかけず電子契約を利用可能です。また、初めての操作で不明点があれば契約相手の担当者がサポートしてくれる場合も多ので、電子契約初心者でも安心して作業を進められるでしょう。
片方のみ紙の契約書を利用する
自社の事情で電子契約の利用が難しい場合、一方のみ紙の契約書を使う方法もあります。具体的には、相手方が送ってきた電子契約書データを自社で2部印刷し、代表者印や署名を記入して相手に1部返送する手順です。
また社内規程上、紙と電子が混在する契約を禁止している場合もあります。そのような場合は無理に片方のみ紙の文書で契約せず、電子契約自体を丁重にお断りする対応も検討しましょう。
相手方とは異なる電子契約サービスを利用する
相手方が特定の電子契約システムを利用している場合でも、自社に合った別の電子契約サービスを選んで契約することが可能です。この場合、契約書の締結作業をサービスごとに一度ずつ行う必要があり、手間が二重になる点はデメリットです。
こうしたサービス間の衝突問題を解消するため、GMOサインでは署名互換機能を提供しています。GMOサインの署名互換機能を使えば、相手方がDocuSignやクラウドサイン、freeeサインなどで署名した契約書に対し、自社側はGMOサイン上で追加署名を行うことが可能です。
契約相手から電子契約を求められた際にチェックすべき項目
電子契約で契約を進める際には、事前にいくつか確認すべきポイントがあります。以下では、契約相手から電子契約での締結を打診されたときに必ず確認しておきたい項目を解説します。
確認を怠ると、あとから社内承認や法務対応で不備が見つかり契約が滞る恐れもあるため、丁寧にチェックしておくことが大切です。
- 社内規定に問題がないか
- 契約の期間がいつまでになるか
- 電子化が可能な契約書か
- 署名タイプはどれか
- 利用する電子契約サービスは安全か
社内規定に問題がないか
まず自社の社内規定を確認しましょう。契約関連の社内規程が紙の契約書を前提としている場合、電子契約を利用するための規定変更や新ルールの策定が必要になることがあります。
たとえば「契約書は原本を紙で○年間保存すること」といったルールがある場合、電子データでの保存方法や承認フローを整備しなければなりません。社内決裁や承認プロセスにおいて、電子契約を使うことで大幅な運用変更が必要になるケースでは、短期間での導入が難しい可能性もあります。
契約の期間がいつまでになるか
契約期間の長さにも注意が必要です。電子署名の本人性を証明する電子証明書には期限が定められており、電子署名法施行規則第6条第1項4号で「電子証明書の有効期間は五年を超えないもの」と規定されています。
四 電子証明書の有効期間は、五年を超えないものであること。
(引用:電子署名及び認証業務に関する法律施行規則|e-Gov法令検索)
一般的な商用の電子証明書は有効期限が1〜3年程度であり、期間を過ぎると署名の有効性を技術的に検証できなくなります。したがって、長期間に及ぶ契約を電子契約で締結する場合は、署名時に認定タイムスタンプを付与して期限を延長できるようにしておくなど、対策を講じることが望ましいです。
電子化が可能な契約書か
契約書の種類によっては、そもそも電子契約が認められていないケースがあります。代表的なのが事業用定期借地契約や任意後見契約です。これらは法律上、公証人によって作成される公正証書で契約書を交付することが義務付けられており、原則として紙での書面作成が求められるので注意が必要です。
改正後は、一定の要件のもとでWeb会議による本人確認や電子署名による公正証書の作成が可能です。デジタル公正証書は指定公証人が在籍する公証役場から順次対応可能になる予定なので、利用前に必ず確認を行いましょう。
署名タイプはどれか
契約をどの署名タイプで行うかも確認が必要です。電子契約には立会人型と当事者型がありますが、契約相手がどちらの方式を想定しているかで準備する物が変わります。
たとえば相手方が立会人型で契約書を送信してくる場合、こちらはメール認証など簡易な方法で本人確認を済ませれば署名できます。サービスによってはワンタイムパスワードのSMS送信など二要素認証を行うケースもありますが、いずれにせよ専門的な準備は不要です。
利用する電子契約サービスは安全か
契約相手から指定された電子契約サービスや自社で採用を検討しているサービスの安全性チェックも大切です。電子契約は企業の重要な契約情報をクラウド上で扱うため、サービス提供企業のセキュリティ対策が万全であることを確認する必要があります。
不安があればサービス提供会社に直接問い合わせ、自社の情報セキュリティ基準に照らして問題がないか確認すると良いでしょう。また、利用社員に対してアカウント管理やフィッシング対策の教育を行うことも、安全に電子契約を運用するためには欠かせません。
電子契約のメリット
電子契約の導入には多くのメリットがあります。ここでは、企業が電子契約を採用することで得られるおもな利点を解説します。自社の業務課題に照らし、電子契約導入によって得られる具体的なメリットを把握することで、導入検討の判断材料としてください。
- 契約に関するコストを削減できる
- 契約完了までの時間を短縮できる
- コンプライアンスを強化できる
契約に関するコストを削減できる
電子契約最大のメリットの一つが、契約にまつわるコストの削減です。紙の契約書では収入印紙の貼付が必要な文書が多く、取引金額によっては1件あたり数百円〜数千円の印紙税負担が発生します。
電子契約であれば課税文書に該当せず印紙税が一切不要となるため、契約ごとにかかっていた税コストをゼロにすることが可能です。また、契約書を郵送するための切手代や封筒代、印刷のための用紙代などの細かな費用も電子化で省けます。
電子契約への移行により契約締結コストを大幅に削減できた事例は多いです。直接的な経費節減につながるため、コスト意識の高い企業にとって魅力的な選択肢と言えます。
契約完了までの時間を短縮できる
電子契約を導入すると、契約処理にかかる時間を飛躍的に短縮できます。紙の契約書では、契約書の印刷・押印から郵送、相手の受領・返送まで一連の流れに数日〜数週間を要することも珍しくありません。
これに対し電子契約であれば、Web上で契約書を作成して電子署名するだけで締結が完了します。お互いが迅速に署名すれば最短当日中に契約成立も可能です。早ければメール送信後数十分〜数時間で電子署名まで完了できるでしょう。
コンプライアンスを強化できる
電子契約の導入は、企業のコンプライアンス強化にもつながります。電子契約サービスでは契約書への電子署名やタイムスタンプ付与によって、契約当事者や締結日時が明確に記録されます。
契約書がきちんと当事者の意志にもとづいて締結され、改ざんされていないことを証明する仕組みが整っているため、あとから契約の真正性を巡ってトラブルになるリスクを低減できるでしょう。
紙の契約書では印鑑証明や割印で担保していた契約書の信頼性を、電子契約では高度な電子署名技術とシステムログによって担保できるのです。契約プラットフォーム上には誰がいつ契約書を開封・署名したかのアクセスログが残るので、紛争時にはそのログを証拠にできます。

電子契約のデメリット
電子契約には多くの利点がある一方で、導入・運用にあたり留意すべきデメリットや課題も存在します。この章では、電子契約を利用することで生じうる注意点やリスクについて解説します。
あらかじめ弱点や対策を理解しておくことで、電子契約の導入を失敗なく進められるので、それぞれ確認していきましょう。
- 関連法令について知識が必要になる
- サイバー攻撃やなりすましのリスクがある
- 電子契約サービスを本格的に利用する場合はランニングコストが必要
関連法令について知識が必要になる
電子契約を適法かつ適切に運用するためには、関連する法律の知識を身につけておく必要があります。電子契約では電磁的記録の保存に関する法律や電子署名・認証に関する法律への対応が求められるためです。
具体的には、電子帳簿保存法と電子署名法の2つが特に重要です。電子帳簿保存法により、契約書を含む国税関係書類を電子データで保存する場合には、所定の要件を満たさなければならないと定められています。
また電子署名法では、電子署名の定義や法的証拠力などが規定されており、電子署名が適切に行われた場合は紙の自署と同等の法的証拠力を認めることなどが明文化されています。
| 法律名 | 正式名称 | 概要 |
|---|---|---|
| 電子帳簿保存法 | 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 | ・契約書などの証憑を電子データで保存する際のルールを定めた法律 ・国税関係書類を電子保存する場合、真実性確保や可視性確保、適切な保存期間(原則7年)などの要件を満たす必要がある |
| 電子署名法 | 電子署名及び認証業務に関する法律 | ・電子署名や認証業務に関する法律 ・電子署名の定義とそれが持つ法的証拠力を規定し、本人が行った電子署名で内容が改ざんされていない場合、電子文書は紙の書面と同等の法的証拠力を持つと認めている |
サイバー攻撃やなりすましのリスクがある
電子契約はインターネット上で契約情報をやり取りするため、サイバー攻撃や不正アクセスのリスクも念頭に置く必要があります。具体的には、電子契約サービスの利用アカウントが第三者に乗っ取られてしまうと、勝手に契約書に署名されてしまうリスクが考えられます。
また、クラウド上に保管された契約書データがハッキングにより漏えい・改ざんされるリスクもゼロではありません。紙の契約書でも紛失や盗難のリスクはありますが、電子契約では悪意ある攻撃者によって世界中どこからでもアクセスされる可能性があります。
電子契約サービスを本格的に利用する場合はランニングコストが必要
電子契約サービスの本格導入にあたっては、費用面の検討も欠かせません。一般的にクラウド型の電子契約サービスは月額基本料金が設定され、さらに契約書を送信するごとに従量課金が発生する料金体系が多いです。
そのため、月々の契約件数がそれほど多くない企業では、紙で契約していた場合よりもトータルコストが増えてしまう可能性もあります。月に数件しか契約がない場合でも、サービスの最低利用料が発生するため費用対効果が見合わないと感じるケースがあるでしょう。
電子契約の有料サービスは、契約書の件数が増えるほどコスト削減効果が高まる傾向にあるため、自社の契約書発行数や印紙代支出額を計算し、導入メリットが出るか試算することが大切です。また複数のサービス間で料金プランを比較検討して、自社にあったものを選択しましょう。
電子契約を求められた場合のよくある質問
電子契約を求められたときの断り方は?
どうしても自社の都合で電子契約に対応できない場合、丁寧かつ合理的な理由を添えて断ることが大切です。セキュリティポリシーや社内規則、社内の法務体制など正当な理由を説明し、電子契約に対応できない事情を率直に伝えましょう。
また、ただ拒否するのではなく代替案を提示するのも関係悪化を防ぐポイントです。「紙の契約書であれば迅速に対応可能ですがいかがでしょうか?」と提案すれば、双方が歩み寄りやすくなります。
電子契約で気をつけることは?
電子契約を利用する際には、法令遵守とセキュリティの二点に特に注意が必要です。まず、電子帳簿保存法や電子署名法など電子契約に関連する法律に対応しているサービスかを確認しましょう。
契約書データの保存期間や検索機能など、法的要件を満たしていない運用をするとあとで問題になる可能性があります。また、通信経路が暗号化されていれば、盗聴・改ざんされるリスクを大幅に減らせます。
相手方とは違う電子契約システムを利用している場合はどうすればよい?
自社と取引先で異なる電子契約サービスを利用している場合、契約の締結方法をあらかじめ打ち合わせて決める必要があります。一般的には、どちらかのサービスに合わせて契約するか、双方のサービスでそれぞれ契約締結を行うケースが多いです。
中には、GMOサインのように他社サービスの署名付きPDFを取り込んで追加署名できる機能を提供しているサービスもあります。このような互換機能が使える場合は、お互い普段使っているシステム上で完結できるため便利です。
電子契約が普及しない理由はなに?
電子契約は年々利用が拡大しているものの、依然として紙の契約書を使い続ける企業も少なくありません。その普及を阻むおもな理由としては、セキュリティへの懸念や社内規程の整備負担、現状維持の安心感などが挙げられます。
ただし、電子契約の利用率は77.9%にまで上っており、今後も触れる機会は多くなることが考えられます。業務効率化で競合優位性を維持したい場合、なるべく早めに導入することがおすすめです。
電子契約書は義務化される?必須ではない?
結論から言えば、電子契約の利用は現時点で義務ではなく、紙の契約書で契約しても問題ありません。日本の法律上、契約は当事者同士の合意があれば成立し、その形式は原則自由であるためです。
したがって取引先から電子契約を求められても、自社が対応困難な場合は紙契約で進める旨を丁寧に説明すれば相手方も快く応じてくれるでしょう。
電子契約は無料でスタートできるGMOサインがおすすめ
未導入の状態で取引先から電子契約を求められた際には、相手方のサービスにゲストとして参加するか、片方のみ紙で契約するケースが多いです。いずれにしても電子契約書を相手方から受け取った場合は、電子帳簿保存法に対応できるように体制を整えましょう。
ただし、昨今は多くの企業が電子契約を利用し始めているため、対応できるリソースがあるならこの機会に導入の検討をおすすめします。特に無料お試しプランがあるサービスなら、初期費用をかけずに実際の使用感を確認できるので安心です。
GMOサインはフリープランでも月5件まで文書の送信が可能なので、小規模な取引で試用しながら社内稟議や運用フローを整備し、その後本格導入に移行できます。GMOサインは他社サービスとの互換性も備えており、仮に取引先がクラウドサインやDocuSignを使っていてもGMOサイン上でその契約書に電子署名を付与することが可能です。
導入企業は累計350万社以上(※1)にのぼり、国内シェアNo.1(※1,2)のサービスとしても知られています。自社の競争力強化やDX推進の観点からも、信頼性が高くユーザー数実績のあるGMOサインで電子契約を始めてみてはいかがでしょうか。
※1 「電子印鑑GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントとする 。自社調べ(2023年11月)
※2 電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の送信数(タイムスタンプのみの契約を除く。電子署名法の電子署名の要件より)。自社調べ(2024年8月)










