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契約書や法令などの文書中に頻出する「及び」や「並びに」という単語。よく目にするものの、正確な意味を理解できているでしょうか。
2つの言葉は似た意味を持ちますが、契約書や法令ではしっかりと使い分けられています。契約書を作成する、または締結する機会が多い方は、それぞれの意味と使い方を把握することが大切です。
この記事では「及び」と「並びに」のそれぞれの意味と使い分け方を解説します。日常生活での使用・契約書で使う際に気を付けておきたいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「及び」・「並びに」の2つの言葉は何が違うのでしょうか。ここでは、2つの言葉の意味と日常における使い方を解説します。
「及び」とは、平たく言うと助詞の「と」(英語のand)の意味で、複数の単語を並列にする際に用いる言葉です。文章を書く際、複数の単語が並ぶことがあります。単語の間に句読点や「と」を入れてもいいのですが「及び」を入れることで同じ意味を持つ文章に仕上がります。
どちらも朝食の際に3つのフルーツを食べることを促す文章なので、複数の単語を並べる際に「及び」を使いましょう。
「並びに」とは、2つの単語の両方、または複数の単語のすべてを表す言葉です。「及びに」と同じ意味を持つため、複数の単語のすべてを表す文章を書くときは、どちらを使ってもかまいません。
どちらも並列する単語のすべてを指す文章に仕上がります。
2つの言葉の意味を見て「どちらも一緒では?」と感じた方も多いでしょう。この2つの言葉は同じ意味を持つものの、使う場所によっては使い分けが必要です。ここでは、シーン別の使い分け方を解説します。
日常において「及び」・「並びに」を使う場合は、どちらでも構いません。どちらも英語でいうと「and」の意味を持つので、使い分ける必要がないためです。
どちらかの単語を使えば、並列した複数の単語すべてを表す文章に仕上がります。
日常においては同じ意味を持つものの、法令や契約書ではそれぞれの意味が異なります。「並びに」は大きいカテゴリを表す言葉で「及び」は小さなカテゴリを並列する言葉です。
たとえば、洋菓子と和菓子を表す文章を書くとします。「洋菓子にはケーキ・チョコレート・キャンディなどがあり、和菓子にはまんじゅう・大福・ぜんざいなどがあります。」という文章であれば、以下のようになるでしょう。
ケーキやまんじゅうなどの小さなカテゴリの単語を「及び」でつなぎ、洋菓子と和菓子の大きなカテゴリをつなぐ際に「並びに」を使います。ここではわかりやすいよう菓子の例文を挙げましたが、具体的な法令の例文については後ほど紹介します。
上述したように、2つの言葉は日常と法令・契約書によって使い方が異なります。どちらか一方の意味だけ把握していると、もう一方での使い方に違和感を覚えるため、日常的な使用と専門用語としての使用を理解しておくことがおすすめです。ここでは、具体例を用いて解説します。
前述したように、日常における2つの言葉は同じ意味を表すため、無理に使い分ける必要はありません。複数の単語を並べる際にどちらも活用できるので、思いついた言葉を使うとよいでしょう。
2つの文章は、同様の意味を表します。どちらもごはん・パン・めんのすべての主食を用意することを促すよう読み取れるので、2つまたは3つ以上の単語を並べる際に活用しましょう。
日常生活では使い分ける必要のない言葉でも、法令では明確に使い分けられているので注意が必要です。使い分けを知らないまま読むと意味がわかりにくいため、ここで具体的な法令を用いて解説します。
2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
(引用:民法|e-Gov法令検索)
こちらは民法第598条第2項の条文です。大きなカテゴリは「期間と使用及び収益の目的」、小さなカテゴリは「使用の目的と収益の目的」となります。何らかのものを借りる期間、そして借りる目的と借りることで得られる収益の目的を定めていない場合は、貸主がいつでも契約を解除できる内容です。
続いて「及び」「並びに」の2つが含まれる法令を見てみましょう。
3 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
(引用:行政事件訴訟法|e-Gov法令検索)
大きなカテゴリは「損害の性質及び程度と処分の内容及び性質」、小さなカテゴリは「損害の性質と損害の程度、処分の内容と処分の性質」です。裁判所が損害について判断する際は、損害の性質と程度だけでなく、処分の内容と性質を確認する必要がある内容です。
最後に、及びのほかに「又は」が含まれる法令を紹介します。
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
(引用:民法|e-Gov法令検索)
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
こちらは、民法第724条第1項の条文です。「又は」はどちらかを表す言葉なので、条文の対象は被害者か被害者の法定代理人のどちらかとなります。小さなカテゴリは「不法行為による損害と不法行為を行った加害者」です。
損害を受けた被害者かその法定代理人が、不法行為による損害と加害者を知ったときから3年以内に損害賠償請求を行わない場合、請求権は消滅するという内容です。
ここまでに紹介してきたように、法令や契約書では「及び」と「並びに」の意味が明確に区別されています。適当に使うと、契約する当事者間で解釈の違いが生じるかもしれません。ここでは、契約書を作成する際に気を付けたいポイントを解説します。
契約書を作成する際はフォーマルな文章を書く必要があるため、似ている単語と間違えないよう注意しましょう。「及び」・「並びに」はもちろん、ほかにも似た言葉があるため、それぞれの意味を把握することが大切です。
「及び」・「並びに」は名詞を並列につなぐ際に使用しますが「かつ」は動詞や形容詞などを並列につなぐ際に使われます。実際の使用例を見てみましょう。
第六百二十二条の二 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
(引用:民法|e-Gov法令検索)
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
民法第622条の2、第1項の条文に「かつ」が用いられています。賃貸借の契約が終了した・賃借物が貸主に返還されたの2つの行為を満たすことで、貸主は借主の敷金の残額を返還しなければならない内容です。
「又は」と「若しくは」は同じ意味を持ちますが「及び」・「並びに」同様、法令や契約書では使い分けられています。「又は」は大きなカテゴリ「若しくは」は小さなカテゴリです。2つが含まれる法令を見てみましょう。
第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
(引用:民法|e-Gov法令検索)
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
民法第111条第2項の条文に2つの言葉が含まれています。大きなカテゴリは「代理人の死亡か代理人が破産手続き開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと」、小さなカテゴリは「代理人が破産手続き開始の決定を受けたと代理人が後見開始の審判を受けた」です。
どちらか一方を満たす場合は、代理権が消滅する内容です。難しく見える条文や契約書も、言葉の意味を理解していれば内容全体を把握できます。
契約書に記載するときは、漢字・ひらがなのどちらかに統一することがおすすめです。ここまでに紹介してきた言葉は、契約書内に用いられることも多いでしょう。正しい内容になっていれば問題ないものの、表記がバラバラだと体裁が悪くなります。
すべての単語は、漢字・ひらがなどちらを使ってもかまいません。「及び」「および」どちらでも問題ないため、表記がバラバラにならないよう作成後にチェックすることが大切です。
契約書を作成するソフト・アプリには単語の検索と置換機能が付属しています。作成後に検索機能を使って表記ゆれがないかを確認してみてください。バラバラになっている場合は置換機能を使い、漢字・ひらがなのどちらかにまとめましょう。
日常生活のなかで「及び」・「並びに」を使う機会がある方も多いでしょう。どのような場面で使えばいいのか、日常において気を付けるべきポイントはあるのかを解説します。
ここまでに紹介してきたように、日常生活における「及び」・「並びに」の2つの言葉は同じ意味を持ちます。そのため、明確に使い分ける必要はないでしょう。ただし気を付けたいのが、2つの言葉を文章で表すときです。
2つの言葉を文章で表すときは、読点を入れる必要があります。読点を入れる場所は「及び」・「並びに」の前です。例文を見てみましょう。
例文を見てわかるように、文章に含める際は「及び」・「並びに」の前に読点を入れなければなりません。2つの言葉の後に入れるものではないので、文章を作る際に注意しましょう。
「及び」・「並びに」はかしこまった表現として使われるため、フランクな場での会話ではなく、ビジネスシーンで使うことがおすすめです。友達などとの会話の中でどちらかの言葉を含めると、相手が困惑する恐れがあります。「及び」・「並びに」の代わりに「~と、~が」などのフランクな表現が良いでしょう。
一方でビジネスシーンではかしこまった表現が好まれるため「及び」・「並びに」を活用します。クライアントや目上の人にフランクな表現を使うとビジネスに支障が出るため、フォーマルな言葉を用いましょう。
最後に「及び」・「並びに」に関するより詳細な使用法について解説します。
2つの言葉を同時に使う際は、大きな接続部分に「並びに」を使い、小さな接続部分には「及び」を使用することが一般的です。たとえば、以下の例では「損害の性質と程度・処分の内容と性質」が大きな接続部分である「並びに」で区切られています。
3 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
(引用:行政事件訴訟法|e-Gov法令検索)
また、以下の例でも、「使用貸借の期間・使用と収益の目的」が「並びに」で分けられています。
2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
(引用:民法|e-Gov法令検索)
特にビジネスシーンでは、上記のように使い分けを理解してわかりやすい文章を作成することが大切です。
4つ以上の単語を並べる際は「及び」を増やすのではなく、読点を増やしましょう。たとえば、リンゴ・バナナ・キウイ・グレープフルーツを勧める文章を作成するとします。
このように、最後の単語の前にだけ「及び」を付け、そのほかの単語の後に句読点を付けましょう。果物だけでなく、野菜を含めた5つの単語を紹介する例文は以下のとおりです。
果物と野菜の大きなカテゴリをつなぐときは「並びに」を使い、果物と野菜それぞれの小さなカテゴリをつなぐときは「及び」を活用しましょう。
「及び」・「並びに」は使うシーンに応じて意味が異なります。日常会話においては、この2つの単語は同じ意味を持ちますが、法令や契約書では明確に使い分けられるため、契約書を作成する機会がある方はそれぞれの意味をきちんと把握することが大切です。
2つの言葉の意味を理解し、文書内に含めることでビジネスシーンにふさわしい契約書を作成できます。ここで紹介した言葉の意味と使い方を参考に、正しい表現を用いた文書を作りましょう。
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