働き方

2021年11月12日

与信管理とは?業務の流れと調査方法、与信限度額設定時の基準

「与信」という言葉を聞いて、すぐにイメージが持てますか?与信とは、取引において商品やサービスの販売先に対して、代金を回収するまで信用を与えることを指します。与信は、経営をする上でとても重要なものです。最近では、与信を専門に行う部署がある会社もあります。

銀行などの金融機関では「与信」がメインの仕事になるため、当然ノウハウがあります。しかし、事業会社においては、ノウハウの蓄積が進んでおらず、与信のやり方がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は、与信管理やその方法について解説します。

与信に関する基礎知識

与信とは、商取引をするにあたり、取引相手に信用を供与することです。たとえば、スーパーで買い物する場合には、商品やサービスは現金と引き替えに提供されるため、与信を行う必要はありません。しかし、店舗における取引とは異なり、企業間での取引では、その都度代金を支払うことの方が珍しく、締め日を決めて納品日の翌月に代金を支払う方法が一般的です。このように、商品と代金の引き渡しが同時に行われない場合に与信管理が必要になります。

ここで、与信管理とは、商品やサービスを販売し代金や料金を受け取る側(債権者)が、売掛金等の債権を確実に回収できるようにするために、相手先企業の支払能力について調査し、リスク管理することです。具体的には、掛け取引を増大させないよう、未払いの代金の限度額(与信限度額)を設定したり、与信状況に応じて回収期間を調整したりすることを指します。

与信管理が重要な理由

与信管理が重要なのは、取引先が倒産してしまうと、債権の回収ができなくなるからです。取引額が大きければ大きいほど、倒産したときのダメージが大きくなります。取引額が大きいところというのは得意先なので、厳しい対応ができず、「支払期限を遅らせてくれ」と頼まれると断りづらいものです。しかし、万が一、取引額が大きい取引先が倒産してしまった場合、債権を回収できなくなるばかりか、自分の会社も連鎖倒産しかねません。

例えば、年商10億円の会社が営業利益10%分の1000万円の商品を納品して、その代金が回収できなかった場合、どうなってしまうでしょうか。1000万円の商品を作るためには、材料などの仕入れがあり、商品を作るための費用もかかります。取引先の倒産によりこの1000万円が回収できなくなっても、仕入先への代金や費用は払わなければなりません。これが払えなければ、自分の会社が潰れるということです。

与信管理を行う流れ

与信管理の方法は、企業によって異なりますが、事業会社では概ね以下のような流れで行われます。

STEP1:取引先評価
新規取引先はもちろん、既存の取引先についても定期的に信用状態について評価することが重要です。評価するための調査の方法は次の項目で説明します。

STEP2:取引判断
評価結果を踏まえ、取引をするかどうかを判断します。信用できると判断した場合には、掛けでの取引をしても問題はありませんが、信用できないと評価した場合には、現金取引に限定するか、支払期限を短くするなどの対応が必要です。場合によっては、デポジット(保証金)を求めることもあります。

STEP3:信用枠の設定
信用取引を行う場合、取引先の信用度に応じて信用枠を設定します。信用枠とは、取引金額や企業規模に応じて取引先にどこまで売り込んでよいかという最高限度額を設定するものです。クレジットカードの利用限度額をイメージするとわかりやすいでしょう。自社のキャッシュフローの状況なども踏まえて、総合的に判断する企業もあります。

STEP4:売上債権管理
信用枠を設定したら終わりではなく、そこから与信管理がスタートします。毎月の期限に売掛金は回収できているか、信用枠を超えていないかなど、常にアンテナを張っておく必要があります。

与信管理時の調査方法

与信管理を行うための調査方法には、内部調査、外部調査、依頼調査の3つがあります。

内部調査

内部調査とは、社内にある情報をベースに行う調査です。これまでの取引履歴や営業部門の従業員などからの聞き取りを行うなどの方法があります。また、調査対象会社に直接訪問あるいはメールや電話で直接問い合わせるということも少なくありません。

外部調査

外部調査とは、外部の情報をベースに調査を行うことです。登記を調べる、インターネットで調べる、調査対象会社の取引先に問い合わせるなどがあります。

依頼調査

依頼調査とは、調査会社などに依頼して調査を行うことです。代表的な調査会社には帝国データバンクや東京商工リサーチがあります。

与信限度額設定時の主な基準

ビジネスはリスクを取ることも重要なので、慎重に与信限度額を低く設定することを考えがちですが、ここで適切な与信限度額を設定するポイントをお伝えします。主な基準としては、次の3つがあります。

自社の売上債権を基準とする

自社の売上が十分にあれば、手元の現金には困らないため、自社の売上債権に一定の割合を掛けて与信限度額を設定するというものです。算式は、「自社売上債権× 一定割合× 格付けウェイト」になります。

取引先の純資産を基準とする

取引先の純資産が十分にあれば、倒産のリスクは少ないと考えられることから、純資産に一定の割合を掛けて与信限度額を設定するというものです。算式は、「取引先純資産× 一定割合× 格付けウェイト」になります。

取引先の仕入債務を基準とする

取引先の仕入債務が多くあるということは、それだけ支払能力が高いことを意味するので、仕入債務に一定の割合を掛けて与信限度額を設定するというものです。算式は、「取引先仕入債務 × 一定割合× 格付けウェイト」になります。

まとめ

今回は、与信管理とは何か、与信管理の流れ、調査方法、与信限度額設定時の基準などについて解説してきました。せっかく取引をしても、債権が回収できなければ損をしたり、さらには倒産の危険に晒されたりすることがあるので、相手方の信用度を知るための与信管理は重要です。今回の記事を参考に与信管理を改めて考えてみてください。

また、取引先を調査する際は契約書等も確認しますが、電子契約を行っていると契約の検索を端末上で行うことができ、確認が楽になります。これを機会に、契約についても「電子印鑑GMOサイン」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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