書類文化から脱却し、膨大な契約事務を電子契約で効率化
日建レンタコム株式会社は、30社の関連会社を有し、法務・人事・情報・財務を統括する、ホールディングスカンパニーです。主に、日建リース工業株式会社の会社運営をサポートしており、建設業界向け仮設資材や、物流機器、工事現場用ハウス・備品、介護福祉用具などの総合レンタル事業を生業とするサービスを展開しています。 同社では、契約業務の効率化およびコンプライアンスの徹底を目的として、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」の導入を進めています。その背景や導入効果について話を伺いました。
取材協力日建レンタコム株式会社 法務部 部長 牛田さま
| 業種 | 契約類型 | ご利用プラン |
|---|---|---|
| ホールディングス・カンパニー | 賃貸借基本契約、取引基本契約、工事請負契約、業務委託契約、労働契約など | 契約印&実印プラン |
記事の要約
- 全国の事業所が扱う契約の締結状況を把握できていなかったことが課題
- 信頼度の高さとトライアル体験での利便性が決め手に
- 契約書のデジタル化によって、契約の見える化を促進
- 多岐にわたる契約をテンプレート化することで対応
―日建レンタコム株式会社で電子契約を採用するに至った経緯を教えてください。
電子契約の導入を検討・採用するに至った背景には、主に二つの課題がありました。
一つ目は、契約書の管理とコンプライアンス対応の強化です。日建リース工業は、全国150以上の拠点で事業を展開しており、契約締結にあたっては、法務部と各地の事業所が連携して対応していましたが、契約書が法務部に届かず支店で保管されるケースもあり、管理の一元化やコンプライアンス面での課題が顕在化していました。
二つ目は、雇用契約に関する書類管理の負担です。雇用契約は法令により5年間の保存が義務づけられており、各事業所では印刷・押印・配布・回収・保管といった煩雑な作業が発生していました。現場からは、業務負荷の軽減を求める声が寄せられており、こうした課題を解消し、契約業務の効率化と管理体制の強化を図るため、電子契約の導入を本格的に検討することとなりました。
―電子契約の導入を決めてから、どのように事業者を選定していきましたか?
電子契約の導入に向けて、具体的な検討を開始したのは2023年5月頃だったと記憶しています。ただ、その前段階として、経営トップの意向により、別部署では電子印鑑GMOサインとは異なる電子契約サービスの導入が進められていました。しかし、そのサービスは十分に活用されておらず、現場での定着に課題があることが分かりました。
この状況を受け、法務部としても改めて電子契約サービスの選定を検討する必要があると考え、情報収集から始めました。法務部スタッフ全員で電子契約に関するフォーラムに参加し、各事業者の特徴やサービス内容について学ぶ機会を設けました。
ちょうど同じ時期に、人事部でも電子契約システムの導入を検討していました。信頼性の高さや既存の導入実績を踏まえ、当時の電子印鑑GMOサインの人事系オプションに絞ってトライアルを実施しました。このように、現場の課題を踏まえた検討と、他部署の連携によって、GMOサインの導入を決定しました。
―電子契約サービスを選定するにあたって譲れない条件や機能、仕様などはありましたか?
電子契約サービスを選定するにあたって、まず重視したのは「広く一般に普及しているサービスであること」でした。契約締結の依頼を行うだけでなく、受託側としてもスムーズに対応できることが重要だと考えました。
また、弊社は全国に多数の事業所を展開しているため、登録ユーザー数に制限がないことも必須条件でした。加えて、契約データの保管に制約がないこと、API連携やSSO(シングルサインオン)、IPアドレス制限など、高いセキュリティ機能を備えていることも重要な選定基準でした。
これらの条件を満たす、電子印鑑GMOサインは非常に信頼性が高く、導入に至った背景にはこうした技術的・運用面での安心感がありました。
―電子印鑑GMOサインの導入サポートもご利用いただいたと思いますが、弊社の対応はいかがでしたか?
電子印鑑GMOサインの導入を決定した後、御社の担当者とは何度も打ち合わせを重ねました。その中で、弊社側で決定すべき事項や準備の進め方について丁寧にご案内いただき、導入に向けた体制を着実に整えることができました。導入サポートにおいて、不安や不満を感じることは一切なく、安心してプロジェクトを進めることができたことに感謝しています。
一方で、導入にあたって最大の課題は、専任の担当者を社内で選定できなかったことです。このままでは理想的なシステム構成でスタートできないという危機感から、私自身がプロジェクトリーダーとして陣頭指揮を執ることを決断します。さらに、IT部門スタッフをプロジェクトチームに加え、セキュリティ設定やフォルダ構成、ユーザーグループのルール化など、体制強化と御社の手厚い導入サポートで、スムーズな導入を実現することができました。
―現在、どのように電子印鑑GMOサインを利用されています
現在、電子印鑑GMOサインは主に次の二種類に分類されて活用しています。
一つ目は労働契約の締結です。日建レンタコムと日建リース工業の社員に対して、年に一度契約書を送信します。その件数は約1,800件にのぼります。さらに、管理職については半年ごとに契約書を送信し、年間では約500件に達し、総件数で2,300件になります。
また、日常的には、建設会社や物流会社との賃貸借基本契約、介護事業の得意先との取引基本契約、消毒委託契約、住宅改修に関する契約など、幅広い契約業務に電子契約を活用しています。加えて、外注鳶業者との工事請負契約、商品販売契約、各事業部で締結する顧問契約など、利用範囲は多岐にわたります。
こうした多様な契約に対応するため、現在は66種類の契約テンプレートを整備し、効率的な運用を実現しています。今後は、賃貸借個別契約や、他社の電子契約システムで運用している業務委託契約の電子印鑑GMOサインへの統一化も視野に入れ、さらに活用拡大を進めていく予定です。
―電子契約を導入したことでどんな効果・メリットがありましたか?
電子契約を導入して最も大きな効果は、契約締結までのスピードが格段に向上したことです。弊社の主要事業はレンタル業であり、一部の取引では商談成立後すぐにレンタル品を出庫する必要があります。従来の紙契約では、契約書の作成や郵送に時間がかかり、納品が遅れるケースもありました。しかし、電子契約の導入により、契約締結のプロセスが迅速に進むようになり、お客様の希望納期に間に合わせて商品を出庫できるケースが増えています。
また、契約の締結状況をリアルタイムで把握できるようになった点も大きなメリットです。以前は、契約完了の確認に時間を要していました。現在では、契約のステータスを即座に確認できるため、締結状況の管理が容易になり、契約業務が常態化しています。
さらに、契約件数や取引先の情報が可視化されるようになったことで、法務を統括するホールディングスカンパニーとして、契約管理の精度と効率が大きく向上しました。
―現在のご契約いただいているオプション機能のなかで、とくに入れてよかったと思うものはありますか?
完了メールへの締結証明書添付機能です。このオプションを申し込む以前は、取引先から契約締結証明書の送付を求められたら、その都度、ダウンロードして相手先に送信していました。オプションによって、その一手間が不要になったことに満足しています。本オプションは、電子印鑑GMOサインのユーザーにダウンロード権限を付与しないといった変更も可能なため、セキュリティの向上にもつながっています。
―GMOサインの導入後に見えてきた新たな課題があれば教えてください。
電子印鑑GMOサインの導入にあたり、各支店の責任者や業務担当者を対象に説明会を実施しましたが、社内全体への浸透という点では、まだ十分とは言えない状況です。今後は、定期的な説明会の開催を通じて、さらなる理解促進と活用の定着を図っていく必要があると感じています。
また、利便性向上のために契約書のテンプレートを66種類用意しましたが、種類が多すぎることでかえって選びづらく、活用しきれないという声も上がっています。現在は、それぞれのテンプレートに簡易的な説明文を添えることで、選定のしやすさや理解度の向上を目指して試行を重ねているところです。
―お忙しいところ、ありがとうございました。
- 掲載している内容、所属やお役職は取材当時のものです。
| 自治体名 | 日建レンタコム株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区神田猿楽町2-8-8 住友不動産猿楽町ビル17階 |
| URL | https://www.nrg.co.jp/ |
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